書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

アップルVPスーザン・プレスコットが語るGIGAスクール構想支援サイト

少し前まで、日本のIT教育はたいへん出遅れていた。しかし、GIGAスクール構想によって小中学生にひとり1台の端末が配られて、少なくともデバイスの問題は解決した。だが、それだけでは不足だと、アップルは全国の先生と生徒のために『新しい学び』をサポートするためのカリキュラムを満載したサイトを公開した。アップルの企業&教育マーケティング担当副社長スーザン・プレスコットに聞く。

せっかく導入された210万台のiPadを活用するために

ひとり1台の政策に基づいて全国の小中学校に一気に750万台近いデバイスが配布された。そのうち210万台あまりがiPadである。

デバイスを配布すればICT教育が進むわけではなく、むしろここがスタートだ。十分な回線速度、Wi-Fiを提供できるか? カリキュラムは十分か? 先生達はデバイスを上手に使いこなせているか?

デバイスが導入されても旧態然とした授業をしていては意味がない。本を読んで、先生が講義する授業から、主体的で創造的な学びへ。

子供たち自身が自分で、考え、クリエイティブに学んでいく学習へ。デジタルデバイスの配布は、そのように教育が変わる大きなチャンスでもあるのだ。

そんな状況をかんがみ、アップルはiPadを使った授業のための資料や、すでに国内で先進的な先生方が実践しているカリキュラムをまとめたサイトを立ち上げた。

GIGAスクール構想をアップルと——新しい授業を作ろう。ここから。
https://www.apple.com/jp/education/giga/

「Appleは40年以上にわたって教育関係者とともに、それぞれの生徒の潜在能力を引き出すために尽力してきました」アップルのVPスーザン・プレスコットは語った。

「我々は、日本の教師のみなさんのために新たなウェブサイトを作りました。このサイトを利用することで、iPadを使った学習体験のための高品質なリソースに、みなさんはアクセスすることができます」

アップルのソフトウェアの力を活用しよう

「アップルが誇りにしているのは、ハードとソフトを統合している点です。ハードウェアだけでいろいろな体験を得られるわけではありません。アプリがあってはじめて体験が生まれるのです」

「たとえば、iPadのAR機能で恐竜を見てみましょう。まるで教室に恐竜がいるように見えるばかりか、その大きさまで実際に見ることができるコンテンツが用意されています」

「算数や数学では、変数を変えてみるとグラフが変わる様子を視覚的に体験できます。ソフトウェアの力によって、よりクリエイティブでパワフルな学びをすることができるのです。そしてそのことを体験しながら大人になっていけば、ソフトウェアの力で世界を変えられることに気がつくはずです。それが重要なのです」

コンピュータを学ぶのではない、コンピュータで学ぶのだ

ICT教育というと、コンピュータの使い方を学ぶものだと思っている人がいて、キーボードの使い方や、WordやExcelの使い方を教えようとする人がいる。そうではないのだ。そんなものは子供たちは瞬時に使いこなしてしまう(笑)

コンピュータは鉛筆や、ノート、参考書と同じくツールだ。そのツールをいかにして使うかが大切なのだ。

たとえば、アサガオの観察日記をiPadで作ってみるとする。双葉や本葉がどのように育っていくかを写真に撮ることができるから、絵に描いていた時と違う学びがある(もちろん、絵を描くこともできる)。写真を拡大すると、葉の表面に細かい毛が生えていることに気付くかもしれない。人の能力を拡大してくれるのが、デジタルデバイスなのだ。

Keynoteで発表スライドを作ることで「どうすれば、分かりやすくスライドを作れるか?」と考える、iMovieで映像を作ることで主題や切り取り方について考える。GarageBandで作曲することで、楽器の演奏ができなくても音楽の面白さに気付くことができる。

アップルのサイトには、小学校低学年から中学校に至るまでのさまざまな授業のアイデアが掲載されており、先んじてそれらの授業を行った先生方の声が掲載されている。授業に迷ってる先生方には、ぜひご覧になっていただきたい。

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...