ヴィンテージ復刻のさらに先へ! この2者にしかできないこと。
アメリカ東海岸を拠点とするヴィンテージディーラー、ジョン・グラッコウの名はヴィンテージ古着の愛好家であれば、アメリカ人だけでなく、世界中の誰もが聞いたことがあるに違いない。目下、高騰し続ける珠玉のヴィンテージピースをディーリングし、業界内に数多の話題を提供してきた実績を持つ。ワークウエアやミリタリー、カレッジ、アウトドア、アスレチックなど取り扱うジャンルの幅は広く、19世紀から20世紀半ばまでの「超」が付くほど希少なアイテムばかりを現在も所有している。そんな彼のコレクションを復刻したいと考えるヘリテージブランドは後を絶たない。
2022年秋冬コレクションから、ジョンが新たにシェイクハンドしたのは、世界中のヘリテージガイたちが、リプロダクション・クオリティの高さを認めるWAREHOUSE。
「うちの表現は、モノ作りにフォーカスしているので、あまりコーディネイトを提案することはしてこなかった。ジョンとのプロジェクトでは、コーディネイト提案もしていこうと考えています」
と語るのはWAREHOUSE広報の藤木さん。
「WAREHOUSEのモノ作りへのこだわりの強さやヴィンテージリプロダクションへの執念には、いつも感動していた。私が提案するヴィンテージを細部に至るまで忠実に復刻することは、WAREHOUSEを知る人なら誰もが想像できるはず」
ジョン本人がそう熱く語るように、WAREHOUSEが手掛けるヴィンテージリプロダクションの緻密さは、同業者でさえ舌を巻く。それはそうと、ディーラーとして取引をすれば、リプロダクションは可能で、わざわざ大仰にコラボレーションを謳う必要もない。
「WAREHOUSEへのリスペクトを前提に、たとえばデザインやパターンの私なりのアレンジ、そして組み合わせやコーディネイトまで考えた提案をしていきたい」
そう話すジョンの目には期待感と自信がみなぎっていた。
リアルなアイビーリーガーとして過ごした青春時代、世界的なブランドで企画デザイナーとして活躍した日々、そして数々の希少なヴィンテージピースを手にしてきた30年もの年月、ジョンの歩んできた道のりや経験は、誰も真似することができない。このコラボレーションは、単にヴィンテージを復刻するというだけのものではなく、ジョン自身の経験値をプロダクツに落とし込みたいという壮大なプロジェクトなのだ。この秋のファーストコレクションへの期待は高まるばかりだ。
単に珍しいものではなく、John自身の生き様を表現するプロダクション。
「大好きなヴィンテージワークウエアブランドの一つ」とジョンが熱弁するのはSWEET-ORR。1910年代の5ポケットデニムパンツ。ニューヨーク発のブランドをあえてチョイスするあたり、東海岸で生まれ育った男のこだわりを感じる。この個体はサイズが小さく、「自分が着られるサイズ」をジョンが熱望するアイテムである。
「1930年代のチョアジャケットは、一見オーソドックスでありながら、ポケットの形状、配置などディテールワークに見どころが多い」ジョンのそんな説明が加わることで、輝きは増す。ワークウエアの歴史を伝えるNEVER-RIPUM製。
BIG YANK製のネルシャツは、「この柄や色、ジョンが着ているイメージが沸くでしょ」と前述の藤木さんが語る。アメリカンオーセンティックを地で行くジョンの日常を垣間見るような一着。WAREHOUSE製としてこちらもリリース予定。
【問い合わせ】
WAREHOUSE TOKYO
Tel.03-5457-7899
https://www.ware-house.co.jp/
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)
Photo by Yoshika Amino 網野貴香 Text by CLUTCH Magazine
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