靴職人としてキャリアを積んだオーナーがついに立ち上げたブーツブランド。
2023年に本格始動した注目のブーツブランドであるアリストクラット。ディレクターである小島さんは、15年以上のキャリアを持つ実力派の職人。アッパーの縫製と底付け以外は、すべて自身の手作業で仕上げ、今ではほとんど見掛けることのないハンドソーンウェルテッド製法を駆使しているのが特徴。
またネット販売は行わないという硬派なスタイルで、横浜にあるアトリエか、親交のあるショップで行われる受注会でのみオーダーできる。しかも型数は1型のみ。その分、完成度が高く、研ぎ澄まされた造形美を持っている。
「自分はリペアやカスタム、そして靴作りまで行う職人としてキャリアを積んできました。一時期、製作からは離れた時期もあったのですが、その時に第一次世界大戦時のブーツに出会ったんです。その造形美に惚れ惚れとする一方で、自分だったらこう作るなと思いを巡らせることが多くなり、それなら作ってしまおうと。それで始めたのが、このアリストクラット。
ブランド名は、“最高の物”を意味します。大量生産へのアンチテーゼではないですが、機械で効率よく作られるものが多い中、人の手によって作られたものにより価値があって、長く愛用することで美しく経年変化したものが、僕の目指すプロダクトなんです」
ひとつずつ丁寧に作られる至高のハンドメイドブーツ。
第一次世界大戦時に使われていたキャップトゥブーツをモチーフに、ラストから作り直した渾身のモデル。手間暇の掛かるハンドソーンウェルテッド製法で仕上げ、より美しいエイジングになるようにハンドダイのカーフを用いるなど、随所に手の込んだ仕様となっているのがポイント。底付けにおいては、昔の仲間であり、信頼するクラフトマンの技術を信頼してオーダーしている。対面販売のみなので、サイズを間違える心配もない。15万8400円
茶芯仕様のハンドダイのオリジナルカーフを使っているので、穿き込むことでベースのブラウンが出てきて、なんとも美しいエイジングとなる。アフターメンテナンスも充実している。
ミリタリー向けに作られたラストを日本人の足型に合わせて修正したオリジナルラストを採用。あえてカカト部分をシェイプさせることで、フィット感を高めたのも特徴だ。
オリジナルブーツを作るにあたり、まず着手したのが、オリジナルラストの製作。ミリタリーのラストを参考しながらも、シャープで美しく、足馴染みのよいものが完成。
レザーの裁断から、スタンプまですべてオーナーの小島さんが手作業で行っている。そのため、革を適材適所に分けることができるため、プロダクトの完成度が高い。
中底には厚手のショルダーを使い、そこに切り込みを入れて、リブと繋いでいくハンドソーンウェルテッド製法を採用。一般的な手法よりも耐久性が高く、返しがよい。
【問い合わせ】
ARISTOCRAT&co.
神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-32-3 国武ビル1 階
受注会のみ一般営業。
スケジュールは公式Instagram にて発表。
@aristocratandco
https://aristocrattokyo.myshopify.com
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2023年12月号 Vol.356」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦
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