実はジープのピックアップトラックは歴史が長い。ここでおさらい。
ジープといえば4WDのショートボディで、急勾配や岩場ももろともしない走破性を持ったモデルというイメージが強いけれど、もともとは軍用に開発されたヘビーデューティな性格のモデル。というわけで商用にも使えるピックアップは1947年から販売されていて、山間エリアでは公的なクルマとしても使われていたほど。
そんな歴史のなかで初めて登場したグラディエーターはジープの製造権を持っていたカイザー社から1962年のことだった。ジープ・ワゴニアと共通のフルサイズジープのボディで生まれ、その後Jシリーズと名前を変えて1963年式から1988年式まで生産された息の長いモデルだった。
さらに、1987年にジープの製造権がAMC社からクライスラー社に移ると、フルサイズピックアップはクライスラーの持つダッジブランドとぶつかるために整理され、コンパクトなXJチェロキーとベースを同じくするジープ・コマンチへと受け継がれて1992年まで生産された。
そんなジープ系ピックアップの歴史が再び動き出したのが、現行ジープの製造を担っているステランティス社から2020年モデルとして登場した現行ラングラーをベースにしたピックアップモデル。かつてのグラディエイターの名前が復活し、往年のファンも歓喜する出来事になった。
新生グラディエーターの歴史はまだまだ浅いけど、うれしいことに日本でも正規輸入がされているモデルということで、アメリカ車で唯一正規輸入車を手に入れられるピックアップトラックになっている。
メーカーがカスタムしたグラディエーターはコンセプトモデルながら夢がある。
道無き道も走行できるジープなだけに、オーバーランド(クルマで限りなく走り、好きな場所でそのまま宿泊できる)仕様のカスタムベースとしても圧倒的なポテンシャルを持っているのがグラディエイター。事実、メーカーもオーバーランド仕様のカスタムをして推奨しているくらい。アメリカには数多くのカスタムパーツが発売されているので、アウトドア派にはこれほど頼もしいモデルはない。
全長さえ慣れればサイズも気にならない。
グラディエーターは通常のラングラーよりもベッド部分があるため、ラングラーの4ドアモデル(日本名アンリミテッド)よりも全長は長い。といっても全幅はそれほど変わらないし、アメリカのフルサイズカーほど大きくないので、ホイールベースの長さと全長に慣れてしまえば日本の道路事情でも問題無く扱える。その分、ベッドへの積載量が確保されているので、アウトドア系アクティブ派にはうれしいサイズ感だ。国産車から乗り替えもストレス無くできるといえる。全長5600mm、全幅1930mm、全高1850mm
気になる日本での価格や燃費、アメリカにはディーゼルエンジン搭載モデルもある。
日本への正規輸入は現在、右ハンドル仕様で上位モデルであるルビコンのみで、エンジンは3.6LペンタスターV6というガソリンエンジンのみの設定になっている。本国アメリカには3LエコディーゼルV6の設定もあるので、ディーゼルエンジンを狙うなら並行輸入モデルに頼るしかない。燃費は非公式なアナウンスではガソリンエンジンで5~6km/L程度と言われている。気になる正規輸入モデルの価格は2023年11月現在では960万円。
ジープ グラディエーターの中古車事情は?
日本には2022年モデルからの登場になるので、現行モデルのグラディエーターの中古車はそれほど多くない。もちろんアメリカからの中古並行を狙うことも可能。まだまだ走行距離が少ない中古ばかりなので、国内正規モデル、並行輸入モデル車とも価格は700~900万円くらいになっている。ディーゼルエンジン搭載車やルビコン以外のモデル、さらに左ハンドル仕様となると並行輸入に頼る必要がある。ジープのラインナップのなかでは中古車でも高級モデルといえる。
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