眺めるだけでなく、独特の吹け上がりや音も楽しみな1台。
「昔からモーターサイクルカルチャーが大好きで、いつかはハーレーに乗ろうと夢見ていました。そんな話を幼馴染と語り合った時に、『20代でハーレーのナックルヘッドに乗っている人はほとんどいないから、どうせならそれを目標にしよう!』ということになったんです」
そう語るのは、東京のモーターサイクルシーンを象徴するブランドのひとつであるトロフィークロージングのスタッフを務める河野さん。
「ナックルヘッドは、高額ですし、なかなか手の出る代物ではありませんでした。いろんな巡り合いがあり、尊敬するバイクショップの『ハンカー』や友人たちの協力もあって、26歳の時に、この1942年製のEを手にすることができたんです」
29歳という若さで、チョッパースタイルのナックルに乗る注目の若手バイカー。自宅から離れた共同ガレージに保管するなど、宝物のように大切に扱ういっぽうで、その走行距離は年間で1万キロを超えるというから驚きだ。
「ナックルをそんなに走らせるのは珍しいってよく言われます。眺めているだけでも楽しい存在ではありますが、自分の性分としては乗ってなんぼと言いますか。ナックル独特の吹け上がりや音が大好きなんです。信頼しているメカニックの方のおかげもあり、街乗りからロングツーリングまでこなせる1台に仕上がっています。たまに壊れるのも楽しいですよ(笑)」
1942 HARLEY-DAVIDSON E
ハーレー初のOHVエンジンである通称ナックルヘッドは、1936年から’47年まで生産。この個体は第二次世界大戦時に生産された数少ない1台。オリジナルのウィッシュボーンフレームを用いたチョッパースタイルである。
チョッパーらしくシッシバーを装着し、リアフェンダーは限界ギリギリまで攻めたクリアランスにこだわっている。電飾系は12Vに換装した。
愛用しているヘルメットは、ノマドクロージングのサードストリートというモデル。’50年代のマックホールをイメージし、軽量に仕上げた。
愛用している時計は、バンドが伸縮性のあるジャバラとなったトロフィークロージングのオリジナル。小振りなサイズ感が際立つ。
1942年製のナックルヘッドに、’50年代のオリジナルのウィッシュボーンフレームを組み合わせたチョッパースタイルが個性的な仕上がりに。
バックルバックやワイドシルエットなど、ワークウエアの意匠を用いたナチュラルダックのトロフィークロージングの定番モデル1804N
トロフィークロージングのスタンダードモデルである1605。オーバーサイズを選び、サスペンダーボタンをカスタムした個性的な仕様だ。
【DATA】
TROPHY GENERAL STORE
東京都渋谷区東2-22-10
TEL03-6805-1348
営業/12:00~19:00
http://trophy.shop-pro.jp/
(出典/「Lightning2023年8月号 Vol.352」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/S.Ohmura 大村聡 取材協力/ TROPHY GENERAL STORE TEL03-6805-1348
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