クルーザーからBMXへと進化するアメリカンチャリの歴史を掘る。

  • 2023.08.02

クルマ大国といっても、モーターサイクルや自転車といった2輪カルチャーも成熟しているのがアメリカ。

そのなかでも世界でも類を見ないスタイルがSchwinn(シュウイン)に代表される1960年代のクルーザーだ。

クルーザーはバイクでいうチョッパーを自転車で表現したもの。異形な自転車でありながら、1960~1970年代までアメリカを席巻した。しかもそんなクルーザーが現代のBMXへと進化していった歴史をみると実に興味深い。

当時のモデルを見ながら、クルーザーカルチャーから後のBMXに進化するまでの歴史を実際のヴィンテージモデルを見ながら追ってみる。

当時のモーターカルチャーから派生した異形の自転車。

1960年代にモーターサイクルの世界で、当時のレース車両だったボバー(無駄なパーツを取っ払ったカスタム)から派生したのがチョッパー。文字通り、余計なパーツをチョップし、走りに特化させたカスタムで、当時のモーターサイクルクラブではそんなカスタムチョッパーに乗ったバイカーが台頭した。

さらにクルマの世界ではハイパフォーマンスなマッスルカーでドラッグレースを楽しむクルマ好きが増え、メーカーも多くのマッスルカーを市販するように。

そんな文化の裏側で、自転車にも当時の文化を反映させたモデルが生まれる。それがクルーザーで、チョッパーのようなアップハンドルに、バナナシート、なかにはクルマのようなシフトノブを付けて変速ができる仕様など、当時のモーターカルチャーの要素を自転車にも応用したアメリカ独自の自転車が生まれた。

さらにアメリカではダートトラックを使ったモーターサイクルレースも台頭し、子どもたちはクルーザーを駆って、大人のようにダートトラックを自転車で競うイベントも開催されるように。やがてクルーザーも、街乗りから走る場所がダートトラックに変わり、後にBMXと呼ばれる自転車へと進化していくのである。

つまりクルーザーはBMXの祖先だったわけだ。1960~1970年代、当時のアメリカ文化とともに独自の進化を遂げたのがこのカテゴリー。今ではそんな黎明期のクルーザーやBMXには多くのコレクターが存在し、モデルやコンディションによってはかなりのプライスになっているモデルも。

ヴィンテージの自転車には現行モデルにはない「おおらかさ」や、当時ならではのアイデアを詰め込んだディテールが多数見られ、旧きよき自転車メーカーの当時の試行錯誤が見え隠れする。それこそが、ヴィンテージ自転車のおもしろさなのだ。

そんななからら数台をピックアップ。

旧きよきアメリカンチャリの沼にハマッてみるのも実におもしろい。

1966 Schwinn Sting-Ray Fastback

シルバーラメのバナナシートやセンターにクルマのようなシフトノブによる変速機(スティックシフト)を搭載した5段変速になるシュウインのファストバック。鮮やかなパープルのカラーが時代感を教えてくれる。売約済み

1970s Huffy Trophy CS

シュウインほどメジャーではないけれど、当時多くのクルーザーを販売していたHuffyのトロフィ。使用感があるのはヴィンテージならではの味わい。チェーンカバーに当時のファニーカーのシルエットがプリントされているところがクルマ好きも気になる部分。価格要問い合わせ

1978 Schwinn Hornet BMX

クルーザーと現代BMXの過渡期を思わせるフォルムのシュウイン・ホーネット。タックアンドロールのシートが付くリアのステーにはショックアブソーバーが付いている。バイクのようなダミータンクも当時ならではのデザイン。12万円

1979 Schwinn Sting-Ray

前後20インチの小径ホイールに、バナナシートやチョッパーハンドルというアメリカンクルーザーでもメジャーなシュウインのスティングレイ。スターメーアーチャーの変速機を搭載している。グリーンxイエローはレアカラー。30万円

1980s Schwinn Scrambler Phantom

1980年代になると現代BMXのスタイルが確立。それでも初期BMXには多くのコレクターがいるからおもしろい。これはホイールがスポークタイプに換装されている。ブランドロゴなどがブロック体になっているところも時代感がある。15万円

1990s Schwinn Scrambler

リアのフレームが急角度で曲げられているのが特徴的なシュウインのBMX。フレームはクロモリ仕様という本格派。モノトーンのカラーは現代でも通用するカラーリングである。フロントフェンダーに入るレーシングストライプが実にアメリカン。18万円

【取材協力】
J-motors
https://www.instagram.com/j_motors_sehoji/

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

Lightning, CLUTCH Magazine, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

ランボルギーニ三浦

Lightning

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

めぐミルク

Lightning

手仕事大好きDIY女子

めぐミルク

イスカンダル功

Lightning

街乗り車輪系

イスカンダル功

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

20代断然革靴派

パピー高野

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

サカサモト

Lightning 編集部

Lightning

アメリカンカルチャーマガジン

Lightning 編集部

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

ThunderVolt 編集部

ThunderVolt

デジタル系WEBメディア

ThunderVolt 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

昭和40年男編集部

Dig-it

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男編集部