ジェラードが「不均一の雰囲気」にこだわりゼロから作り上げた“青タグ”シリーズ。

2024SSコレクションのテーマである「Sprout」に合わせ、「LASTRESORT青タグ」と命名した10.5オンスのライトオンスデニムを新開発したジェラード。その生地を使い1940年代以前のLeeをオマージュとしたカバーオールなどワークウエアの新作を登場させる。その青タグシリーズについて代表の後藤洋平さんに訊いた。

不均一なところを表現するために、3種類の太さの異なる綿糸を使う。

「ジェラード」代表・後藤洋平|元古着バイヤーという経験を活かし、世界中のヴィンテージウエアをモチーフに、現代的なあシルエットに再構築するブランド「ジェラード」を、2005年6月から東京・恵比寿にて始動させる。またブランド代表者にして、現役キックボクシングのプロ選手という経歴をもつ

──新登場となる青タグシリーズは、’40年代以前のLeeの再現となっていますが?

今回はデッドストックを切った訳じゃないんですが、参考にした僕が所有するLeeの91‒Jは、もう20年くらい愛用している物。ちょうど20年前に高円寺で古着店をオープンさせまして。当時の店名は2024年春夏コレクションのテーマである「Sprout」にもなっています。

その頃いつも海外へ買い付けの際に着てたカバーオールで、僕からすれば20代の時に無理して買ったLeeのハウスマークでした。特にLeeの不均一ながらしっかりとした縦落ちがかっこよく見えたんです。そして10代の頃、ヴィンテージのLeeを知ったとき、そのウエアの雰囲気をいつか何かの形で表現したかったんです。

──実はゼロから生地から作られてるとお聞きしました。

このジャケットの生地を再現するために、生地に使われる糸を分析するんですけど、普通に分析した数値通りに作ると、このヴィンテージ特有の表情を出すのが難しくて。ライトオンスだと余計に表情が出づらいこともあったり。

そこでLee特有の雨が降った様な縦落ち感を分かりやすく表現するために、縦糸に3種類の異なる太さの糸をランダムに打ち込むと、ムラ糸の癖が出やすくなるんです。逆に均一の糸で仕上げると、ものすごく色落ちが綺麗になっちゃうんです。昔の生地は紡績技術がすごく雑なので、糸の太さが、例えば9番手の糸の太さを作ろうと思っても不均一なので、限りなく10番に近いとか、逆に8番手に近いとか、小数点以下で細くなったり太くなったり、しかもそれが縮面みたいになってるわけです。

そういう不均一の雰囲気っていうのを表現するために、わざとランダムに番手の異なる3種類の縦糸を打ち込むことで、不均一な色落ちの雰囲気っていうのを表現したんです。また素材にはディープサウスコットンというアメリカ・テキサス州の綿を使用しています。

──だからヴィンテージ同様に美しい不均一な縦落ちになるんですね。この生地をよく見ると色が濃い感じがしますが?

実はLeeの生地は横糸がグレーなんですよ。青タグシリーズもそこは同様に、横糸は1種類だけですが硫化染めを施したグレー糸を使用しています。ただ横糸に使うグレーの糸は色味を出すのが難しくて。

昔ながらの硫化染料を使い染めているのですが、単純に色をグレーにするのであれば現代の反応染料なら簡単に再現できるのですが、やっぱり色落ちをしていく染料──硫化染料で染めるというのが我々にとって凄く大切な事でして。またワークウエアに使われる生地なので、横糸にグレーを使うのは少しでも汚れが目立たないために生地の色味が濃く見えるような工夫なのかなとも思います。

あとデザイン的に目立たせたくない部分は全部グレー糸。襟とか見返しの部分、内ポケットの縫製など、そういったものはグレー糸なんですよね。Leeは意外に細かい部分に凄く気を使っていて、よく考えられて作っているという印象を受けますね。

後藤氏が20年来年愛用するLeeのカバーオールから生地を採取し分析することで、3種類の太さを変えたムラ糸を使う生地を新開発。当時と同様にランダムな縦落ちが楽しめる

──他に特筆すべき点はなんでしょうか?

Leeのワークウエアらしい細かなディテールなどをしっかり再現しています。例えばポケットの形状ですが、Leeはスペードの形を反対にしたような、下部分が尖った形状になっているんですが、ステッチはその形状に沿わさせずに真っ直ぐ縫っているんです。だからこの部分だけ生地がはみ出すんですよ。

そしてLeeのデニム生地は全て左綾織りというイメージがあると思いますが、実は右綾織りなんですよ。どういう定義でそうなったかはわからないんですが、Leeのワークウエアに使われるライトオンスデニムは全ては右綾織りなので、青タグシリーズも同様となっています。

──青タグシリーズについて読者にメッセージをください。

ジェラードが所有するヴィンテージの個体を再現するというやり方が面白いんです。しっかり1つのヴィンテージの個体に対してフォーカスすると、やはり良い部分としてその個体の癖が分かるということ。

デザインや生地、縫い糸など細かな部分が本当に見えてくるので、この年代はこうあるべきという定説通りで物を作ると、どうしても綺麗な仕上がりになってしまい、その個体の癖やヴィンテージらしさというのが無くなってしまいます。だけどジェラードでは、1つの個体にフォーカスすることで再現度も必然的に高くなるし、面白い個性も出せるようになるんです。

今回登場するのは、オーバーオール、カバーオール、ペインターパンツ、そして41カーキのデニム仕様の4種類を展開します。リリースは2月頃を予定していますので、乞うご期待ください!

1940年以前に生産されたLeeのワークウエア。当時は紡績技術が低いが故に美しい縦落ちとエイジングする。その不均一な色落ち感は、“LASTRESORT青タグ“へと受け継がれていく

JELADO ‘‘BLUE‘‘LastResortの各モデルをチェック

「LASTRESORT 青タグ」としてカバーオールなどワークウエアの新作が4種類リリ-ス。どんなアイテムかチェックしよう!

391B Overall

10.5ozデニム生地「LAST RESORT」青タグを使用し大戦期のオーバーオールを再現。大戦期のデッドストックに付属していたすべてのアクサセリーを再現。縫製糸も白と黒で縫い分けており、すべて白で縫うよりも落ち着いた大人のワークウェアという印象に仕上がっている。

Color_Indigo
Size_XS 〜XXL
Price_¥46,200

詳しくはこちら

41 Denim

ヴィンテージ市場でも人気の高くJELADOでも定番人気を誇る41KHAKIのデザインをベースに「LAST RESORT」デニムの青タグを使って仕立てた1本。ライトオンスなので夏でも涼しく穿きやすい。ボタンをメタルボタンにすることで、高級感のある仕上がりになっている。

Color_Indigo
Size_XS 〜XXL
Price_¥33,000

491J Coverall

新開発の10.5ozデニム生地「LAST RESORT 青タグ」を用いて1938〜46年まで製造されたといわれるLEEのカバーオールを徹底的に再現。着用することで3種類の太さで織り上げたムラ糸の表情が表れ独特のタテ落ちが楽しめる。

Color_Indigo
Size_XS 〜XXL
Price_¥49,500

詳しくはこちら

311W Painter Pants

JELADOが誇る究極のデニム生地「LAST RESORT」の「青タグ」版として10.5ozのライトオンスのデニムを開発し、1940年代のLEEのペインターパンツを忠実に再現。生地、パーツ類、縫製に至るまで徹底的にこだわり抜かれている。

Color_Indigo
Size_XS 〜XXL
Price_¥35,200

詳しくはこちら

(出典/「Lightning 2024年3月号 Vol.359」)

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