公道で味わう、究極のカスタムZのハイパフォーマンス。

  • 2024.03.30

フェアレディZのカスタマイズ&チューニングは今も世界中で様々なアプローチが試されている。この個体は埼玉県の「水上自動車工業」が、自らのもつ技術をつぎ込んで製作された、究極のカスタムZだ。とはいえ乗りにくさは皆無。カスタムの新たなステージに到達した、奇跡の1台だ。

圧倒的スタイルと究極のカスタマイズ。

パンデムのボディキットを加工して装着。これにスピードフォルムのリアバンパーや定番デザインの三分割リップを組み合わせて独特のスタイルに。比較的凹凸の目立たない白い塗装だが、それでもなおワイルドだ

旧車に快適に乗るためのアプローチは数あるものの、ここに紹介する個体は、見た目からは想像もできない方法で追求した一台。オーナーの坂本和則さんの情熱と水上自動車の高い技術力で成し遂げた意欲作だ。

モノトーンのカラーとホイールデザイン、そしてエアロパーツの組み合わせで旧車っぽさを払拭

まずエンジンはL型にこだわったオーナーのリクエストで、乗りやすくパワフルなエンジンを製作することからスタートした。排気量はL28をベースにワイセコピストンを使って3リッター化。これに水上自動車のオリジナルカムや、ポート研磨、ビッグバルブを含めたヘッド加工をプラスして中低速域からトルクを発生し高速域までスムースに回るエンジンとなった。

そんなパワーを受け止めるべくトランスミッションは、S15用のNI SMO6速マニュアルを換装。リアデフもファイナル4.1LSD付きR200を採用。駆動系全体に手が加えられている。

次に増加したパワーをしっかり受け止めて路面に伝えるべく、ホイール&タイヤは、かなりワイドなものを選んでいる。ホイールはオーナーがスペシャルオーダーで製作したというオリジナルデザインで、フロント16×9.5J、リア17×12Jという前後異径の極太リムをにしている。これにアドバンネオバを前後に装着する。

そしてそんな強大なパワーをより有効に活用するために、この車両は、ボンネットやリアゲートだけでなく、なんとルーフもドライカーボンで製作したカスタムメイドのパネルを使用している。驚くほど軽量なので、全体の車両重量を低減するだけでなく、車体の重心を大幅に下げることに成功しているのだ。

ワイドボディをまとって走る姿は迫力そのもの。また見た目だけでなくカーボンルーフなどによる低重心化によって、驚くほど俊敏に動く。カーボンボンネットに合わせて、フロントバンパーもブラックアウトしている

合わせて張り出したホイールを納めるべく、パンデムのボディキットをベースに、リアはさらに1インチ拡幅して装着。結果、このブラック&ホワイトのワイドボディが完成したのだ。

実はこれほど見た目はスパルタンながら、快適に乗るというキーワードはしっかりと追求している。ビンテージエア製のエアコンを装着し、電動パワステも装着。さらにロベルタカップ装着で、緊急時の車高調整も可能となっている。

フロントフード、ルーフ、リアゲート、リアのガーニッシュはすべてドライカーボンで製作された超軽量のパネルに交換される。これによって大幅な軽量化とともに低重心化を実現している
フロントフードはカーボン風とは異なり、ドライカーボン独特の「本物感」が漂う。もちろん軽量で強度がある
ミラーはブラックタイプをチョイス
ホリの深い4本スポークのホイールはオーナーがオーダーしたカスタムメイド。フロント16×9.5J、リア17×12Jという極太サイズを履く
リアガラスはアクリルを使用し軽量化
リアバンパーはスピードフォルムのパーツを使い バンパーレス化。マフラーはワンオフのステンレス製となる
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