ツアラーによるガチレースがアメリカで大人気なのだ!!
「ハーレーダビッドソン」と聞けば、多くの人は映画『イージー☆ライダー』の劇中に登場するようなワイルドな〝チョッパー〟をイメージするかもしれない。しかしハーレーは、広大な大地をフリーウェイでつないだ、アメリカならではの道路環境に合わせて発展してきた稀有なモーターサイクル。町を出るにはほぼ100%高速道路を使い、きついカーブが連続するワインディングもあまりないという特殊な環境の中、いかに高速巡行を快適にこなせるかに重点を置いて進化してきたのだ。
直進安定性が高く、どっしりとした安定感を実現する大きな車格、そして長時間のライディングでも疲労の少ない大きなフェアリング、さらに長旅の大荷物を収納するラゲッジスペースを備えたツアラー、ハーレーの現行ラインアップでいうところの「グランド アメリカン ツーリング」こそが、ハーレー本来の魅力を備えたモデルといえる。
また、ハーレーと切っても切り離せないほど親しまれているのが、自分好みにしていく「カスタム」の楽しさ。ことツアラーに関してはこれまで、その堂々とした風格をさらに強調するかのような、いわばルックス重視のカスタムが多かったのだが、近年はその状況も一変しつつある。いま、アメリカで人気を博しているレース「キング・オブ・ザ・バガーズ」の影響から、ゆったり系ツアラーにスポーツ性をプラスするかのようなスタイルが注目を集めているのだ‼
アメリカ西海岸では「パフォーマンスバガー」が流行中!!
現在、アメリカの西海岸を中心に流行しているのが「パフォーマンスバガー」と呼ばれるカスタム。これはどこまでもまっすぐな道をゆったりと走るイメージのツアラーをベースに、ハイスピードで走れるようにすることはもちろん、峠道でもグイグイ曲がれるようにするなど、主にパフォーマンスの向上に主眼を置いたスタイルだ。
西海岸ではもともと、「ダイナ」や「FXR」といった“走りを得意とするモデル”をベースに性能を向上させるカスタムを施し、ウイリーなどのスタントライディングをキメることが人気だったのだが、「キング・オブ・ザ・バガーズ」の影響から、そのベースモデルがツアラーに移行しつつあるというワケだ。
倒立タイプのフロントフォークやラジアルマウントのブレーキキャリパー、さらには随所に軽量で強度も高いカーボン製パーツを奢るなど、レースシーンでメジャーな高性能部品を採り入れる手法が人気となっている。
とはいえ、サーキットを走るのではなく、あくまでも主眼はストリート。本物のレーサーであればバンク角を確保するため、車高をかなりアップするのだが、その辺りは採り入れず、ノーマルフォルムを崩さないのが基本。代わりに高価なオフロード用の高機能LEDライトで個性を出したり、カラフルなウインドシールドに交換するのが西海岸の最先端。このスタイルがいま、世界的に注目されているのである。
カスタムシーンを牽引する「RSD」による一台。
シーンの最先端をいく「ローランドサンズ デザイン(RSD)」製作のロードグライド。低めのバーに高さのあるライザーを組み合わせた鉄板のハンドルまわりのほか、ラジアルマウントのキャリパーにゴールドのホイールを組み合わせてスポーティな印象に。加えてこのバイクを個性的に見せているのが随所に奢ったカーボンパーツだ。
【問い合わせ】
ハーレーダビッドソン ジャパン
https://www.harley-davidson.com
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(出典/「Lightning 2024年5月号 Vol.361」)
text/T.Amemiya 雨宮武 photo/T.Masui 増井貴光、K.Matsumoto マツモトカズオ
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