『これからの働き方』に関する4つのトピック
まず、最初のキーノートセッションで、ZVC JAPAN代表の下垣典弘社長はこれからの働き方に関する4つのトピックについて語った。
トピック1は今後のAI市場について。
誰もがそう思っているように、AI市場は今後急速に成長する。しかし、成長するということは、AIに関する支出、つまり一般企業であれば、AI関連サブスクリプションへの支出が増えるということだと下垣社長は語った。つまり、どのAIサブスクリプションにコストを支払うのか吟味する必要があるということだ。
働き方は大きく変わっている。
「感染症禍が終わって、出社する人が増えましたね」という人もいるが、遠距離のMTGはオンラインで済ませたり、在宅、リモートワーク中心で働いている人が増えたり、働き方の変化は不可逆になっている。
一方で、日本の少子高齢化、労働効率の悪さなどは大きな課題。AIやICTの活用は必須で、コミュニケーションの民主化の重要度は益々増している。
さらに大きな課題は、『従業員エンゲージメントの低下』だ。米調査会社ギャラップのデータによると、日本の職場では、熱意を持って会社の仕事に取り組んでいるという人はなんと5%しかいないという調査結果が出ている。これは世界的に見ても最下位グループに位置している。これはもはや生涯雇用、上位下達の組織では、熱意を持って仕事をすることができず、それが日本の生産性の低さを表しているといえるだろう。
そんな中、多くの会社は、『AIへの投資の増加』『TCOの最適化』『ITベンダーへの依存度の高さ』『ベストソリューションの導入』『DX人材の育成』などについて問題を起こしていることが多い。
以上が、下垣社長が語られた、これからの働き方についての課題感だ。
ビデオ会議のZoomから、ソリューションとしてのZoom Workplaceへ
そこで、Zoomが提供するのは『Zoom Workplace』。
従来のビデオ会議サービスとしてのZoomから、スケジューラや、ドキュメント、チャット……などさまざまな仕事の要素をとりまとめ、さらにそれにAIコンパニオンがハンドリングする総合的なオフィススイートとして、サービス自体をまとめ上げ直すというのだ。
それぞれのサービスは、年々追加されてきたものではあるが、たしかに、あらためて考えると、Zoomのサービスを中心に仕事のワークフローを考えた方がいい業態も多いだろう。
日常的に使うビデオ会議のZoomも進化する
また、Zoomのビデオ会議サービス自体もいくつかリファインが加えられる。
これはZoomユーザー誰もが享受できるメリットだが、ツールバーがより洗練されたものになり、黒だった背景がグラデーションに変わり、グラデーションの色を変更することもできるようになるという。
また、これまで特定の話者にフォーカスするか、全体を均等に見るかしか選択肢がなかったのだが、『マルチスピーカー表示』では、中心となっている複数人に自動的にフォーカスして、拡大表示することができる。
また、『すみませんが、画面共有の権限をもらってもいいですか?』という話は、みなさんビデオ会議をしながらしばしばしたことがあると思うが、今後は複数の画面を同時に共有できるようになる。上部のタブで切り替えることができるのだ。
これで、ドキュメントの他にホワイトボードを表示して、会議を整理したりすることもできる。
チームチャット内ではAIコンパニオンを利用することができる。
たとえば、予定のすり合わせの話をしていると、自動的にビデオ会議の設定を提案してくれたりするのだそうだ。
Zoom Phoneにも注目
Zoom Phoneも急速に進化しており、AIを活かした機能が増えていくとのこと。
英語版ではすでに提供開始しており、日本語でも今後近いうちに提供されるのが、以下の3機能。
従来の電話を使ってる人には、電話の内容が自動的にテキスト化されたり要約されたり、電話で発生したタスクが抽出されたりなんて、信じられないことだろう。
そんな便利なZoom Phoneを、すでに導入している企業の導入事例が日本航空、船井総研ホールディングス、ミネベアミツミ、大丸松坂屋百貨店から語られた。
社員の座席それぞれまで有線でケーブルを引き、内線番号を設定する旧来のPBXなど、はるか過去の話だし、電話番のために出社するなど、いつの話か……という感じがする。
Zoomの進化をぜひ確認いただきたい
筆者は、感染症禍の直前2019年に、当時ZVC JAPANのGMを務めてらっしゃった佐賀文宣さんと話していて、佐賀さんが「どうやったら、日本でビデオ会議が普及するんですかねぇ……」と途方に暮れていらっしゃったことを覚えている。
そこから1年もしない間に、爆発的に普及したZoom。いまや我々の生活に欠くことのできないインフラになっているが、Zoomはさらに進化を続け、AIを取り込み、Zoom Phoneとして普及し、未来を切り開き続けている。
ぜひ、最新のZoom Workplaceや、Zoom Phoneに触れて、その進化ぶりを体験してみていただきたい。
(村上タクタ)
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