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快適なイヤーカフ型Shokz OpenDots ONEの秘密を探る【独占インタビュー】

オープンイヤー型イヤホンで知られるShokzがリリースするOpenDots ONE。その人気は凄まじく、現在クラウドファンディングで1億5000万円もの出資を集めている。筆者は、事前にお借りして試用したが、ストレスのない装着感、普通に周囲の音も聞こえて、なおかつ高音質で音楽を楽しめる非常に優れた製品だった。そこで、この製品の魅力の秘密を探るべく、Shokzの開発担当者 Lei ZHONGさんにインタビューを行った(インタビューはメールベースでQ&Aをやりとりした)。

Shokz、次なる一手はカフ型。Shokz OpenDots ONE、3月18日からクラファン

Shokz、次なる一手はカフ型。Shokz OpenDots ONE、3月18日からクラファン

2026年08月31日

Shokz OpenDots ONE【GREEN FUNDING】
https://greenfunding.jp/focal/projects/8753

骨伝導タイプと異なるユーザー像

Shokzといえば、骨伝導イヤホンで知られている。しかし、本製品はイヤーカフ型。それぞれの商品はどのように違うキャラクターを持っているのだろうか? イヤーカフ型のOpenDots ONEはどのような利点があるのだろうか? Shokzの開発担当者 Lei ZHONGさんに聞いてみた。

「『OpenDots ONE』は、そのコンパクトなサイズ、優れた装着快適性、そして卓越した音響性能により、長時間の快適な装着を求めるユーザーに最適です。仕事や会議、通勤、リラックスタイム、さらには軽い運動など、あらゆるシーンで快適にご使用いただけます」

たしかに、従来のShokzの骨伝導イヤホンは両耳のユニットがアーチで繋がっており、かなり激しい運動をしても落ちないところは美点だった。ランニング中に落下させる心配をしていては、思う存分走れない。しかし、その分耳に引っかかっている感じはあったし、わずかながら圧迫感もあった。それゆえ、本当に長時間の使用となると、ストレスに感じる部分もなくはなかった。

対して、OpenDots ONEは、まず装着している感じが薄い。外の音は普通に聞こえるし、耳の穴にも入れないし、「装着」ということに関するストレスが低いのが特徴だ。

重量も、6.5gと極めて軽い。イヤーカフ型では軽さが商品開発の重要なポイントで、「広範囲にシリコンコーティングしながら、重量を6.5gに抑えることは、エンジニアリング上の重要なマイルストーンでした」とのことだ。

軽い装着感を提供するための、数限りない試行錯誤

実は、耳のカタチ、大きさというのは実に多彩で、我々一般ユーザーが思っているより『多くの人の耳にフィットさせる』のは難しいそうだ。OpenDots ONEは実に約90%の人に快適な装着感を与えられるという(Shokzの調査データによる)。

「OpenDots ONEをまったく装着できないユーザーは、ごくわずかです。そのほとんどが耳甲介が極端に小さい、または浅い方ですが、テスト中でもこのタイプのユーザーは非常に少数でした」とのこと。ちなみに、耳甲介というのは外耳の中の中央の軟骨に支えられた窪みのこと。

それにしても、装着感が良くてストレスが少ない。それについて、大変な努力が払われているそうだ。

「Shokz Labで収集した1000以上の3D耳型データを分析し、イヤホンが耳と接触するすべてのポイントを特定。それぞれの部位の耐圧性に応じて異なる厚みのシリコン素材を使用し、長時間でも快適な装着感を実現しました。そのため、耳甲介腔から耳の後ろにかかる部分まですべてシリコンで覆われています。シリコン素材は他の素材に比べて摩擦力に優れており、装着の安定性も抜群です。これにより、「OpenDots ONE」は優れたフィット感を提供し、アクティブなシーンでもしっかりと耳に固定されます」

我々が漠然と見る形状も、実は非常に多くの試行錯誤から作られているのだ。

高い音質を支えるテクノロジー

OpenDots ONEで驚くのは、その音質の良さだ。

一般に、オープンイヤー型のイヤホンは、迫力のある低音を出すことが難しい。にも関わらずOpenDots ONEは迫力ある低音を含むバランスの良い音を楽しむことができる。その秘密はどこにあるのだろうか?

特にイヤーカフ型は耳掛け型より耳道に近いので『オープン』な感じが強いが、音響ユニットのサイズは非常に制限されるという。そのため、イヤーカフ型で低音出力や音量出力を確保するのはかなり難しい。

この課題に対して、OpenDots ONEは「水滴型のスピーカーボール内に、完全対称で外径が11.8mmの円形スピーカーを2つ配置し、2つのスピーカーが協力して1つの16mm外径のドライバーと同等の出力を確保するようにしました。これにより、強力な低音出力を確保します。2つのドライバーユニットを積み重ねることで球形の外輪郭が形成され、全体のスピーカーボールの体積を効果的に小さくし、小さな体積で大きなエネルギーを実現しています」という。この技術を同社はBassphere™技術と呼んでいる。

ちなみに、Shokzの骨伝導テクノロジーや、OpenRun Pro 2で使われているDualPitch™テクノロジーは使われておらず、音波を正確に正しい方向に向け、正確な指向性と、没入感のある音質を実現するDirectPitch™テクノロジーが使われている。

このDirectPitch™テクノロジーは、音漏れを軽減する技術でもある。耳の穴のを塞がずに音楽を聴くと、周囲への音漏れが気になるところだが、DirectPitch™テクノロジーにより「逆音波を使用して音源と耳との距離と角度を最適化し、耳に向かう音圧を比較的大きくし、外耳道以外の方向への音圧を小さくします。これにより、音漏れを減らせます」という。さらにShokzアプリに搭載された『プライベートイコライザモード』を有効にすると、さらに音漏れを減らすことができる。

オープンイヤーイヤホンは、音漏れが気になって電車の中では使いにくいが、OpenDots ONEは『音漏れしにくいオープンイヤーイヤホン』だと言えるだろう。

(編注:音量を大きくすると音漏れしないわけではないので、音漏れに関しては注意しつつご利用いただきたい。外音がうるさい環境だとつい音量を大きくしてしまうし、周囲の音量や混雑度合は利用状況によってかなり違うものなので、一概には表現しにくい)

ベージュのような『グレー』と『ブラック』の高いファッション性

筆者が気になっていた、ボディカラーがベージュとブラックなのに、『グレーとブラック』と表現されている件についても聞いてみた。

「自社のベージュ製品と比較すると、今回のグレーは彩度と明度を抑え、より上品で控えめな印象に仕上げています。これは、製品ラインの差別化だけでなく、カラーそのものが消費者に与える印象を考慮した結果です。社内でもグレーが最適な選択であると意見が一致しました。ぜひ、店頭で実際に試していただき、他の色との違いや、私たちが込めたこだわりを体感していただければと思います」

なるほど、OpenFitのベージュと見比べてみると、たしかにグレー味の強い色ではある。色というのは、照明や対比するものによって違って見えるものなので、みなさんもぜひ機会があれば実際に見てご確認いただきたい。

イヤーカフ型は、従来の機能重視のイヤホンよりファッショナブルに感じる。また、ピアスやサングラス、ヘアカラーなど、様々なファションとの親和性も高そうだ。このグレーとブラックの色も、そういうファッション性を意識したものなのだろうか?

「ブランドのファッションアイコンとなることは、すべてのプロダクトチームの夢であり、OpenDots ONEの開発チームも同じ想いを抱いています。しかし、それは消費者と共に創り上げる長い旅でもあります。私たちは、世代を重ねるごとに卓越した製品を生み出し、消費者とのつながりと共感を深めていきます。そして、常に高い基準を持ち、謙虚に改良を重ねながら、Shokzならではのファッションアイコンを確立していきたいと考えています。最終的には、Shokzの製品が消費者の人生の一部となり、美しい記憶として刻まれることを願っています」

優れた製品だけでなく、この言葉を聞いただけでもShokzが高い目標を持って商品開発を行っていることが理解できる気がした。

気になるポイント2点について

続いて、筆者が気になるポイントについて2点聞いてみた。

ひとつは、タッチセンサーについてだ。

電話に出ようとして、OpenDots ONEを耳に装着しようとすると、その時にタップセンサーが反応して電話が切れてしまうことが多いのだ。インイヤー式の時は、つまんで耳の穴に押し込むような動作になるので、電話が切れるような反応は起こりにくいのだが、イヤーカフ側は装着位置を調整するために、どうしてもタッチするような動作をしてしまうのかもしれないと考えている。

「この誤操作は主に装着時に発生します。この問題についてはすでに把握しており、現時点ではタッチ操作の原理により、完全に回避することは難しい状況です。しかし、今後は、ユーザーからのフィードバックをもとにタッチ操作の調整やファームウェアのアップデートを行い、ユーザー体験の向上に努めてまいります」

とのことなので、後日アップデートで修正されるかもしれない。

デフォルトでは『2回タッチ動作』と『2回つまむ動作』に『音楽のオンオフと通話のオンオフ』、『長くつまむ動作』の左右に『音量の上下』が割り当てられているので、筆者は『2回タッチ動作』の方をオフにして利用している。使い方次第だが、筆者はその方がストレスがないように思う。

もうひとつは、通話中のマイク側の風切り音対策の弱さだ。ビル風を受けるような状況だと、かなりマイクが風切り音を拾ってしまう。これについては、どう評価されているのだろうか?

「OpenDots ONEは前方からの風に対して比較的良好な防風ノイズ効果を発揮します。側方からの風に対しても、アルゴリズムによる防風ノイズ対策が施されていますが、構造や実際の装着状況の制約により、推奨される使用環境としては風速3m/s以下となります」とのこと。3m/sはかなり微風なので、オープンエアの構造上、マイクの風切り音対策は課題なのかもしれない。

しかし「当社は通話時の防風ノイズ対策に関する技術を蓄積しており、すでに骨伝導イヤホンOpenRun Pro 2に応用しています。今後、空気伝導オープンイヤーイヤホン製品ラインにも順次展開していく予定です」とのことなので、今後は改善される模様。OpenDots ONEについては、その点を意識して使うといいかもしれない。

これまで、なかった『外音を聞ける』『高音質』『ファッション性』という組み合わせ

最後に、本製品はどんなユーザーを想定しているか聞いてみた。登場初期にはトゥルー・ワイヤレス・イヤホン(左右分離式のワイヤレスイヤホン)は、テクノロジーに詳しい、大人の男性がユーザーの中心だった。OpenDots ONEはどんなユーザーを想定しているのだろう。

「もちろん幅広いユーザーの方に使っていただける商品だと考えています。しかし開発時に想定した本製品の新たなユーザー像としては『テクノロジースタイリッシュ男子』と『エレガントな女性』というのがあります。前者は、テクノロジー好きだが、ブランドやセンス、製品デザイン、自身のコーディネートにも強いこだわりを持つ男性。個性や美的感覚を大切にする人。後者は、生活の質やOOTD(Outfit of the Day)を重視し、ショッピングやカフェ巡り、写真撮影、旅行、アウトドアスポーツを楽しむ女性。外出時(ショッピング・愛犬との散歩・カフェ・オフィスなど)にイヤホンを使用している人を想定しています。これまで、トゥルー・ワイヤレス・イヤホンを使っていなかった、そういう方に、新たな選択肢として検討いただければ、と思っています」とのこと。

実際に試用してみても、周囲の音が常に聞こえるというのは女性にとっても、人の多い都会を歩いてる際に使う場合にも安心感が高い。また、オフィスで周囲の人と会話できる状態を維持しつつ、自分だけに軽いBGMを流すということも可能だ。スマホの通知が確実に届くという意味でも便利。また、イヤーカフ型のファッション性の高さも感じた。

これまで、「耳を塞いでしまいたくない」「周囲の音も聞いていたい」と思っていた人に、ぜひ試してみていただきたいイヤホンだ。

追記:クラウドファンディングが約12日間で1億円を達成と、過去のフォーカルポイントが実施したShokzのクラウドファンディングでももっとも好評であることを受けて、出荷体制を増強。4月21日から早期支援者から順に出荷を開始するとのこと。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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