かつて存在したアイクラーホームを現代に甦らせる。
1940年代末~1970年代、アメリカのディベロッパー、ジョセフ・アイクラーが中心となって住宅開発をした建売住宅、それがアイクラーホームだ。当時、住宅不足に悩まされていたアメリカ。そのため、安価でメインテナンスしやすい住宅として900戸以上を販売したといわれている。
「アメリカのミッドセンチュリーが大好きで、インテリアや家具を趣味で買い集めていました。近年、サーファーズハウスといった住宅が人気ですが、私はミッドセンチュリーに造られていたアイクラーホームが好きなんです」と話すのは、石塚工務店の石塚一さん。
代表と大工を兼任するパワフルさで、本格的なアイクラーホームを造ってしまった。アイクラーホームには主に6つの特徴がある。①平屋であること。②室内と屋外の境が曖昧であること。③ガラスを多用して開放的な空間であること。④アトリウム(中庭)があること。⑤幾何学的なラインであること。⑥玄関のドアがカラフルであること。石塚さんはアイクラーホームについて徹底的に調べ上げ、忠実に再現してみせた。
「アイクラーホームはポスト&ビーム(柱と梁)構造がベースになっています。特に気を配ったのは梁。むき出しの梁が建物を横断するため、つなぎ目が見えないように計算しつくしました」
好きだからこそ細部までこだわれる。アイクラーホームへの愛を感じる仕事だ。
白い外壁にオレンジの梁を沿わせた“ニクイ”デザイン。中央には本物の石を使った乱形石張りがアクセントになっている。自然と同化したつくりも魅力のひとつ。
ミッドセンチュリーの家具やインテリアを惜しみもなく使ったリビングルーム。アトリウムへつながる大きな窓からは光が差し込み、乱形石張りも雰囲気抜群!
アトリウムから室内に入るとダイニングキッチンがお出迎え。庭へ続く大きな窓のほか天井側にも窓を設置し開放的。リビングへは木製の仕切りを付けているだけ。
リビングの脇にはキッズやワークスペースにぴったりな空間。扉がない開放的な要素と適度な閉塞感を組み合わせたつくりで、日本人の暮らしにも合うはず!
アンティーク家具をリメイクした洗面台。こういったこともできちゃう!
アトリウムから続く靴脱ぎ場。ほぼ段差がなく、外と中がつながったようなつくり。
もっと見たい、知りたいという方はコチラへ。
https://ishitsuka1.jp/contact/
【DATA】
石塚工務店
TEL0296-48-8604
https://ishitsuka1.jp
「ミッドセンチュリーデザイン」のスペシャルサイトも公開中!
https://ishitsuka1.jp/showroom/
(出典/「Lightning 2024年10月号 Vol.366」)
Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
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