鯖江の伝統を未来へつなぐ、“民藝的逸品”「マル」のメガネ。

「マル」は、様々なOEMに携わった後、メガネデザイナーとしてデビューした山岸 誉氏がプロデュースするジャパンブランド。「国産メガネの祖」と呼ばれる増永五左衛門もあの世で目を細めているに違いない。現代の鯖江には伝統を未来へとつなぐ粋な銘柄が存在している。

道具として日本人の日常に溶け込んできた民藝的逸品。

昭和初期に日本で開発された合金のサンプラチナは、昭和50年代にチタン製フレームが誕生するまで高級素材として一時代を築き、鯖江のメガネ産業の隆盛を牽引してきた。

メッキなどの表面処理をしなくても、職人が高い技術と手間ひまを投入して磨きを行うことで美しい白金色の輝きを放ち、ほとんど変色することなく長く使える。サンプラチナの丸いメガネフレームと言えば、昭和天皇に愛用されてきたのが非常にアイコニックだ。

マルをプロデュースしている山岸 誉さんは「現在、クラシックスタイルのメガネがたくさんあるなか、日本ならではの素材であるサンプラチナに改めて着目し、鯖江でメガネの生産が始まってからずっとつくり続けられてきた丸メガネを軸に現代の洗練されたサイズ感へとリメイクしながら、ストーリー性があって時代を超越したプロダクトを提案したかった」と語っている。

メガネ界の「民藝」的な位置どりで今後も真価を発揮していくつもりだ。

鯖江の伝統素材と製法を令和の時代に守り抜く。

マルのフレーム製造を手がけているのは鯖江の職人、坂本和彦さん。父からメガネづくりを教わり、職人歴は50年以上になるという。父の代から工房で手がけてきたのが、昭和の時代の高級素材であるサンプラチナを使ったメガネ。

猟銃の銃身を利用した金属切断機など昔ながらの道具を使い、細かい作業を含めて100ほどの工程を手仕事に近い状態で行っていく。大量生産ではない、鯖江のメガネづくりの原風景がいまもここに息づく。

「マル」のおすすめ眼鏡3本。

ラウンド・イチヤマ・カネテ

ラウンドシェイプが柔らかな雰囲気。鼻パッドではなく一山と呼ばれるブリッジによる鼻当てがすっきりとした印象を与える。テンプルの先までがサンプラチナの金手タイプでまとめてクラシックな趣きが充満。24200

ボストン・マンレイ・ナワテ

逆おむすび型を描くボストンシェイプのサンプラチナフレームが令和の時代にも尽きることなく洗練をアピール。ブリッジ部はノーズパッドと一体型のマンレイ山で、縄手タイプのテンプルとフィット感を向上。26400

ツーブリッジ・イチヤマ・カネテ

ボストンシェイプのフレームをツーブリッジで つないでいる。ブリッジは一山で、テンプルは金手。クラシカルな落ち着きを醸し出すと同時に、ツーブリッジならではの個性的な表情までアピールできる傑作だ。24200

【問い合わせ】
オプトデュオ
TEL0778-65-2374

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 20234月号 Vol.193」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

無骨と涼感。どちらも、ステュディオ・ダ・ルチザンで手に入る

  • 2026.05.02

異なる魅力を持つふたつのスタイル。だが、その根底にあるのは、日本のモノづくりに裏打ちされた丁寧な作りと、細部に宿る遊び心である。 制約が生んだ大戦期の美学! 物資統制下にあった大戦期、簡略化されたディテールの中から生まれた機能美。その無骨な佇まいをベースに、ステュディオ・ダ・ルチザンが現代的に再構築...

Pick Up おすすめ記事

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」がシルバー300個、金30個の限定アイテムを発売。トリプルコラボのデニムにも注目!

  • 2026.05.11

30周年を迎えた「FIRST ARROW’s」からメモリアルな逸品が登場。限定なのでこの機会を見逃すな! また、定番のアイテムも一挙紹介。ハンドメイドならではの美しい細部に注目だ。※価格は全て税抜きです 【NEW ARRIVALS】30th Anniversary Arrow Feather Ser...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...