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RFに乗り換えてEOS R6を買おうと思ったら、Mark IIが発表された。どうすればいいのか?

ご存知のように、キヤノンは2018年にEOS Rシステムを発表。もって、キヤノンユーザーはRFマウントへの移行を余儀なくされたことになる。ミラーレスの特徴を活かした、1.大口径マウント、2.ショートフランジバック、3.電子接点の増加、がそのメリット。より具体的にいえば、光学的には、短いレンズでもより明るいレンズが作りやすい、電子的には、AF性能の向上……などが挙げられる。

カメラにはレンズ資産というものがあるし、当初RFマウントのレンズは少なく、またRFマウントのメリットを引き出した超高価で明るいレンズが多くラインナップされていたのだが、昨今では『デジタル技術を使って価格以上の性能を発揮する』ということをテーマにしたレンズが数多く登場している。

筆者も、ガッチリした撮影の時にはカメラマンに依頼するが、IT系にはカメラマンを連れて行けないシチュエーションも多く(たとえば、アップルのUS取材も枠は各メディア1人である)、自分で撮影することを余儀なくされることが多い。1998年頃のラジコン飛行機取材から、そういう状況で(一応の)自前カメラを必要としている筆者も、EOS Rシリーズの高性能を見るにつけ、そろそろRFレンズに移行しようかなと思っていた。現在、EOS 6D Mark IIを使う筆者の移行目標は、EOS R6である。

しかし、フジヤカメラに行って、EOS R6の見積もりを取った翌週に、EOS R6 Mark IIが発表された。発表会に行ってきたので、EOS R6 Mark IIについて、簡単にご説明しょう。

性能向上。値段も向上

現在、EOS Rシリーズとして発売されたのは、EOS R、RP、R3、R5、R6、R7、R10の7機種。最近出た、R3、R5、R6、R7、R10の5機種の中でいえば、R6は『フルサイズ、でも比較的リーズナブル』という位置づけだ。そのR6が、一番最初にMark IIになったのが面白い。なにしろ、R6が登場したのは2020年8月27日。まだ、2年ほどしか経っていないのだ。

主立ったスペックはこんな感じ。

センサーが、約2020万画素から、約2420万画素にアップグレードされた他、細々としたアップデートがたくさん行われている。逆に言うと『この変更が決定的』といえるポイントがあるわけではない。

対して、店頭で30万円を切るぐらいまで下がっていた価格が、Mark IIになって39万6000円(税込)と大幅に値上がっている。なにしろ、レンズもEFからRFにすべて取っ換えねばならないから、レンズ周りにもお金がかかる。私の予算的には、本体30万……というところだったのだが、大幅に足がでる。

この価格差も、4万円ぐらいはEOS R6が発売から時間が経っての値下がり分、4万円ぐらいは円安の影響……と考えると、キヤノンとしては実質、あまり値上げをした感覚ではないのだろう。しかし、ユーザーとしては『約40万円』の本体価格は、なかなか大きい。悩ましい。

EOS R6で十分なのか? Mark II の方がいいのか?

センサーのアップデートは嬉しいが、筆者の場合、ウェブ記事が多いので、それほど高画素化は必要ない。また、最高40コマという連射性能も素晴らしいが、それほど連写するわけではない。解像感のアップは欲しい。

実際のところ、取材の現場は光量が十分にあるとは限らないから、解像感が上がるのは嬉しい。

連写性能も前述のように、それほど必要ではない。ただ、あって困るものでもない。

一番のポイントはオートフォーカス性能の高さだ。

EOS R6を使用して感じたのは、顔認識の性能の高さと、合焦までの速度。そして、ちゃんと目の位置を追って離れないその食いつきの良さだった。

EOS R6 Mark IIは、それを上回る性能を持っているのか、それとも筆者にとってはEOS R6で十分なのか? 悩ましい……。

また、初代モデルであるEOS R6には、当然のことながらマイナーな欠点もあっただろうし、裏側でそういう欠点が解消されている可能性が高い……という意味でも、10万円を惜しんではならないような気もする。

ピントの浅いレンズを使っても、目に食いつく!

発表会会場には試用のための機材と、撮影モデルの方が用意されていた。

ライトが当っている状況、当っていない状況で、モデルの方がステージ上を歩き回る。こういう良い条件で試してみる機会はないので、大変助かった。使っているレンズは、こちらも新発表のRF135mm F1.8 L IS USM。

(多くの場合、発表会の会場では説明員やスタッフの方をモデルに試し撮りしたりするのだが、肖像権もあるから、それをメディアに掲載するわけにもいかないし……)

歩いたり、振り返ったりする状況でも、AFは執拗に目に食いつく。これは素晴らしい。

筆者は撮影を専門にしているワケではなく、取材しながら相手の方の写真をササッと撮る場面が多い。そこで、ピントの浅いレンズを使っても、しっかりと目に食いついてくれるのは、とても助かりそうだ。

上の写真をトリミングしたもの。右目がボケるほどのピントの浅さなのに、左目にはしっかりと食いついている。たくさん撮ったが、ほとんど外れない。

ライトが落ちた暗い状況でも撮れる。ほかの人とクロスするような状況でも、しっかりと対象の人物を追い続ける。これは取材で便利そうだ。

みなさんは、いつRFレンズに移行しますか?

というわけで、EOS R6への移行は、いったん棚上げ。

手持ちの機材を売って、ボディと標準ズーム、標準領域での単焦点レンズ2本、望遠ズーム……あたりで7〜80万円に収めたい。予算に余裕があったら予備機としてEOS R10も買いたい(以前海外取材でカメラが壊れて困ったことがあったのだ。普段の手軽な取材でも便利そう)。

そこに登場したEOS R6 Mark II。こちらにした方がいいのか、EOS R6にして10万円を抑え、予備機のEOS R10に投資した方がいいのか? いろいろと悩ましい。

今、一眼レフ機を使ってるみなさんも、多くの方はどこかでEFレンズ一式を売ってEOS Rシリーズに乗り換えることになるのだと思う。どこで乗り換えを決意するかは、レンズ資産の多さや、何を撮ることが多いか、RFにどんなレンズが登場するか、にもよると思うのだが、移行を検討している人の参考になれば幸いだ。

近日中に、EOS R6 Mark IIをお借りして、試してみようと思う。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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