【ロレックス】中古市場で注目を浴びる「エイジング」という価値観。

この10年で世界的に注目されるようになったのが、ダイアルが個性的にエイジングしたロレックスだ。この手のロレックスの魅力は、オンリーワンであること。同じエイジングはひとつもなく、個々でその表情が異なる。

文字盤だけでなく、スポーツモデルのベゼルもエイジングしたものが人気を呼んでいる。左のサブマリーナーのベゼルは黒からグレーに変色していて、いい雰囲気に。右のGMTマスターのベゼルは「ペプシカラー”」がかなり退色し、俗にいうゴーストベゼルに近い雰囲気。強くエイジングした文字盤と相性抜群だ

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2021年10月24日

ヴィンテージロレックスの醍醐味とは?

そんな近年、盛り上がっているロレックスの経年変化した文字盤=エイジングダイアル。その魅力を、ヴィンテージロレックスの専門店であるクラウン マニアックス トーキョーの日比さんに伺った。

クラウン マニアックス トーキョー 代表/日比崇幸さん
編集者を経て、ヴィンテージのロレックスとチューダーに特化した専門店であるクラウン マニアックス トーキョーを立ち上げた異色の経歴を持つ。ヴィンテージロレックスの熱心なコレクターでもあり、その博識ぶりで顧客から絶大な信頼を得ている

「今のヴィンテージロレックスの流れを軽く説明すると、綺麗なコンディションのものを探している方と、より個性的なエイジングを求める方とで、二極化していると思います。とにかく状態のいい個体が減っていて、“グッドコンディション”もいまではひとつの個性。人と被らないものという点ではどちらも同じですよね。エイジングダイアルについては、ここ10年で大きく付加価値が生まれたという印象。10年位前からトロピカルと呼ばれる日焼けしたダイアルは、コレクターの間では知られた存在で、色が変わっているからという理由で、1割くらい値段が高かったです。それが海外で盛り上がっていき、日本も影響を受け、どんどんと高くなっていきました。様々なコンディションの時計を所有してきましたが、個人的にはエイジングされたものの方が気兼ねなく付けられ、愛着が湧くので好きですね」

ただ強くエイジングしているからといって、どれでも高額になるわけではない。あくまでも美しく均等に変色していることが重要なのだと日比さんは言う。

「綺麗にエイジングしているということが評価される基準ですね。なにかしらのトラブルで水が入ったりして劣化したものは、評価対象から外れます。あとは、エイジングしたものをトロピカルダイアルと一括りにされますが、変色は紫外線でなく、特定の時代の限られた文字盤であるということに理由がある気がします。ロレックスは複数のメーカーに文字盤の製作を依頼していて、あるメーカーの作ったものになんらかの原因があり、変色してしまったと考えた方が腑に落ちることが多いです。あとは夜光がラジウムだった1950年代末頃までのロレックスは、艶が無くなり枯れた表情になっているものが多いですね」

【エイジング①】ブラウンチェンジ

代表的なエイジングをまずは押さえよう。黒い文字盤が経年変化によって茶色くエイジングした文字盤のことを「ブラウンチェンジ」と呼ぶ。ものによってそのトーンや変色具合が異なり、全体が美しくエイジングされるのが理想的。マットダイアルでも極少数のものが茶色くなるが、基本的にはミラーダイアルに多く見られる。

TIPS_1.美しくブラウン化した文字盤の1950年代製スポーツモデル。

1958 SUBMARINER Ref.6536/1

サブマリーナーの2nd ジェネレーション。同時期に売られていた6536と6536/1の違いはケースの厚み。このモデルの方が薄い。ここまで均等で発色よくブラウンに変色した個体は滅多になく稀少だ。1130万円

1958 GMT MASTER Ref.6542

ベークライトのベゼルが付いたGMTマスターの1stジェネレーション。1950年代後半に夜光に使っていたラジウムが原因のリコールが起こったため、この後に夜光がトリチウムに変更された。449万8000円

TIPS_2.ブラックとブラウンチェンジの違いは一目瞭然!

1956 EXPLORER Ref.6610

名作エクスプローラーの2ndジェネレーション。ミラーダイアルの光沢感がしっかりと残りつつ、全体的に茶色にエイジングしている。この時代はミラーダイアルの仕上げが後年とは異なっているのも特徴である。418万円

「同年代でもブラウン化しない個体も多い」

1957 EXPLORER Ref.6610

右と同じリファレンスで1年違いのブラウンチェンジしていない個体。こう比べると同年代のモデルでもエイジングひとつでまったく表情が違うことがわかる。ブラウンではないが、文字盤の枯れた風合いが魅力的。298万円

「ブラウンチェンジの赤サブはインデックスが焼けづらい!?」

数少ないマットダイアルのブラウンチェンジ。その代表格がサブマリーナーRef.1680 の通称赤サブだ。Ref.1680 ならどれでも茶色くなるわけでなく、初期のメーターファーストのマーク2またはマーク3ダイアルのみ。しかもブラウンチェンジした個体はインデックスが白いものが多いのだとか。特に人気が高く、通常の倍近い価格で取引されている。

Late1960s SUBMARINER Ref.1680

サブマリナーの通称赤サブは、マーク1〜6まで分類されており、3までが防水表記が200mから始まる通称メーターファースト。茶色に焼けるのは、一説によるとマーク2またはマーク3の一部とのこと。参考商品

【エイジング②】トロピカルダイアル

これは白い文字盤がアイボリーに変色した個体で、日焼けしたようなエイジングを総称するトロピカルダイアルのひとつと言える。ロレックスの中でアイボリー系の文字盤は高年式でも人気が高いが、ドレス系モデルなどは価格的にまだ狙い目だ。

1958 OYSTER PERPETUAL DATE Ref.6535

パウダーホワイトと呼ばれる独特な仕上げの白い文字盤が、経年変化によって綺麗にアイボリーに変色した個体。くさび型のインデックスやドルフィンハンドなど、ヴィンテージらしい意匠が満載。69万8000円

【エイジング③】パンプキンダイヤル

近年、新たな経年変化を表現するワードとして注目されているのが、このパンプキンダイアル。その明確な定義はないが、かぼちゃのようなカラーに焼けたトリチウムのインデックスを指す。まだプライスは高くなっておらず、今後は要注目!

Late1980s SUBMARINER Ref.5513

ロングセラーモデルであるサブマリーナーRef.5513の最終期モデルは、インデックスに枠が付くのが特徴。この個体のようにインデックスが美しく焼ける個体もある。国際サービス保証書が付属。138万円

【エイジング④】パープルチェンジ

4桁リファレンスのサブマリーナーの金無垢またはコンビモデルの青い文字盤のエイジングダイアル。本来は海を思わせるようなシャイニーな青だが、このようにパープルに変化するものがある。中にはさらに茶色になるスペシャルなものも。

Early 1970s SUBMARINER Ref.1680/8

サブマリーナーの金無垢モデルは高級機のためデイト付きのみ展開。リファレンスの末尾は8になる。これはGMTマスターも同様。文字盤はブラックとブルーがあり、後者に鮮やかなパープルに変色するものがある。548万円

【エイジング⑤】パトリッツィダイアル

エルプリメロを搭載したデイトナRef.16520のインダイアルが茶色に変色したものを指す。時計専門のオークションハウス・アンティコルム社のオズワルド・パトリッツィ氏が名付けたことに由来するネーミングだ。ブラウンアイとも呼ばれる。

画像提供/クォーク

1993-1994 DAYTONA Ref.16520

近年、値上がっているエルプリメロを搭載した5桁のデイトナ。その中でも1993年から1994年頃に作られたものの一部にインダイアルが茶色に変色する個体が存在しているが、ここまでの変色は非常に稀である。参考商品

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2021年10月24日

【問い合わせ】
クラウン マニアックス トーキョー
http://crownmaniax.com

※掲載情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2019年5月号」)

この記事を書いた人
ランボルギーニ三浦
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ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
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