今では稀少ともいえるアメリカ生産で生み出される。
1913年、アーヴィン・ショット、ジャック・ショットの兄弟により設立されたショット。ニューヨーク・マンハッタンのロウアーイーストでレインコートメーカーとして誕生したショットは、後にレザーウエアを手がけるようになり、世界初のジッパーを採用したジャケットを作り上げるなど、業界で頭角を現していくこととなる。
1950年代には、肩のエポレットに星型のスタッズが飾られた「ワンスター」をリリース。「現在でも「ライダースジャケットの完成形」と呼ばれるそのダブルライダースジャケットは、モーターサイクリストやミュージシャンなどに愛され、レザージャケット=ショット、という図式を不動のものにした。
現在のショットのファクトリーは、マンハッタンからクルマで30分ほどの、ニュージャージーにある。百数十名の職人が、日夜ショットのプロダクツを産み出し続けている。もちろん613MOHも例外ではない。100年以上にわたりショットのモノ作りを支えてきた職人魂が、存分に注がれているのだ。
ニューヨーク・マンハッタンで産声を上げたショットだが、現在はニューヨークのお隣、ニュージャージーの閑静な住宅街にファクトリーを構える。
ショットの副社長、ジェイソン・ショット氏。創業者アーヴィン・ショットの曾孫にあたる。613MOHのプロジェクトも快く引き受けてくれた。
革の裁断風景。完成形を思い浮かべながら革の繊維の方向を読み、無駄のないようにパーツを切り出していく。失敗の許されない重要な工程だ。
613MOHのラベルをライニングに縫い付ける。613MOHのラベルは1950年代に見られたPERFECTOタグを復刻したもので、ショットでも初の試み。
専用のマシンでワンスターのスタースタッズをエポレットに打ち込んでいく。こちらは613MOH用のブラック仕上げのワンスター。クールでしょ?
ショットのファクトリー内にある、レザーのストックルーム。大量の革がストックされている。馬や牛、シープスキンやムートンまでも保管されている。
過去のモデルを保管するアーカイブルーム。レザーファン垂涎のヴィンテージのレアアイテムが並ぶ。今後、613MOHもここに並ぶのだろうか?
ニューヨークの旗艦店がリニューアル。
2023年10月に移転リニューアルオープンしたショットニューヨーク店。広い店内にはずらりとショットのアイテムが並ぶショットの旗艦店だ。ファッション感度の高いニューヨーカー達が多く集まる注目のスポットとなっている。店内はクラシカルなインテリアで統一され、心ゆくまでショットの世界観に浸ることができる。
レザーアイテムはもちろん、日本では販売されていないアメリカのみのアイテムも多くラインナップされ、ショットファンにはたまらない空間となっている。ニューヨークに行った際には是非とも立ち寄りたい、レザーラバーの聖地なのだ。
見よ、このレザージャケットの豊富さを。日本未発売のアイテムも多くラインナップされ、レザーラバーなら時を忘れて過ごせる最高の空間だ。
店内に飾られているアート。実はこれ、ショットのファクトリーで出た廃材を組み合わせて作られたもの。よく見るとジッパーの引き手なども使われている。
Schott New York Flagship Store
32 Howard Street New York, NY 10013
TEL212-219-1636
Monday-Saturday 11AM-7PM
Sunday 12PM-7PM
これが限定再販が決定した613MOH,! 大人の色気を醸し出す、スペシャルなワンスターはいかが?
モヒカン小川とショットがタッグを組み作り上げた渾身の1着、それが613MOH。パターンやサイズ感は、通常のワンスター613USTと同じだが、素材には世界的に有名な名タンナー・ホーウィン社のホースハイド「Pinnacle」を採用。オイルを多く含み、しっとりとしたしなやかさが特徴だ。ワンスターのアイデンティティであるスタースタッズをはじめ、ジッパーやバックル、スナップボタンなど金属パーツを全てブラックに統一し、従来のダブルにはないシックさを実現している。ラベルは1950年代に見られたPERFECTOの馬タグを、このモデルのために復刻した意欲作だ。27万5000円
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年10月号 Vol.366」)
Photo/Lisa Kato 加藤理紗
関連する記事
-
- 2023.10.31
今年の冬も、ショットがアツい! 新作のリリース、コラボアイテムの発売など見逃せない。