軍用レザーフライトジャケットは、大戦当時に想いを馳せて育てるべし!

アメカジ好きの憧れの存在であるレザーフライトジャケットのタイプA-2。その魅力は何と言っても味わい深く育っていくホースハイドのエイジングの表情であろう。そこでフライトジャケットのオーソリティであるバズリクソンズの亀屋康弘さんに、A-2を育てるためのメンテ術、オイルの入れ方について聞いてみた。

着用することが最高のメンテなんです!

「バズリクソンズ」企画統括/フライトジャケット研究家・亀屋康弘さん|実物フライトジャケットを忠実にリプロダクトするバズリクソンズを牽引する存在であり、日本が世界に誇るフライトジャケット研究家、そしてLightning本誌で連載している「魁!! フライトジャケット塾」の塾長も務めるプロフェッショナル

バズリクソンズのディレクションを務める亀屋康弘さんのお気に入りといえば、やはり米陸軍航空隊が使用したレザーフライトジャケットであるタイプA‒2であろう。このA‒2に関する愛情と博学ぶりは業界随一。しかも毎シーズン、バズリクソンズからリリースされる新作のA‒2を自ら着用し、しっかりとエイジングさせるという、革を育てる為の熱量は凄まじい限りである。そこでエイジングの達人として、今まで育て上げたA‒2を披露してもらった。

亀屋さんが用意してくれたのは3つの異なる育て方をしたA‒2だ。右側がドライ、真ん中がドライとオイリーの中間、そして左側がオイリーといった革のコンディションとなっている。どのモデルも味わい深い経年変化の表情を見せているが、亀屋さんにとっての“育てるためのメンテ術”とは、どういったものなのか?

「A‒2が使われていたのは1931年から第二次大戦末期までですが、戦時下の中で当時のパイロットたちがこまめにオイルを革に入れていたとは思えないんですよ。でも大戦中のオイルが抜けてしまいカサついてしまった革の表情のA‒2の雰囲気は抜群なんですね。だから乱暴な言い方になりますが、あまりオイルを入れずに着用するのが一番当時の雰囲気を再現できるんです」

オイルの入り方でまるっきり表情が変わる!

大戦中を彷彿させる乾いた革の表情。

亀屋さんの流儀で育てあげたドライな革の表情に注目。このモデルは2007年のA-2 Order No.A.C.16159のラフウエアモデル。亀屋さん曰く、A-2などのレザーフライトジャケットは着用することが最高のメンテとのこと。毎日着込むことで自然と革の繊維質が柔らかくなり、革の表情にこなれた雰囲気が出てくるそうだ。

程よくオイルが抜けたラセットブラウンの凄味。

こちらは2009年に登場したOrder No.W535A.C.20960のJ.A.デュボウモデル。アカシアの樹皮から抽出した渋液で鞣したラセットブラウンのホースハイドだ。また革の表面に細かく刻まれた皺をそのまま生かしているので、程よくオイルが抜けるとより大戦中に着用されたような、凄味のある雰囲気を纏うようになる。

艶と色気を感じさせるオイリーなコンディション。

エースパイロットの士気を高揚させた真紅のシルク素材の裏地を纏ったのは、2017年に登場したContract No. W535 AC16159のラフウエアモデル。濃色のシールブラウンが着用によって程よくフェードしている。また鞣す際に通常よりも加脂されたホースハイドは皺が深く残るので、艶と色気のある表情へ育っている。

【問い合わせ】
バズリクソンズ(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
https://www.buzzricksons.jp

(出典/「Lightning 2024年2月号 Vol.358」)

この記事を書いた人
ADちゃん
この記事を書いた人

ADちゃん

ストリート&ミリタリー系編集者

Lightning本誌ではミリタリー担当として活動中。米空軍のフライトジャケットも大好きだけど、どちらかといえば土臭い米陸軍モノが大好物。そして得意とするミリタリージャンルは、第二次世界大戦から特殊部隊などの現代戦まで幅広く網羅。その流れからミリタリー系のバックパックも好き。まぁとにかく質実剛健なプロダクツが好きな男。【得意分野】ヴィンテージ古着、スケートボード、ミリタリーファッション、サバイバルゲーム
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

Pick Up おすすめ記事

本格派でコスパも優れる「Amber Threads」のライトアウターで秋を始めよう!

  • 2026.10.05

古着店「DOSTYLE」を運営する「ドラマ」が手がける気鋭のアメカジブランド「Amber Threads」。“トレンドとヴィンテージを融合したアメカジスタイル”を掲げる同ブランドはバリエーション豊かなライトアウターを展開する。ヴィンテージをベースとした本格派でありながらコストパフォーマンスにも優れる...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...