革靴の中でも「ハラコ」は美しい毛並みと品格ある表情が魅力のカテゴリー。だが、胎児の毛皮とあって、傷んでしまうと再生は不可能なので、お手入れはプレケアのみの対応となる。本来は牛の胎児、つまりはまだ出産されていない母体中の仔牛の毛皮を指し、食肉加工時の希少な副産物でもあった。だが、動物保護などの観点から、近年は市場にほとんど流通せず、ハラコと銘打ったものであっても、多くはポニーの毛皮で代用されている。
(上写真)イタリアはトスカーナ地方に拠点を置き、およそ50年にわたりモダンなプロダクションを展開するストックトンからの迷彩スリッポン。4万1040円(ワールドフットウェアギャラリー神宮前 TEL03-3423-2021)
「ハラコ」のお手入れ方法。
下ろす前には必ず防水スプレーを使用。そして雨の日には履かないよう気を付けた上、履く前に必ずブラッシング。
履いた後もブラッシングして毛並みを整えることで、寿命を延ばすことが可能。抜けた毛の再生も不可能だ。
優雅な雰囲気に魅了される人も多いが、「ハラコ」はとてもデリケートな革。ブラッシングや防水などのお手入れを小まめにして長く愛用したい。