2ページ目 - アメリカンルアーとトップウォーターフィッシングの原点を辿る旅。

アメリカで見つけたカヤックのフィッシングスタイル。

年々厳しくなる日本のフィールド事情を考えると、カヤックはバスフィッシングの乗り物として最適だと言える

トップウォーターフィッシングを続けていく上で、アメリカをインスパイアし進化していったのはルアーだけではない。釣りのスタイルそのものも時代とともに変わってゆく。

「以前は、フロートチューブに乗って釣りをしていたんですよ。釣りをするフィールドも、野池など小規模なエリアが多かったので、小回りがきいてじっくりできるフロートチューブが、トップウォーターフィッシングにはちょうど良かったんです」

フロートチューブとは、浮き輪のような浮力体に乗り、足に装着したフィンで漕いで水面を移動するフィッシングツールである。しかし、日本のバス釣りを取り巻く環境が、釣りのスタイルそのものの変化を生んでいくこととなる。

「’90年代後半になると、ブラックバスが在来種を食べて日本本来の生態系を壊すなど、外来魚を排除する議論が盛んになってきた。そうなると、小規模な野池など釣りが禁止になるフィールドが増えたんですよ。状況的に大きな川やダム、湖などで釣りをするしかなくなっていったんです。

でも、それだとフロートチューブで移動するのは大変で……。そこで目をつけたのがアメリカではすでに釣りでも使用されることが多かったカヤックを使って釣りをするスタイルでした」

松井さんが、アメリカではバスフィッシングに多用されていたカヤックに目をつけたのは20年以上前。当時の日本でカヤックで釣りをする人はほとんどいなかった

バスフィッシングに対する風当たりが強くなる中、逞しくも松井さんのトップウォーターフィッシングは進化を遂げたのである。

カヤックの利点はなんといっても手軽さ。クルマから下ろせばそのままの服装で乗って、岸から打てないポイントに㊙ルアーを打ち込める。そしてこんなデカバスも!

トップウォーターフィッシングはカヤックを使うのが最高に面白い。

カヤックに乗り水面にルアーを走らせてブラックバスを釣る。写真を見ていると、実に優雅で楽しそうではあるが、始めるとなると少し敷居が高い気もする。

「それがそうでもないんですよ。手軽すぎて、これ以外の釣りができなくなりますよ(笑)。それこそ、このままの服装で行って、カートップしてあるカヤックを下ろして、乗ってすぐに釣りができますから。釣り場に着いて5分で水面に出られるんですよ」

カヤックというとその大きさが気になってしまうものだが、実際のところ自転車を置くほどのスペースがあれば保管できる。重量もシットインカヤックであれば18 ~ 20㎏ほどと軽い(シットオンは10㎏ほど重い)のでガレージの横やベランダの手すりなどに掛けておくことも可能だ
男性であれば、頭の上まで持ち上げてカートップすることも容易にできる

積み下ろしに関しても船体の重量が16㎏ほどと聞けば、大変ではないことが理解できるだろう。実際のところ、松井さんも軽々と頭の上に抱え上げ、店前まで運んで見せてくれた。ただ気になるのは安全性について。

「必ずライフジャケットを着用すしてください。あとは、天気予報を見て風の強さなどの状況から判断して決して無理に出ないこと。これを守っていれば、安全に楽しく釣りができます。仮に転覆してしまったとしても、トップウォーターフィッシングは岸の近くを釣るので、岸までカヤックを引っ張って少し泳げばいいから心配はいりません」

アメリカという原点を辿ってより楽しさを増したブラックバスのトップウォーターフィッシング。今後もアメリカをインスパイアしながらますます楽しさを増していきそうだ。

バスフィッシングの中でもトップウォーターフィッシングのギアを扱つかった専門店。アメリカンルアーをはじめとしたトップウォータールアー、そしてオールドタックルが所狭しと並べられている
目黒にある松井さんのお店「バスポンド」。お店に行くと可愛い看板犬・バーナビーが出迎えてくれる

【DATA】
BASS POND
東京都目黒区目黒本町3-6-19
TEL03-3711-5035
営業/12:00〜22:00
休み/火曜
https://www.basspond.co.jp

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

全16色! 10年以上のロングセラーを誇る「HEATH」の名作ネルシャツが超人気なワケ

  • 2026.09.30

秋冬のアメカジ服の定番、ネルシャツ。横浜のセレクトショップHEATHが手がけるオリジナルブランドBLUE PORTのネルシャツが10年以上のロングセラーを誇るとのことで、その人気の秘密に迫る。 【理由①】優れたコストパフォーマンス ディテールやシルエットにもこだわった高いクオリティに対して、なんと税...

今季ワードローブに加えたいアイテムを厳選紹介! 「EIGHT-G」で秋支度。

  • 2026.10.04

秋の装いが楽しくなる季節。ミリタリーやワークといったアメリカ由来の実用服をベースに、素材やディテールへこだわりを詰め込んだエイトジーの新作から今季のワードローブに加えたいアイテムをピックアップ。 (右)ジャケット110,000円(TMJ2615)、シャツ23,100円(8LS-81)、ジーンズ24,...

TRUE SWEATWEAR, MADE IN JAPAN. “未来のヴィンテージ”となる究極のスウェット。

  • 2026.09.29

スウェットやTシャツを中心に、高品質なプロダクトを創り続けるジャパンブランド「RIDING HIGH」。生地や糸より前の“綿”から開発するなど、徹底的なモノづくりの姿勢は国内外で高い評価を獲得している。そんな彼らが生み出すプロダクトは、すべてメイド・イン・ジャパンである。 [caption id="...

Pick Up おすすめ記事

本格派でコスパも優れる「Amber Threads」のライトアウターで秋を始めよう!

  • 2026.10.05

古着店「DOSTYLE」を運営する「ドラマ」が手がける気鋭のアメカジブランド「Amber Threads」。“トレンドとヴィンテージを融合したアメカジスタイル”を掲げる同ブランドはバリエーション豊かなライトアウターを展開する。ヴィンテージをベースとした本格派でありながらコストパフォーマンスにも優れる...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

全16色! 10年以上のロングセラーを誇る「HEATH」の名作ネルシャツが超人気なワケ

  • 2026.09.30

秋冬のアメカジ服の定番、ネルシャツ。横浜のセレクトショップHEATHが手がけるオリジナルブランドBLUE PORTのネルシャツが10年以上のロングセラーを誇るとのことで、その人気の秘密に迫る。 【理由①】優れたコストパフォーマンス ディテールやシルエットにもこだわった高いクオリティに対して、なんと税...