この記事では、これまでに雑誌「Lightning」にたびたび登場してきた名作エンジニアブーツが勢揃い! 定番中の定番「黒」のエンジニアブーツだけでなく、2足目に欲しくなる、定番とはまた違った魅力のある変化球系エンジニアブーツのおすすめも紹介する。
また近年注目の日本ブランドのものもピックアップ。後半には洒落者たちのコーディネイトも掲載しているので、ぜひ着こなしの参考にしてみてほしい。
レッドウィングだけではない! メンズにおすすめの定番エンジニアブーツ7選。
数あるブーツブランドのなかでも人気の高いレッドウィングをはじめ、ホワイツやウエスコといったいつか手に入れたい憧れブランドなど、だれもが知るエンジニアブーツの定番をここでは7つ紹介する。
【定番①】レッドウィング(RED WING)|茶芯の経年変化が楽しめる、「9268」。
茶芯の経年変化が楽しめる、レッドウィングを代表する人気エンジニア。1980〜’90年代のレッドウィング「2268」は茶芯のブラックレザーと、足首部分が細く設計された筒を持ち、ヴィンテージ市場でも人気が高い。度々マイナーチェンジをしてきた元祖エンジニアブーツ「2268」の、その当時のディテールを再現した、より伝統的なエンジニアブーツがこれである。プレス製法でつくられるバックルも再現されている。(レッドウィング・ジャパン TEL03-5791-3280)
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【定番②】ウエスコ(WESCO)|カスタムオーダーもしたい、「ボス(BOSS) 」。
ウエスコのエンジニアといえば「ボス」。無骨で肉感的なデザイン、そして他の追随を許さない卓越した堅牢さは、ハードワーカーのみならず、常に危険と隣り合わせのリアルバイカーたちの心を捉えて離さない。
フィッティングはもちろん、レザーカラーやハードウエアに至るまでカスタマイズが可能。スタンダードなボスは、肉厚なオイルドカウハイドレザー、ハイトは11インチ、ビブラム#100ソールなど、ウエスコの高度な技術が感じされる仕様となっている。(ウエスコ ジャパン TEL06-6783-6888)
【定番③】ホワイツブーツ(WHITE’S BOOTS)|2013年に誕生した、「ノマド(12” NOMAD) 」。
ハイクオリティなハンドソーン製法のエンジニアブーツが欲しいという長年のリクエストに応える形で、2013年から生産がスタートした「ノマド」。フルグレインのオイルドレザーを使用し、ホワイツ特有の“アーチイーズ(土踏まずの膨らみ)”も採用されているので、高いフィット感が得られる。ビブラム#700を採用。実に男前な一足となっている。(https://whitesbootsjapan.com/)
【定番④】ビルトバック(BILTBUCK)|アトラクションズ の主要ブランドから登場! 「ザ・パイオニア(The Pioneer)」
モーターサイクルカルチャーやヘリテージスタイルを得意とするアトラクションズが手がけるブランド「BILTBUCK」の定番ブーツ。モーターサイクルブーツ創世記をコンセプトに最高級品のひとつとされるグィディ社のホースバットを採用。
ストレートなオリジナルラストを使用し、さらにヒールカウンターはドレスシューツに用いられるインナーカウンターを採用することで高級感溢れるクラシカルなフォルムを生み出している。(アトラクションズ TEL03-3408-0036)
【定番⑤】ブコ(BUCO)|リアルマッコイズが志しを引き継ぐ!「ホースハイドエンジニアブーツ バトック(BUTTOCK)」。
1933年創業。アメリカ・ミシガン州デトロイトで創業したモーターサイクルアクセサリーブランドであり、数々の名作ライダースジャケットを生み出した人気ブランド、ブコ。現在ブランドは消滅したが日本のリアルマッコイズがジャケットやブーツの製作を引き継いでいる。
厳選されたホースハイドのバトック(臀部)のみを使ったシャープなエンジニアは贅沢の極み。バックルも鉄製でクラシカルな雰囲気満点で、登場以来愛される逸品だ。(リアルマッコイズ TEL03-6427-4300)
【定番⑥】ロンウルフ(LONE WOLF)|アメリカ×日本のコラボレーション!「No.LW00300 “エンジニア”」
アメリカの旧きよき時代に作られたワークブーツを蘇らせるブランド、ロンウルフ。パーツはアメリカ製にこだわり、縫製は日本の職人が手がける。
5㎜厚の革を4枚使ったヒールやプレス式のブラスバックル、トゥにスチールキャップの入らない仕様など、ヴィンテージエンジニアブーツに見られるディテールを再現した定番エンジニア。(シュガーケーン/東洋エンタープライズ TEL03-3632-2321)
【定番⑦】チペワ(CHIPPEWA)|ブランドを代表する一足、「11 スチールトゥエンジニア(11 STEEL TOE ENGINEER)」。
110余年の歴史を持つチペワの中でも、ロガーと並び歴史が旧いモデルがこのエンジニアブーツ。製造・販売が始まったのは1930年代という、ロングセラーモデルだ。グッドイヤーウェルテッド製法のタフネスさもさることながら、米国材料試験協会の規格を満たすスチールトゥを採用するなど、高い安全性を誇る。(チペワ TEL03-3476-5448)
次なる一足に選びたい! ライトニング編集部がおすすめする変化球エンジニアブーツ7選。
黒のエンジニアブーツはやはり持っておきたいところだが、2足目ともなれば遊び心も欲しいところ。ここでは、1年中エンジニアブーツを履く男、革ジャンの伝道師・モヒカン小川が注目する7足を紹介する。
【変化球①】スクーブ(SKOOB)|こんなに男らしいブーツ、見たことある?「ワンダー(WANDER BLACK BISON)」
バイソン革のブーツを履いたことが無いので、どんなエイジングを見せるかが楽しみ。バックルの真鍮とダイナミックなシボとのコントラストが、足元にインパクトを与えている。(ブックス TEL03-5808-9042)
【変化球②】ロンウルフ(LONE WOLF)|ロールアップして2トーンを見せたいぜ!「No.LW00300 “エンジニア”」
定番でも紹介したロンウルフのエンジニア。デニムをハングロールする俺にとって、2トーンは嬉しい仕様。1940〜’50年代のモデルをベースにしたワイルドな佇まいも◎。オイルを含んだアメリカ製カウハイドの質感も最高でしょ。(東洋エンタープライズ TEL03-3632-2321)
【変化球③】リオス オブ メルセデス(Rios of Mercedes)|このトゥの 汚したいぜ。反り返りがクール!「TRAVIS 2017(トラヴィス)」
リオスのシンプルな感じのウエスタンブーツなら、普段使いでもいけるし、エンジニア好きの俺の次なる1足にもってこい。ブーツカットもいいけど、太いストレートデニムと合わせたいな。(福禄寿 TEL03-3871-8262)
【変化球④】ルイスレザーズ(Loeis Leahters)|キャンバスとレザーのコンビが最高!「RAFブーツ(1939 PATTERN RAF BOOTS)」
第二次大戦時のRAFのブーツを復刻したモデル。キャンバス地とカーフレザーの組み合わせもたまらないよね。ライニングはシリアルウールで防寒性も高い。これ、オリジナルは激レアだよ。(ルイスレザーズジャパン TEL03-6438-9215)
【変化球⑤】ブコ(BUCO)|前代未聞!コードバンのエンジニア。「ホースハイドエンジニアブーツ コードバン(CORDOVAN)」。
定番でも同じモデルを見たような……と思った人は正解であり不正解。こちらは同じエンジニアだがコードバンで作った贅沢な1足。セパレートソールやクリンピングなど1950年代のモデルならではのディテールを楽しめるのもポイント。履き込んで磨き上げてみたい! お値段は約24万円。これこそ一生モノだ。(ザ・リアルマッコイズ東京 TEL03-6427-4300)
【変化球⑥】ウエスコ(WESCO)|ブーツカットに合わせたくなるフォルムが◎!「モリソン(MORRISON)」。
金属パーツを使わないカウボーイのためのブーツ。尖ったつま先とウエスタンヒールが独特の色気を醸し出している。ウエスコの定番エンジニアブーツ「BOSS」に比べてヒールリフトが1枚多くクッション性も高い。(WESCO JAPAN TEL06-6783-6888)
【変化球⑦】ルイスレザーズ(Loeis Leahters)|乗馬ブーツのような気品のある佇まい。「メカニックブーツ(MECHANIC BOOTS NO.A10)」
元々は英国の乗馬ブーツのラストを使用し、測量士や鉄道のエンジニアが履いていたものを再現。漆黒のポリッシュドブルレザーは、美しい光沢を放つ。ルイスの革ジャンにはこれを合わせたい。(ルイスレザーズジャパン TEL03-6438-9215)
注目株! 日本ブランドのエンジニアブーツ4選。
日本人の足を知り尽くしている、という点で信頼できる日本のシューメーカーのエンジニアブーツを探している人もいるのではないだろうか? 先にあげたブランドの中にも、アトラクションズなど日本ブランドがあるように、知識だけでなく、日本の技術もまた世界中から注目されており、信頼も厚い。そこで、ここでは日本ブランドのエンジニアブーツをピックアップしよう。
1.メイカーズ(MAKERS)|ホースエンジニア(HORSE ENGINEER)
厳選された素材を使ったハイカジュアルなシューズを手がける国産ブランドメイカーズ。流麗で美しいコードバンシューズで有名なメイカーズだが、エンジニアも負けず劣らず美しい。ナロー過ぎない絶妙なデザインで、気負わずに履けそう。素材は革好きには嬉しいホースバット。(ディアドルフ TEL03-3872-8288)
2.モーター(MOTOR )|イタリアンホースバット ドレスエンジニア
1971年創業。本池秀夫がディレクションを務め、2代目となる本池兄弟を中心に伝統と革新をテーマにプロダクツを発信するMOTOのサブレーベル。こちらは1940年代のヴィンテージがベース。肉厚で堅牢なイタリアンホースバットを1点ずつ様々な濃度の染料を重ねることで、奥行きのある色彩の変化が楽しめる。タフで軽量なのでシーンを選ばず使える。(モトスタイルストア TEL03-6447-1613)
3.クリンチ(CLINCH)|エンジニアブーツ(ENGINEER BOOTS)
世田谷にあるワークブーツを中心としたシューズリペアショップの名店「ブラス」が手がけるオリジナルブランド。クラシックでシャープなCNラストを採用。履きこむごとにヴィンテージ感溢れる表情を生み出す。手間のかかるハンドソーンウェルテッド製法を使って丁寧に作られており、まさに一生モノと呼ぶにふさわしい逸品。(ブラス TEL03-6413-1290)
4.ローリングダブトリオ(Rolling dub trio)|ジラフ(GRIFFIN ENGINEER)
浅草にある自社工場で職人のハンドメイドによって生み出される日本人に似合う本格的なワークブーツ&シューズブランド。このジラフは、素材選びはもちろん、立体的に甲周りの吊り込み加工を施すことで、履きやすさやフィット感を改善するなど、同ブランドが考える妥協なき最高のエンジニアブーツ。1足からの完全受注生産。(THE BOOTS SHOP TEL03-3843-0833)
バイク乗りにも愛用者多数! ショート丈のエンジニアブーツ。
無骨なイメージの強いエンジニアブーツだが、ショート丈を選ぶとタウンユースなコーディネイトのしやすさがアップする。着脱のしやすさも、11インチなどと比べれば歴然。履きやすさからショート丈を選ぶバイア―も多い。エンジニアブーツの男らしさは軽減されてしまうが、幅広いファッションに合わせたいならショートのエンジニアブーツという選択もありだ。
写真は、「スローウェアライオン(SLOW WEAR LION)」のショートエンジニアブーツ。サイドにジッパーがついている。ホーウィン社のクロムエクセルを仕様、ビブラム#100とステッチダウン製法で見た目もワイルドだが、サイドジップのおかげでシャフトが細く、ホールド感が高い。また日本人に合わせたEワイズのラストを使用するため、履き心地は柔らかい。着脱のしやすさが群を抜いている一足だ。(https://online.slowwear.co.jp/)
コーデのお手本に! ファッション業界の洒落者たちエンジニアブーツが主役の着こなし。
1.「TROPHY CLOTHING」江川真樹さん|愛用ブーツ:TROPHY CLOTHING
ヴィンテージのインディアン乗りとしても有名なデザイナーの江川さんは、定番で展開しているアローエンジニアブーツで登場。プロトタイプとして作った最初期モデルで、ブラックカラーであったがエイジングによりブラウンにチェンジ。なんとも色気のある表情だ。
2.「MOTOIKE GALLERY」清宮圭介さん|愛用ブーツ:MOTOR
モトの創業者である本池秀夫氏の作品やディレクションするモーターを購入することができる本池ギャラリーの清宮さんは、スペシャルなハンドダイのドレスエンジニアブーツを着用。ヴァンプが手染めのグリーンで、シャフトがブラウンという絶妙なカラーリングとなっている。
3.「WOLFMAN BARBER SHOP JINGUMAE」荒井誠二さん|THE GROOVIN HIGH
ベラフォンテのバギーデニムの穿きこなしが見事な荒井さんは、ウルフマンバーバーの期待の新人。ジーンズがワークウエアであった時代をうまくリファインしたジーンズには、同年代のテイストを持った茶芯のエンジニアブーツでコーデ。グルーヴィンハイの人気モデルである。
4.「BerBerJin」藤原裕さん|愛用ブーツ:RED WING×BEAMS #8274
ビームスが別注したブラックのラフアウトを用いたエンジニアブーツは、10年選手のお気に入りモデル。半年に一度くらいブラッシングと栄養を与える防水スプレーをする程度で、あえてラフに履き込んでいる。柔らかなラフアウトならではのシャフトの深いシワは、藤原さんの足の形になっており、重たいが履き心地は快適だそう。ボトムスと相まってシックな大人コーデに仕上がっている。
5.「Attractions」西崎智成さん|愛用ブーツ:BILTBUCK Lot.603 Horsebutt Engineer Boots “THE PIONEER”
ローパーブーツのようなドレッシーさを残しつつ、クラシカルでフィッティングの良い立体的なアーチとヒールが特徴のエンジニアブーツ。バイカーファッションのお手本にしたい秀逸な着こなしだ。
「2年ほど愛用しているブーツで、普段から、バイクに乗るときもヘビーに着用している1足です。アッパーにはグイディ社のホースバットを使用していため、特有のツヤとハリがお気に入りです」
6.「JELADO」熊崎孝彦さん|愛用ブーツ:JELADO×MAKERS Pepin Short Engineer
天気に関係なく約半年間毎日履き込んだ1足。素材は黒いイタリアンホースバット。基本的にはノーメンテで、ブラッシングを月に1回程度。オイルアップはつい先日の1回のみ。デニムオンデニムコーデにエンジニアの色合いが見事にマッチ。
「ステッチダウン製法のためソールが軽く履きやすいのでエイジングしやすいはず。週末だけブーツを履くという方にもオススメです」
7.「THE FAT HATTER」林尚人さん|愛用ブーツ:BILTBUCK ENGINEER BOOTS
フラッグシップショップの名物スタッフである林さんは、ビルトバックのホースバットを使ったエンジニアブーツを愛用。わずか半年ほどの着用であるが、週に5日のペースで履き込んでいるため、この素晴らしい風合いに。たまに無色クリームでケアしている。クラシックな雰囲気のコーデにぴったりだ。
▼エンジニア以外のブーツコーデも満載!
◆
いかがでしたでしょうか? バイカーに愛され、タフなブーツの代名詞である「エンジニアブーツ」にも、いろいろな顔があることがわかったのではないでしょうか。今回厳選して紹介した、定番ブランドの人気モデルの数々は、カスタムが可能なものも多くその可能性は無限大。自分好みのエンジニアブーツとの出合いをぜひ楽しんでみてください。
▼ブーツについてもっと知りたい方はこちらもチェック!
(出典/「Lightning 2023年1月号 Vol.345」「Lightning特別編集 ザ・ブーツバイブル」「別冊Lightning vol.190 ブーツの教科書」「Lightning vol.332, 308」)
Text/T.Miura 三浦正行、S.Sato 佐藤周平、T.Itakura 板倉環、T.Ogawa 小川高寛 Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦、 K.Hayashi 林和也、T.Ogawa 小川高寛、 T.Miura 三浦正行
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