いま大注目の「KLOOTCH(クルーチ)」の“ハンドメイド革ジャン”。

世の中に革ジャンブランドは数あれど、代表自らが革ジャンを製作するブランドは、限りなく少ない。クルーチ代表の藤田祐希さんは、自らの理想とする革ジャンを目指して、自身で革を断ち、ミシンを踏む。いま、感度の高いレザーラヴァー達から熱い視線を注がれるクルーチの魅力に迫った。

一点一点、ハンドメイドで制作されるレザージャケット。

革ジャンブランド「クルーチ」とレザー帽子専門の「ブルーネルハットメイカーズ」を展開する藤田さん。10年以上かけて革ジャンの技術を独学で習得。いちばん最初に作った革ジャンは、自身の好きなUKタイプだったそう。

渋谷近くの明治通り沿いという好立地にあるクルーチのショップ兼工房。決して広いとは言えないこの場所で、クルーチのプロダクトは生み出される。メンズアパレルの世界で生きてきた藤田さんが革ジャンブランド「クルーチ」を立ち上げたのは2022年11月のこと。10年以上、革ジャンを独学で作り続け、その技術をマスターしていったという。

「僕の作る革ジャンはリプロダクションではありません。自分がいいなと思うデザインを具現化させています」と話す藤田さん。

彼一人の手作業で一着一着作っていくため、クルーチのアイテムは全て受注生産となる。顧客の希望を聞き、カスタムオーダーにも応えながら丁寧に作られるそのレザージャケットは、大量生産にはない作り込みの良さと、何より作り手の愛情が感じられる。

まだ創業2年と歴史は浅いが、感度の高いレザーラバーの間で噂が広がり、今や熱烈な信奉者を抱えるブランドへと成長した。これからの活躍が楽しみで仕方がない。

一針一針丁寧に縫製していく。一着ずつ藤田さんが作っていくだけに、カスタムオーダーも可能。気になる方は是非店に足を運んでみてほしい。

革の裁断から縫製まで、クルーチの革ジャンはすべて藤田さん一人で製作する。牛革は栃木レザー、馬革は新喜皮革のものを主に使っている。

この日は、名古屋の名店「ハーレムストア」のスタッフが来店し、別注アイテムの打ち合わせ。素材の風合いやディテールなど、細部を詰めていく。

ブランド当初からあるスタンダードモデル「ホフマン」。1.2㎜厚のカウレザーを採用、着込むほどに光沢が増す。写真は藤田さんが着用したエイジングサンプル。23万6500円

コサックジャケットとデニムジャケットの中間のようなデザインの「ショートBジャケット」。ボタンホールは革へのダメージを抑えるためすべて手縫いで作られる。24万2000円

0.8㎜厚に漉いた柔らかいヌバックカウハイドを採用した「バージェス」。カーディガンのように気軽に羽織れるノーカラーが魅力。ボタンホールはすべて手縫い。17万6000円

往年のカウボーイジャケットを彷彿させる人気モデル「クリーチジャケット」。1.2㎜厚の茶芯の馬革を採用し、着込むほどに色気のある経年変化が楽しめる。25万3000円

ブルーネルハットメーカーズの人気アイテム。(上)キャスケット【ホース】3万1350円、(下)ベースボールキャップ【カウ】2万6400円。クルーチの革ジャンに合わせたい。

ブルーネルハットメーカーズは種類も豊富。紹介したBBキャップやキャスケット以外にも、ハンチングやポークパイハット、ベレーやバケットハットなど多数ラインナップしている。

クルーチのレザージャケットは基本的に受注生産となるので、気になる方は渋谷にあるショップに是非足を運んでみてほしい。袖丈や着丈などの変更にも対応してくれる。

【DATA】
KLOOTCH
東京都渋谷区東1-27-6 東和渋谷ビル1F
14時〜19時 木、金曜休
TEL03-6427-2555
https://www.klootch.jp

(出典/「Lightning 2024年12月号 Vol.368」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

2nd

良質な素材感とシルエットが美しい、東洋エンタープライズが展開する「ゴールド」。

  • 2025.10.17

東洋エンタープライズが展開する「ゴールド」。白黒の世界で際立つ良質な素材感とシルエットをご堪能あれ。 質感、シルエット、美しいミリタリー&ワークウエア 米軍同様のへビーナイロンツイルを使ったMA-1。軽量性・保温性・防寒性を備えたクライマシールドの中綿でスペックは現代的だが、エイジング加工によってヴ...

進化と伝統、どちらもここに。「L.L.Bean」のアウトドアと日常の垣根を超える名品たち。

  • 2025.10.17

100年以上にわたり、アウトドアと日常の垣根を越える名品を生み続けてきた「エル・エル・ビーン」。誠実なモノづくりと顧客への真摯な姿勢は、現代まで脈々と受け継がれている。伝統を守りながらも進化を恐れない、その精神こそが、今も世界中の人々を魅了し続ける理由だ。 愛される理由は機能美とその誠実さ 100年...

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

いつものトラッドがこんなにも新鮮に!ジャパンデニムの雄エドウインが提案する、クラシックな黒

  • 2025.10.18

“黒”という色はモードファッションとの結びつきが強い。故にトラッドスタイルとの親和性は低いように思われる。しかし、エドウインの提案する“黒”は実にクラシックである。 クラシックなトラウザーズが黒とトラッドを身近にする ブレザー、ボタンダウンシャツ、スラックス……。アメリカントラッドを象徴するアイテム...

Pick Up おすすめ記事

【Punctuation × 2nd別注】手刺繍のぬくもり感じるロングビルキャップ発売!

  • 2025.10.29

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【Punctuation × 2nd】ロングビルキャップ[トラウト] 温もりのある手仕事が特徴の帽子ブランド「パンク...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

いつものトラッドがこんなにも新鮮に!ジャパンデニムの雄エドウインが提案する、クラシックな黒

  • 2025.10.18

“黒”という色はモードファッションとの結びつきが強い。故にトラッドスタイルとの親和性は低いように思われる。しかし、エドウインの提案する“黒”は実にクラシックである。 クラシックなトラウザーズが黒とトラッドを身近にする ブレザー、ボタンダウンシャツ、スラックス……。アメリカントラッドを象徴するアイテム...

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...