軍用にルーツを持つハマーは異色で個性的なアメリカ車。

アメリカ車の中には歴史のあるモデルが数多く存在するけど、その中でも異色な存在なのがハマー。歴史はそれほどないけれど、そのルーツを軍用車に持ち、一般人は軍用の払い下げしか手に入れられないという異色なモデルながら、一般公道用モデルが多くの人に熱望されて民生モデルが発売されたという歴史を持ったモデル。その後、よりカジュアルなSUVモデルなどにも派生し、最新型はEVという、他のモデルとは一線を画す車種。そんなハマーにちょっと詳しくなれる歴史から新車価格までの深掘りネタをお届け。

湾岸戦争の映像などで一般人にも知れ渡ったハマー。

ヘビーデューティな重機や業務用車両を主に生産していたアメリカのメーカーであるAMゼネラルが開発した軍用車であるM998。これはHigh-mobility Multipurpose Wheeled Vehicleの頭文字を取ったHMMWV(ハンヴィー)という愛称で呼ばれ、それがハマーというモデル名のルーツになった。ヘリコプターで吊り下げ、空中から投下することも可能なハイストロークのサスペンションや、パンクレスのタイヤを装備するなどタフなモデルとして1983年に配備され、約5万5000台が生産された。Photo by General Motors

ニュース映像が世界各地に配信されるようになった1991年の湾岸戦争時には多くのハンヴィーが活躍する姿が全米のみならず、世界各国に流れることにより、このモデルを自家用で乗りたいという声が多数生まれたことに。この声が民生モデルとしてハマーH1の登場へと繋がった。そのなかでもハリウッドスター、アーノルド・シュワルツェネッガーが熱望していたのは有名な逸話。

そんな民間からの要望によって、湾岸戦争後の1992年にM998を公道仕様にモディファイしたモデルが登場することに、これをハマーというネーミングにして市販が始まったのがそもそもの歴史の始まりだった。

ここから公道仕様のハマーの歴史が始まる。

ハマーH1。軍用車ベースで民間用にモディファイされたミルスペック・ヴィークル。1999~2006年式

1999年にAMジェネラルからハマーの民間での販売権を買ったGM(ゼネラルモータース)がハマーをハマーH1として改名。それまでのAMジェネラルのハマーを継続して民間に販売することになった。ボディバリエーションは、ソフットップ付きのオープンモデル、ワゴン(SUV)モデル、ハードトップ、2ドアピックアップ、4ドアスラントバックの5種類が存在していた。

最大でも4人乗りという室内の狭さはまさに軍用譲りで、コアなファンで無ければ楽しめないモデルであったことはいうまでもない。エンジンは5.7LのV8ガソリンエンジン、2種類のV8ディーゼルエンジン、2種類のV8ターボディーゼルエンジンが存在し、2006年モデルが最終モデルに。

ちなみにAMジェネラルの製造販売する軍用のハンビーは2018年まで製造されていた。

気になるボディサイズは全長4686mm、全高1956mm(2003年モデルまで)、全幅2197mm(サイドミラー含まず)という堂々たるサイズ。

2004年式ハマーH1。民生用ハマーはボディバリエーションも種類があり、ボディカラーもイエローやレッドといった鮮やかなカラーがラインナップされた。巨大なボディながら車両中央前後に高めにレイアウトされたドライブシャフトが通るため、乗車定員は最大でも4人というスパルタンなモデルだった。Photo by General Motors

ハマーH2。GMの製造権でSUVと共通コンポーネントで生まれフルサイズの街乗りモデル。2003~2009年式

民間へのハマーの販売権を手に入れたGMが、当時のSUV全盛期の流れを受けて、公道仕様のSUVとして開発したのがハマーH2。当時のGM社の製造していたフルサイズピックアップのコンポーネントを流用したSUVであるシボレータホやGMCユーコンの兄弟車的な位置付けで登場した。

折しもアメリカではセレブリティによるラグジュアリーカスタムが流行していたこともあり、多くのハマーが大径ホイールやカスタムペイントなどでアップデートされ、SUVカスタムのベース車両としても人気に。

2005年にはリアがベッドになった4ドアピックアップボディのハマーH2 SUTも追加された。エンジンは2007年までは6LのV8、2008年以降は6.2LのV8のみの搭載だった。

H2のボディサイズは全長5169mm、全高1976mm(2003年モデル)、全幅2065mm(サイドミラー含まず)で、日本国内にも正規輸入されていた。

2003年式ハマーH2。シボレー・タホやGMCユーコンと共通のプラットフォームでハマーのデザインを踏襲して生まれたH2はフルサイズボディのSUVとしてデビューし、後年にはリアにベッドをレイアウトしたSUT(スポーツ・ユーティリティ・トラック)モデルも追加された。Photo by General Motors
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ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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