アメリカンルアーとトップウォーターフィッシングの原点を辿る旅。

日本で独自の発展を遂げたブラックバスのトップウォーターフィッシング。その原点を辿れば、すべてがアメリカンルアーに繋がっている。そしてさらなる発展もアメリカのスタイルを受け継いでいるのである。

「BASS POND」店主・松井友宏さん|日本におけるブラックバスのトップウォーターフィッシングを牽引。東京都目黒でトップウォーター専門店BASS PONDを経営するとともに、自らのオリジナルブランドB.P.Baitsを立ち上げ、独自のバスフィッシングギアを世に送り出している

一冊の本をきっかけに、アメリカンルアーにハマっていく。

少年時代、木曽川の河川敷でブラックバス釣りを始めた松井さんのバイブルとなったのが、日本のトップウォーターフィッシングの祖とも言える則弘祐氏の著書『ブラックバス釣りの楽しみ方』(昭和53年/産報出版)だった。

「当時でもワームの釣りっていうのはあったんですけど、則さんがこの本の中で紹介しているのがトップウォーターだったんですよ。当時は、今みたいに情報のない時代ですから、則さんが提唱する釣りが、僕らにとってバスフィッシングだった。それしか選択肢がなかったんですよ」

松井さんのバス釣りの原点『ブラックバス釣りの楽しみ方』

同書の中ではアメリカンルアーが紹介されており、それが松井少年の憧れになっていく。

「当時から日本製のルアーはあったんですが、言い方が悪いけどパクリもんばかり。やっぱりアメリカの本物が欲しいじゃないですか。でも、高かったんですよ。だから、お年玉で買うルアーの皮算用ばかりしていましたね」

そんな日本のバスフィッシング黎明期にどんどんトップウォーターフィッシングにのめり込んでいった松井さんは、今から27年前にトップウォーターフィッシング専門店『バスポンド』を開業する。

「まだオールドタックルというのが日本で注目されていない時代だったんですよ。開業に向けてアメリカから仕入れをすると、知らないルアーがどんどん入ってくる。本の中でしか見たことないような……。そうなると、根っこの部分が知りたくなっちゃうんですよ。その中で一番衝撃を受けたのがジム・ドナリーだったんです」

歴史を辿り原点を知りたい。男ならそんな探究心が少なからずあるもの。それが松井さんの場合はアメリカアンルアーだった。そこから独自のブランド『BPベイツ』もジム・ドナリーのルアーをインスパイアしたルアーの製作が始まった。

『ブラックバス釣りの楽しみ方』に載ったアメリカンルアーに憧れ、裏表紙には欲しいルアーを書き込んでいた

これがノイジールアーの原点だ。

ジャージーワウ[ ジム・ドナリー ]|100年経っても色褪せない元祖羽根モノ。

「羽根モノ」と呼ばれるルアーの元祖。1900年代初頭ジム・ドナリーによって開発された。引っぱると左右の羽根で交互に水を受けてクロールするように泳ぎ、バスを魅了する。

クレイジークローラー[ ヘドン ]|不滅の名作泳いでる姿がキュート♡。

ジム・ドナリーの死後、その機構の特許がへドン社に売却されて生まれたのがクレイジークローラー。1940年の発売以来、70年以上経った現在でもバス釣りをする者なら誰もが一度は手にする不滅のルアーだ。

エキスパート[ BPベイツ ]|進化しつつもオリジナルへの敬意溢れる逸品。

松井さんがレッドフィンフローターをインスパイアして製作したのがこのエキスパート。ピンポイントでの首振り性能など進化を見せつつも、レッドフィンフローターへの敬意が感じられるルアーだ。

スーパーフロッグ[ ハリソンフロッグ ]|見た目に似合わない実力者!

1970年代半ばに日本で生まれたストライクフロッグはハリソンのフロッグの影響を大きく受けたルアーである。中空ボディではなく重量があるため、5000番クラスの大型リールでも扱えるのが特徴だ。

ビッグバド[ ヘドン ]|日本のトーナメントでも大活躍の激釣ルアー。

バドワイザービールのノベルティグッズだったが、「実際に使えないものは作らない」というヘドン社のこだわりから激釣ルアーとなった。1975年の発売以来、廃れることなく人気ルアーの座に君臨している。

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Lightning 編集部
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