繊細な料理と酒をゆったり楽しむ町酒場。
日本で一番人気の住宅街・吉祥寺の隣駅、三鷹はぼくの地元に近い。かつては名画座も2館あって、中高時代は毎週のように自転車で通った。そんな時分から渋い飲み屋だなぁと、気にしていた店だ。
実際に入ったのは三十路をだいぶ過ぎた頃ではなかったか……。メニューのベースは焼きとんに煮込みだが、旬の刺身や野菜のおばんざいも多数扱う。リーズナブルな価格設定だがどれも逸品。ずっとシングルなので、そんな料理がつくづくありがたい。
ご主人の大澤伸雄さんは滅多に愛想も言わず、職人気質な印象だが、それも繊細さの裏返しだと料理でわかる。やわらかな紫イカの丸焼きなどを当てに、オリジナル芋焼酎をロックで飲んでいると、あっという間に空……。料理が得意だったという大澤さんの母上の味が、どの品にも潜んでいる。
繊細、新鮮、リーズナブルな「婆娑羅」メニュー。
季節を問わず大人気だというしめ鯖(700円)。
イモ焼酎3種をブレンドした「婆娑羅オリジナルブレンド(470円)」。
大沢さんのお母さんが家庭用として使っていたぬかで作った店の人気メニュー、 ぬか漬け。なんと80年以上継ぎ足しているというから驚き(450円)。
【DATA】
婆娑羅
東京都武蔵野市中町1-3-1 桜井ビル1F
TEL0422-54-1666
営業/17時~22時
休み/日曜・祝日
※値段など情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/別冊Lightning Vol.209「TOKYOノスタルジック横丁」)
Text/ R.Suzuki 鈴木隆祐 Y.Takeuchi 竹内佑騎 Photo/ A.Kuwayama 桑山章 Y.Amino 網野貴香
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