業界人たちの愛用レッドウィング。至極の経年変化に刻まれた物語とは?

「Made in U.S.A.」。今も昔も服好きならば、誰もが心躍るパワーワードだろう。その代表的なプロダクツであり、誰もが1度は足を入れたことがあるRED WING。革の経年変化やリペア痕、傷や汚れすら美しい要素となる趣のある1足からファッション業界で活躍する8人のオーナーたちの「RED WING愛」を確かめてみようと思う。

1.「JELADO」Sales&PR 森俊範さん|6″ CLASSIC ROUND 8167(6インチ クラシックラウンド

「東京・上野のセレクトショップで、販売員をしていた時代に購入した自身初のレッドウィングのブーツです。かれこれ13年ほど履いているため、汚れこそあるものの、アッパーのスウェード自体は、まだまだ現役そのもの。当時、スウェードのブーツにハマっていた時期だったので、レッドウィングも迷わずスウェードをチョイスしました。右足の履き口部分を履くときに引っ張りすぎて千切れてしまったので、コーデュロイのハギレを使ってセルフカスタムしてあります。ソール交換は1回のみ。スウェードなので、雨ジミが気になってしまうんですが、最初に全体を軽く水で濡らせば、後々目立たなかったような気がします。防水スプレーという選択肢もありますが」

森俊範(もりとしのり)|ヴィンテージウエアをモチーフにオーセンティックなものづくりに定評があるJELADOのセールスとPRを担当。オフィシャルYotubeチャンネルも好評配信中。http://www.jelado.co.jp Youtube:jeladochannel

2.「WAREHOUSE」PR 藤木将己さん|6″ CLASSIC MOC 875(6インチ クラシックモック)

「私服の高校だったのですが、我が野球部だけは、学ランしか許されず。そんな校風もあって、みんなとてもオシャレだったので、唯一、私服が許された修学旅行に履いていくために逆転を狙って思い切って購入したブーツが’91年製のアイリッシュセッターでした。当時、アメリカ村の名店アンクルサムで購入し、そのままナイロンに行って、レングスの短いLevi’s 501の66タイプ(シングル)を買ったのを覚えています。デニムはもう残っていないですが、ブーツはもう30年も手元にあるんですね。大学時代、釣りに凝った時期があって、そのときにかなり酷使してしまい革に損傷があるのはその時のもの。もっと愛情を注いであげていればなとたまに思い出します」

藤木将己(ふじきまさき)|ヴィンテージウエア全般において幅広い知識と教養を持つWAREHOUSEの広報。古着だけでなく、MLBをはじめとする野球好きとしても知られる。Instagram:masakifujiki

3.「HOPESMORE」Owner 福嶋紀彦さん|11″ ENGINEER (ST) 2268(11インチ エンジニア (スティールトゥ)

「エンジニアブーツとの出会いは高校生のころ、よく通っていた古着店のオーナーからRED WINGのエンジニアは、1足持っておいたほうが良いとのアドバイスを受けて探していたんです。初めて購入したのは高校の修学旅行の時。カナダのバンクーバーで買いました。当時、日本の定価で42000円前後、そのときカナダドルが1ドル75円ほどで、30000円くらいだったと記憶しています。修学旅行中の現地でバスを停めて、トイレに行くふりをして急いで買いに走り、そのとき履いていたローファーを捨てて、ブーツを履いたので集合写真がボクだけエンジニアブーツだったのは良き想い出です。その後、サイズアウトで2006年に買い替えたのがPT91のこのブーツです」

福嶋紀彦(ふくしまのりひこ)|東京・三宿にあるRED WINGをはじめとするWHITE’S、DANNER、WESCOなど、ユーズドのワークブーツ並びにレザーシューズ専門店を営む。https://hopesmore.com

4.「Haole Shop」manager 竹内商並さん|ROMEO 2143(ロメオ)

「10年程前だったかと思いますが、ずっと編み上げのアイリッシュセッターを愛用していたのですが、ふと別のモデルが欲しくて探していた時期がありました。その頃に地方の古着店で出会い、購入したのがこのモデルです。アッパー部分の経年変化がとても気に入っているので、メインテナンスは軽くオイルアップをする程度ですね。とにかく着脱が楽で履きやすいので、現在も週に一度のペースでラフに着用しています。その分、ゴム部分がかなりへたってきているので、もう少し大事に履いていればといまになって思います。こう見えて意外とボリュームが少なく、細身のボトムスを合わせてもしっくりくるので、自分の普段のスタイルにもハマる一足です」

竹内商並(たけうちしょうへい)|1998年オープン、王道のヴィンテージウェアを取り扱う京都・河原町エリアの人気古着店、ハオリのストアマネージャー。Instagram:haoleclothingantiques

5.「RED WING ASIA」Managing Director 小林由生さん|CLARA 3406(クララ)

「レッドウィングのレディースラインが立ち上がった2016年に発売されたClalaというモデルです。このClalaは、1926年にレッドウィング社が手掛けた女性用ブーツのGLORIAをモチーフに、より現代的に女性が履きやすいデザインにアップデートさせたワークブーツで、メンズの定番ブーツと同じグッドイヤーウェルト製法が採用されたMade in U.S.Aのブーツ。ヒールがあるブーツですが履きやすく、以前、ヨーロッパ出張に行った際、ヨーロッパの石畳を一日中歩いても靴擦れや足の疲れも少なく、Clalaのポテンシャルの高さに驚かされた想い出があります。タフな作りとタイムレスなデザインで、スタイリング問わずコーディネイトできる大好きな1足です」

小林由生(こばやしゆき)|創業100年を超えるアメリカのワークブーツメーカー、レッドウィング・ジャパンの代表を務め、同ブランドのアジアを統括するディレクター。nstagram:yukishinon

6.「NOYA」 池田拓也さん|CLASSIC CHELSEA 3192(クラシックチェルシー)

「作業靴として長らく愛用していたモデルが再起不可能にまでボロボロになり、買ってまだ8カ月の2代目です。作業靴なので足首まで隠れる長さのモデルを選び、それをトラクションソールからトゥマズ ラグ ソールへカスタムをして履いています。修業時代に練習として中底からソール交換をした際、わずか5㎜の繊維が詰まっていたことで足の皮がめくれ、馴染むまで数年かかった経験がありますが、そのときに改めて中底の大切さとレッドウィングの素材選びの卓逸さを痛感しました。この[3192]はクッション性のあるポロン素材が中底に使われているのでかなり履きやすく、営業日は毎日この靴を履いて作業をしているので、短期間でかなり味が出てきました」

池田拓也(いけだたくや)|鞄・靴メーカーでの勤務の後、シューリペア専門店で修業を積む。有名靴ブランドの修理部門の立ち上げにも携わり、2021年にシューリペアショップ乃屋を設立。Instagram:no_ya_0909

7.「Brass shoe co.」Owner 松浦稔さん|9″ LOGGER 699(9インチ ロガー)

「ロガーブーツの名の通り、森林伐採の生業とするワーカーたちのために開発されたヘビーデューティなワークブーツです。これはタグから推測すると、’50年代頃のヴィンテージだと思います。このブーツをオールソール交換した際に感じたことは、アメリカが大量生産に突入する前夜であり、その後のRED WINGと比べるとまだまだ手作業の工程が残っていました。ハンドメイドから本格的なオートメーション化にシフトする過渡期に生産されていたことが伝わってきました。もともとはVibramの#100のようなソールが付いていたので、レザーのシングルソールに変更し、アッパーの破れはステッチで叩いてリペア。ちょうど好みのバランスに仕上がりましたね」

松浦稔(まつうらみのる)|1977年生まれ。東京都出身。2007年に世田谷代田でシューリペア&カスタムショップであるBrass shoe co.を設立。2012年よりオリジナルブランドCLINCHをスタートさせた。instagram:brasstokyo https://www.brass-tokyo.co.jp

8.「Larry Smith」Owner 林田吉史さん|PECOS BOOTS 1178(ペコスブーツ)

「この11インチハイトのペコスブーツは、素材の色合いと純正コルクソールのバランスが気に入って購入しました。たしか2013年頃だったと思います。Larry Smithで展開している銀製の飾りをフロントとサイドに施し、アクセントに天然石を使ったターコイズピラミッドスタッズをつけてアレンジしました。ネイティブアメリカンとカウボーイたちの装飾的な文化はリンクする部分があり、うまくまとまったのではないと思います。実際に使っていて思うことはワークブーツとして優秀なことですね。長時間の作業にも包み込むような履き心地で疲れを軽減してくれますし、容易に脱ぎ履きできるようにうまく設計してあることを感じます。経年変化も期待以上です」

林田吉史(はやしだよしふみ)|独学でネイティブアメリカンジュエリーの製法を研究し、ナバホ族の伝統的な技法に辿り着く。その製法を駆使しながらモダンジュエリーを展開し、現地からも高い評価を得ている。Instagram:larrysmith_official http://larrysmith.jp

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

Pick Up おすすめ記事

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

王道のデニムセットアップはボトムスで差をつけろ!

  • 2026.06.30

昨今のアメカジブームのなかで、注目度が高まっている“デニムオンデニム”のセットアップスタイル。王道ももちろん良いが、一歩先を行きたいアメカジラバーはボトムスで差を付けてみるのはいかがだろうか。気鋭のブランド「アンバースレッズ」が展開するデニムセットアップはそんな望みを叶えてくれるに違いない。 Amb...

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

初夏は、泥と大戦で。「STUDIO D’ARTISAN」2026SSの新作を紹介!

  • 2026.07.03

選ぶのは「泥染の開襟シャツ」か、「大戦モデル」か──。この初夏、気になるのは対照的な表情を持つ二つの新作だ。そのどちらにもステュディオ・ダ・ルチザンならではの、丁寧な作りと遊び心が息づいている。 奄美大島の伝統技法が生む、泥染ならではの深い表情に注目 奄美大島に古くから伝わる泥染は、テーチ木(シャリ...