職人技か? はたまた乗れるアート作品か? 珠玉のカスタムバイクをご覧あれ。

バイクの楽しみ方のひとつにカスタムがある。自分好みのスタイルやパフォーマンスのマシンに作り込むのは、何ものにも代えがたい愉悦だ。バイクいじりを楽しみつつ自身の手を動かすのもあり。好みのマシンに仕上げてくれるビルダーに託すのもあり。今回は世界的にも著名なビルダーの一人、46works(ヨンロク・ワークス)の代表・中嶋志朗さんが、初となる個展「全開か否か」を開催中。ぜひ足を運んでみてほしいので、ここで紹介させてもらう。

中嶋さんとは?

1970〜90年代のBMWやモト・グッツィなどのヨーロッパ車をベースに、ワンオフパーツを駆使して作り込んだカスタムマシンを世に送り出す46works(ヨンロク・ワークス)。代表の中嶋志朗さんは、2001年にユーロモターサイクルショップRitomo Sereno(リトモ・セレーノ)を設立し、カフェレーサーテイストに作り込んだBMWのカスタムマシンを製作し、世界中から注目を集めた。その後、リトモ・セレーノの代表から退き、新たに立ち上げたのがヨンロク・ワークスだ。

それまでつちかったノウハウと技術、高いセンスは世界中から認められ、2014年にはBMW RnineT Custom Projectに参加。Clubman Racerを作り上げ、世界各国のショーやイベントに展示される。それ以降もさまざまなマシンを手がけ、各ショーで高い評価を受け、世界的認知度の高い日本人カスタムビルダーの一人である。

珠玉のカスタムマシンが一堂に会す

そんなヨンロク・ワークスが初となる個展「全開か否か」を東京都にあるアートギャラリー・カプセルで開催。これまで日本国内で開催されるショーにさまざまな車両を展示してきたヨンロク・ワークスだが、基本的に1台のみ。会場には中嶋さんが手がけた珠玉のカスタムマシンが5台も展示される! しかも超至近距離で見ることができるという滅多にない機会だ!! 細部の作り込みまでしっかりとチェックできるので、カスタム好きにとっては至極の時間をすごすことができるぞ。

BMW R75/5 Racer(1970)

1970年製とビンテージといっても差し支えのないR75/5をベースにしたレーサーだ。中嶋さんの個人所有車で、筑波サーキットで開催されるレースに参戦している現役のマシン。エンジンは745.0㏄から979.4㏄に排気量アップさせ、ハイカムシャフトやビッグバルブなどが組み込まれたフルチューンド仕様である。レギュレーションに合わせた前後サスペンションを組み込むなど、戦闘力はかなり高められているマシンだ

BMW R100RS(1991)

汎用ハーフカウルやワンオフのテールカウル&シートで、セパレートハンドルが組み込まれ、カフェレーサー感マシマシのR100RSだ。スタンダードのシートレールをカットし、シートレールを新造。また倒立フロントフォークの採用などによって強化されたことを考慮して、メインフレームにも補強を加える。単に見た目を追求するだけでなく、しっかりと走るマシン作りをすることも、ヨンロク・ワークスが支持される理由のひとつだ

BMW R100RS(1992)

上の1991年式R100RSとはまったくの別モノに仕上げられている。1992年式R100RSだシートカウルだけでなく、ガソリンタンクもワンオフ品。エンジンはミッションを含めてフルオーバーホールを実施。前後サスペンションはオーリンズ、ブレーキはブレンボと、定評のあるパーツを用いることで、パフォーマンスアップも図られている

BMW RnineT(2014〜)

今回展示された5台のマシンの中で、もっともベース車両の年式が高いのが、このRnineTだ。2014年のBMW RnineT Custom Projectで生み出されたClubman Racerのレプリカモデルで、限定5台生産されたうちの1台。もともとクラシカルなRnineTのクラシック感に磨きがかかっている

MOTO GUZZI LEMANS1000(1987)

生産からすでに30年以上が経過しているモトグッツィのルマン1000。好調に乗るべく、エンジンはフルオーバーホールされる。もちろんそれだけでなく、しっかりと走るよう足まわりを強化。とくにフロントはフレームに手を加えてネックを短縮し、フロントフォークもチュリアーニレプリカをダンパー加工&自由長を変更している

2月12日(日)まで開催中!

今回の個展は2月12日まで開催されている。これまでにヨンロク・ワークスが生み出したカスタムマシンの姿を、二輪誌やWEB上で目にした人もいるかもしれない。しかし、生で見るのが一番! この機会にぜひ会場に足を運び匠の技を感じてほしい。

開催時間:12:00〜19:00(最終日のみ〜17:00)
入場料:無料
場所:アートギャラリー・CAPSULE(カプセル)
東京都世田谷区池尻2-7-12-B1F

公式サイトはこちらから!

この記事を書いた人
Dig-it 編集部
この記事を書いた人

Dig-it 編集部

ライフスタイル提案メディア

「Dig-it(ディグ・イット)」は、アナタが何かにのめり込むキッカケとなる読み物を提供するWEBメディアです。ファッション、クルマ、バイク、アウトドア、グルメ、ステーショナリー、ビューティなど、さまざまな分野のプロフェッショナルが執筆しており、アナタのよき趣味の先輩となってくれることでしょう。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

東洋エンタープライズがこれまでに培ったノウハウや知見の集大成「モダクト」と「タフナッツ」

  • 2025.09.19

「シュガーケーン」や「バズリクソンズ」など、ヴィンテージをベースとした生地やディテールの圧倒的な作り込みで知られる東洋エンタープライズ。そんな同社が手がけるブランド、「モダクト」と「タフナッツ」は、これまでに培ったノウハウや知見の集大成でありながらどんな日常のシーンでも使いやすい実用性を備える。映画...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

レザーラバー必見! 革ジャン用に作られた薄手のスウェットをゲットせよ!

  • 2025.09.30

革ジャン専用のTシャツをリリースし、レザーラバーから絶大な支持を受けるブランド「ハイウェイナイン」。ライトニング別注の「Lightning Leather Lover Tシャツ」のボディにも使われているので、愛用している方も多いのでは? そんなハイウェイナインが、レザーラバーのために新たなアイテムを...

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

Pick Up おすすめ記事

シルバーをアートに変える、現代の錬金術師。

  • 2025.09.24

ネイティブアメリカンの伝統技法をベースに現代的なエッセンス、そして日本独自の繊細な美意識を加えることで唯一無二の世界観を紡ぎ出すFIRST ARROW’s。一片のシルバーの塊に命を吹き込むその様は まさに現代のアルケミスト(錬金術師)という表現が相応しい。これらの作品は貴方が身に付けることで完成する...

【Willis & Geiger×2nd別注】ミリタリーとサファリが香るアーバンアウトドアウエア

  • 2025.09.17

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 90年代のアーカイブをデザインソースに、上品さを加えてアップデート。ウールメルトンジャケット[メトロ ウォーカー] ...

デニムにする? コーデュロイにする? エドウインのトラウザーズを軸に作る「シン・トラッドスタイル」

  • 2025.09.19

ジャパニーズアイビーのボトムスは、太ももから裾まで太さが一定のパイプドステムが主流であった。対してタック入りのトラウザーズは、1920年代に登場したといわれる、よりクラシックなボトムス。そんな旧きよきトラウザーズを軸に、いつものトラッドスタイルを刷新してみてはいかがだろうか。 【右】トラウザーズ2万...

【BIG SMITH×2nd別注】米軍の名作バッグをデニムで再構築! 経年変化が楽しめるデニムのエプロンバッグ。

  • 2025.09.22

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! BIG SMITH × 2nd ワーカーズエプロンバッグ 1940年代のアメリカン・レッドクロス(米国赤十字社)が製...

Wranglerの走破性は本物か? オフロード体験会で徹底検証

  • 2025.10.03

筑波山の麓で開催されたジープのオフロード体験イベントは、ジープオーナーはもちろん、新規顧客にとってもジープの魅力を存分に感じられる特別な一日となった。専用のオフロードでラングラーならではの走破性を体感でき、オーナー同士の交流も見られた。今回は現地取材を通して、その模様と参加者のリアルな声をお届け。 ...