上等なハットと上品なコーヒー沖縄の太陽が照らす2つで1つの空間。

  • 2023.08.06

東京・渋谷に店舗を構える人気店THE FAT HATTERは沖縄・北谷にも存在する。キューバの街並みを意識したアメリカンビレッジに佇むそこは、日本でありながらコロニアル調の建物に囲まれていて、非日常的な場所。重厚感のあるショップと綺麗な海が一望できるカフェは対照的であるが、どちらかが欠けてはこの空間は完成しない。こだわりの詰まった、ストーリーのあるモノで溢れ、思わず吸い込まれてしまうだろう。

引き寄せの法則。

目を惹くがっしりとした大きなカウンターとその後ろにあるガラス張りの工房はまるで映画のセットを彷彿させる。カウンターは1860年代、スペインの統治下であったキューバのバーカウンターをイメージしている

VISTA CLUBには素敵な誕生秘話がある。元々THE FAT HATTER東京店の店長を務めていた仲眞氏は自身の都合で仕事を辞め、故郷である沖縄に帰る旨をTHE FAT HATTER代表、菊地氏に伝えたところ「それなら沖縄にお店を出そう」と言ってくれたという。

菊地氏は生粋の沖縄好きで年に何十回か来ていたこともあり、お店を出す構想はあったがそれが現実となったきっかけは社員の退職願だったというわけだ。地元民や観光客で賑わい、海が一望できるこの場所は当然物件が空きにくい。だがタイミングよく空いたり、物件の地主がたまたま顧客だったりとご縁と偶然が重なってできた空間である。

入口から太陽光が真っ直ぐに入ってくる温もりのある店内。シンプルで洗練された内装は、だれでも気軽に入店しやすい。贅沢に波の音を聞きながら一流のバリスタが淹れるとっておきのコーヒーを召し上がれ

当初予定していなかったが目の前に海があるメリットを活かしてカフェを併設した。内装のイメージや家具の製作は、菊地氏はじめGLADHANDのL.氏とプラスポケットの安藤氏のブランドの垣根を越えた共同製作によってできたもの。気楽に入店しやすいように吹き抜けになっていたり、細部までこだわりが散りばめられている。

沖縄の特色を活かしてハワイアンシャツなど東京店とは違ったアパレルのラインナップになっているのもここならでは。ショップでハットをオーダーして、コーヒーを飲んで帰る。そんな訪問客が多い。

京都にあるARCADIAというアンティークショップで出会ったこのパラソルは1920年代頃のアメリカン・ヴィンテージ。HATTERと書いてあることから、恐らく当時の帽子店が使用していたものを約100年後に巡り巡って現代の帽子店に受け継がれている
伝説的メーカーであるHUTCHから生まれた1981年のOLD BMX。知る人ぞ知るこのモデルは滅多にお目にかかれないレアもの。ショップに置いてあるインテリアではなく、菊地氏が沖縄での一つの移動手段として実際に愛用している
アメリカで初めてレジを作ったNATIONAL製。100年前のものが現存し、動いている。旧いレジ特有のジャリンという大きな音は、現代ではなかなか聞くことができない。心地良く、耳に残る。たまに調子が悪くなるのはご愛嬌
1800年代に存在したハットカタログのポスターは、多様な形のハットがずらっと並んでいるのが印象的。レジの横にあり見過ごしがちだが、ヴィンテージショップで偶然出会ったこの幻のポスターを訪れた際にはとくとご覧あれ

それぞれの個性を出しつつも統一感のあるふたつの空間。

お馴染みのオーセンティックモデルや新作など様々なラインナップ。高級感のあるディスプレイは思わず購買意欲を搔き立てられる。

カフェの入り口には何やら特別なメッセージが隠れている。可愛らしいねずみがコーヒー豆を給油中、コーヒー豆を辿るとそこには「coffe is the GASOLINE of LIFE(コーヒーは人生のガソリンだ)」

おすすめのメニューは自家製オレンジシロップを入れたアイスアメリカーノ。苦味と甘味が邪魔することなく、コーヒーの新しい側面を見事に引き出している。時期によってはパイナップルやパッションフルーツなどの沖縄らしいコーヒーもいただける。

(出典/「CLUTCH2023年8月号 Vol.92」)

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