これが穿き始める前の状態。
レポート用にチョイスしたのはフルカウントが新たに開発した11.5オンスデニム。これは穿き心地を重視するフルカウントが新たに生み出した渾身の生地で、通常の13オンス前後のデニムと比べると明らかに軽くしなやか。デニムの厚みやゴアゴアとした感覚は一切なく、ストレスフリーで色落ちが楽しめるというモデル。
新たなデニムというのが気になったというだけでなく、猛暑の夏にもうってつけだろうというのが購入した理由だ。
といっても新たに生まれたモデルなだけに、果たして経年変化はいかなるものか? もちろん、メーカーにも穿き込みサンプルはまだ無いという新製品。ということもあって実験室にはうってつけというわけでこのモデルをチョイスしたってわけ。
シルエットはクラシックなワイドストレートで自分好み。まだジーンズがファッションアイテムではなく、ワークウエアだった時代のシルエットが好きなので個人的にはストライクなのだ。
写真上がワンウォッシュモデルを裾上げし、穿き込む前に一度洗濯した状態。洗濯は家庭用洗濯機で一般的な洗濯洗剤で洗い、裏返しにして天日干ししている。
0105SSW Wide Denim Super Smooth One Wash 3万580円(FULLCOUNT https://fullcount-online.com)
ちなみに前回の記事は下記で確認されたし。
全体的に生地が毛羽立った状態。1カ月の穿き込みではさすがにそれほど変化無し。
ジーンズを購入し裾上げ、そして裾上げ後に一度洗濯して穿き始めたこのモデル。なぜ裾上げ後に一度洗濯したのかというと裾部分のパッカリングを出すため。
パッカリングとは縫製糸が縮み、生地が縫製糸によって引っ張られることで生まれる凹凸のこと。これが裾のなんとも言えない表情を作り、凹凸がさらなる色落ちを生み出すので、裾上げ後は一度洗濯した方がおすすめ。
で、いよいよ穿き始めて約1カ月が経過。といってもパッと見ではまだまだ下ろしたてのジーンズというイメージである。
生地を見てみると、まだ各所に穿きジワやクセなどは見当たらず、これはどのデニムにも共通することだけど、全体的に生地が毛羽立っているのが顕著にわかる。
これはタテ糸、ヨコ糸ともに余計な糸が洗濯と穿き込みによって出てくる現象。新品のデニムにはまだ生地を構成する糸に余計な糸などが付着したままで、それが穿き込むことによる生地の摩擦や洗濯によって表面に出てくるために毛羽立ってくるのだという。
これはもともと余計な糸、いわば糸くずなので、さらに洗濯や穿き込みを続けることで自然に抜け落ちていき、いつしか気にならないようになるってわけだ。
その他、気になることはライトオンスなことも手伝って、縫製部分のパッカリングは1回の洗濯でしっかりと生まれてきているような。
タテ落ち、ヒゲ落ちなんていう表現ができるのはまだまだ先になりそうなので、ガンガン穿かねばと思うのであった。
ディテールを見ていこう。
ヒップ部分は普段の生活で摩擦が多いせいか(デスクワーク&電車通勤)、毛羽立ちはフロントほどは目立たない。バックヨークのパッカリングは早くも生まれ、今後の経年変化に期待大な部分。バックポケットもまだはっきりとした色落ちは見られない。
フロント部分は生地の毛羽立ちがけっこう顕著。経験上、この毛羽立ちがなくなるとタテ落ちが生まれてくるので、ここはただただ穿き込んで余計な毛羽が抜け落ちるのを待つしかない。
サイドシームのセルビッジ部分はうっすらとセルビッジのアタリ感が生まれている。ここも生地の毛羽立ちがまだまだ目立つ。生地はまだまだ青みが強く、下ろしたてのジーンズ感たっぷり。ジーンズもブーツも革ジャンもこの時期はガマンガマンだと自分に言い聞かせる。
早くも色落ちが生まれていたのはベルトループ。これは普段バックパックを背負っていることで摩擦頻度が高いのがその理由。ベルトループの中央だけが色落ちしているのは、ヴィンテージデニム同様、中央が盛り上がったカタチのベルトループだから。ここは色落ちの進行が早そう。
【基本データ】
トータル穿き込み期間:約1カ月
穿き込み頻度:週6日程度
トータル洗濯回数:1回(製品ワンウォッシュ時を含めず)
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