BarbourのBURGHLEY

1992年5月15日。俺は東京ドームにいた。ドームの真ん中には円形のステージ。長渕剛がギター一本でアコースティックライブをやるという。360度全て客を入れ、その数約6万5000人。ちなみに東京ドームの観客動員数のこの記録は、いまだに破られていない。反響する剛コールの中、突如照明が落ち、スポットライトを浴びたアニキが警備員に囲まれステージ向かってくる。手にはギターケース、海賊巻きのバンダナ、サングラス、そしてロングコートを羽織っている。ステージに上がり、ギターケースからギターを取り出し、『巡恋歌』を歌い出す。ギターとハーモニカだけなのに、鳥肌が立ったね。それ以降何度もアニキのライブに行ったけど、あの光景は目に焼きついて離れない。
なんでこんなことをつらつら書いたかというと、生まれて初めてロングコートを「かっこいい」と思った瞬間だったわけ。あれから30年が経ち、俺もいろんなコートを着てきた。革ジャンの上に羽織るのに、コートってすごく便利なんだよね。ロングコートも着てきたけど、せいぜい膝下くらいの丈。あの日の長渕剛が着ていたような長い丈のコートは着たことがなかった。
でもこの冬見つけちゃったのよ、バブアーのロングコートを。もちろん、アニキが着ていたのはバブアーではないけれど、着丈はバッチリ。バブアーのワックスドコットンの風合いが、革ジャンにも合うし、完全に俺好み。エイジングもするしね。稲妻フェスティバルで着ていたので、見かけた人もいるんじゃないかな。
ロングコートを羽織っているだけで、いつもとは違った、ハードボイルドな気分になってくる。元来乗馬用なので、機能的なディテールも満載で、着やすいのも嬉しい。本当にいい買い物をした。いつの日か、こいつを着てギターを持って、『巡恋歌』を歌いたいんだよな……。歌おうかな(笑)。



【DATA】
バブアー
https://japan.barbour.com
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年2月号 Vol.358」)
Photo/N.Suzuki 鈴木規仁
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