【上野・アメヤ横丁】トゥモローランド・川辺圭一郎さんが横丁に向かう理由。

いま、感度の高い業界人やクリエイターから密かに注目を集める場所、横丁。小綺麗で洒落たカフェではなく、なぜ彼らは猥雑な横丁へと足を運ぶのか。アメカジ好きには馴染みのある街、上野・アメ横。実は居酒屋の名店が軒を連ねる飲兵衛の聖地でもある。そこで、「トゥモローランド」プレスの川辺圭一郎さんとともに活気溢れる「アメ横ガード下飲食街」へ訪れた。

「トゥモローランド」プレス・川辺圭一郎さん|1989年生まれ、東京都出身。2012年にトゥモローランドに入社し、メンズのプレス業務を担当。カジュアルからドレスまで、品のある着こなしに定評がある

お酒の場で仲良くなれる人って仕事でも波長が合うことが多いんです。

老舗のアメカジショップ、スニーカーショップが立ち並ぶ上野・アメ横は、Lightning読者の方々にはお馴染みの場所だろう。その一方で、居酒屋の名店が多く軒を連ねる呑兵衛の聖地でもある。その中でもひと際活気を見せているのが、「アメ横ガード下飲食街」。ズラリと並んだ赤提灯が呑兵衛たちを中へと誘う。

「上野にはよく古着を買いに来ていたので土地勘はあります。昔ながらの純喫茶にハマっていた時は、コーヒーを飲んでからそのまま居酒屋に飲みに行ったり。やっぱり上野に来るとワクワクしてきますね」

そう語るのは、トゥモローランドでプレスを担当する川辺圭一郎さん。選んだお店は横丁の2にある「魚貝串と鮮魚屋台 焼き屋」。店名の通り、貝を殻ごと焼いて食べる壷焼きが名物だ。珍しいあかにし貝、真つぶ貝、サザエなどをじっくり焼き上げており、汁にはたっぷり旨みが凝縮されている。他にも産地直送の新鮮な魚介を使った贅沢な串焼きなど、酒飲みの琴線に触れるメニューがラインナップされている。

「小洒落たダイニングバーなんかはちょっとかしこまりすぎていて得意じゃありません。凝った料理もいいですが、わかりやすく美味しい居酒屋料理が僕は好きですね」

「どれも美味い! 最高ですね。ビールが進みます」と喉を鳴らす川辺さんは今年で34歳。若い人たちは昔に比べて酒を飲まなくなったと言われるが、川辺さんは酒の場が大好きなのだという。

「表参道の行きつけの居酒屋で同年代の仲間と定期的に飲み会を開いています。フォトグラファーやスタイリスト、PR会社の方など、職種はバラバラですが、やはり同年代ゆえか話しやすく、深い時間まで盛り上がってしまうこともよくあります。お酒の場で仲良くなれた人って、どこか波長が合うんでしょうね。それが縁で一緒に仕事をするようになった人もいます」

職場の人たちとの飲みの席もまた楽しいとのこと。

「遅くまで仕事をしていると、先輩に誘われたりして飲んで帰る流れになることが多いです。お酒が入ると普段、職場ではあまりできないような話をしたり、意外な情報を聞けたり、たくさん発見があって楽しいんです。仕事をするうえでもコミュニケーションが取りやすくなりますしね」

仕事仲間や仕事を通して出会う人たちは、新たなお店を開拓するための重要な情報源にもなる。

「飛び込みで入ったお店で失敗するのが嫌なので、オススメのお店を教えてもらってそこに行くことが多いですね。〝これは食べといた方がいい〟なんていうオススメメニューを聞くと、行ってみたくてしょうがなくなります」

「好き嫌いはなく、なんでも食べられます」という川辺さん。絶品の魚介料理をツマミにビールがど んどん進む。サイコロステーキやメンチカツなど肉料理も取り揃えるので飽きずに酒を楽しめる

最近ハマっているのは、祐天寺の居酒屋なのだとか。

「祐天寺には遅い時間まで営業している古着屋さんがあるんです。古着を物色してから居酒屋で一杯飲んで、それからまた古着屋さんに行ったりもします。お酒が入ってから古着を手に取ると、勢いづいてついつい衝動買いしてしまい、後悔することもあるんですけどね()

着実に独自の飲みのスタイルを確立していっている川辺さん。これからますます横丁の似合う素敵な呑兵衛になっていくことだろう。

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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