国産モノはとにかく丈夫な「実用品衣料」である。
ジャケットやシャツなど日常で愛用している身近なアイテムは、自身のブランドを中心に、ほぼジャパンメイドひと筋という本江さん。
「作り手の顔が見えることが重要だと思っていて、昔から工場に足を運んで職人さんとコミュニケーションを取ることを心掛けてきました。そのおかげで自分のこだわりも伝わるし、逆に職人さんの技術を、しっかりとアイテムに反映させることができます。簡単に言うと、効率が悪い作業を、いかに効率よくやってもらうかってことなんですけど(笑)。でも、それを40年近く追求しています」
そのため、Pt.アルフレッドのアイテムは、細部までこだわった丈夫な逸品が多い。老舗ブランドだけに、最近は親のお気に入りの一着を、子どもが受け継いだなんて話もチラホラ。
「結果として長く使えるんですよ。それが僕が普段から言っている、“実用品衣料”って言葉に繋がっていくのかな」
1.Pt.アルフレッドのジャケット
オリジナル生地のウエポンデニムで仕上げた定番アイテム。目が詰まっているため色落ちしにくく、風合いだけが増していく。「この生地でジャケットを仕立てられるのは、国産の老舗の工場だけ。日本人の体型に合わせているので、 なで肩でも美しく着用できます」
2.Pt.アルフレッドのB.D.シャツ
着心地を追求して辿り着いた80番手の糸を使用。「洗いざらしで着ても、違和感がない生地感で、シワの出方まで計算しました。個人的にはちょっと立体的になった襟のロールもこだわり。1番上のボタンを外しても綺麗に見えるシルエットを追求しました」
3.ブルーブックス コー×Pt.アルフレッドのセーラーハット
京都の職人がハンドメイドで作っているハット。上品なブラックウォッチのコットン生地が魅力。「人間の頭の形に合わせて作っているため、あえてシルエットが均等になっていない“ランダム”なカタチがポイント。真上から見ると、それがよくわかると思います」
4.Pt.アルフレッドのチノパン
ブランドのアイコン的なアイテムで、30年以上のロングセールスを誇る。現在は豊富なシルエットが揃うなか、こちらは最初期モデル。「ウエストの裏地を、 手仕事で補強しているからタフ。これは10年くらい愛用しているけど、まだまだ破れる気配もないです」
5.アーツアンドクラフツのワンストラップキャリーオール
日本の鉄道広告作業員が使っていたバッグをモチーフにしたワンストラップ仕様。ベジタブルタンニンのキャンバス生地は、独自の風合いが楽しめる。「小物を細かく収納できるから、いろいろ入れても偏りにくい。なによりも、この染色は国産でしかできないはず」
(出典/「2nd 2023年5月号 Vol.194」)
Photo/Satoshi Ohmura Text/Masatsugu Kuwabara
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