楽しいと思えることを追求したら、それが仕事にもつながった。
名神栗東ICとJR草津駅からも程近くにある倉庫街に佇むカフェレストラン「ザ・ハイダウェイ・ファクトリー」。
150坪という倉庫を改装した国内最大級の店舗の広さ、1920年代の禁酒法時代のアメリカの隠れ家酒場をイメージした内装、カジュアルなイタリアンベースのメニューなど「映え」要素満載でSNSを中心に話題を呼び、休日ともなると遠方からのお客さんで賑わう人気店だ。
訪れる人を非日常の世界へと誘ってくれる内装は、すべてオープン前は内装業など素人だったオーナー・森下直哉さんはじめスタッフによる手作りだそう。
「独立の時に借りられた融資でホットロッド(フォード・モデルB)を一括で買っちゃったんです。そしたらお金がなくなってしまって、それなら手作りしよかって。もちろん勉強することばかりでしたけど、内装もできるやんってなって、店舗デザインや内装の会社も立ち上げて。そうなると家具も扱うようになるし家具の輸入なんかも始めてそれも仕事になったりとか。
とりあえず僕は楽しいと思えることならできるかどうかは考えずにどんどん始めていって、困ったら周りの人たちに助けてもらいながら形にしていくと、またやりたいことが見つかってくるかなって。僕はこれをずっとしたいと言うのがないんですよ。だから周りは大変やと思いますけどね(笑)」
”カッコいいモノ” を組み合わせて作ったオリジナル空間。
改装時は内装経験ゼロだった森下さん。「自分が “カッコイイ” と思った海外の空間のエッセンスや家具を組み合わせて作りました」
様々なスタイルのヴィンテージソファが使用されている。テーブルは自作だが、本物を並べておくことでリアルな雰囲気を演出。
看板もアンティーク加工。現在はこうした看板作りなども仕事で請け負っているという。
最近スタンダードとなったチョークアートもヴィンテージライクな空間作りに一役買っている。
全体の雰囲気に統一感をもたらすようインテリアとして並べられている小物たちにも気が配られている。
元々家具好きの森下さん。
「基本的に何かで使えるやろって感じでクルマも家具も考えずに買っちゃいますね。いつか家具屋もやりたいですね」
貴重なホットロッドをコレクションを拝見。
左から’53シボレーベルエア(’22ホットロッドショウ出展)、’35シボレー4ドアセダン、レストア予定の’22フォード、レンタカーとしても貸し出ししていたが最近買い手がついた’35フォード。
「そこまで詳しくないけど堀口さんとか任せられる人もいるんで、とりあえず台数集めようかなと。同世代でいちばん台数を所有しようと思ってます」
こちらはエンジンから外装までほぼオリジナル状態の1923年フォードモデルT。
「手でエンジンをかけてみたくて買いました(笑)。ただ、遅すぎるのでこれにジムニーのエンジン乗せよかなと。それの方が毎日乗れるし面白いかなと思って。好きですけどオリジナルにこだわるとかはないので」
森下さんのクルマをケアするのはアメリカ車・ホットロッド専門店「ハイストローク」(滋賀県大津市)の堀口さん(写真左)。
「スタッフや周りの人たちにはホンマに恵まれてると思いますね」
こちらは京都市内にある事務所兼倉庫。300坪という広大な敷地にある倉庫にはこちらにも自身のホットロッドやスタッフのアメリカ車が停まるほか、内装業から派生して集め始めたという輸入家具やアンティークの建材がぎっしり。
図面は一切描かず、作りながら浮かぶアイデアを具現化させる。
倉庫の一角にあるフリースペース。図面は描かずに作りながら思いつくアイデアを具現化させていく。
「図面があるとその通りにしないといけなくなるからキライなんです」
こちらも倉庫一角のフリースペース。海外のオシャレなカフェなどを参考にアイデアを組み合わせていくという。
こちらは草津駅近にある姉妹店「THE HIDEAWAY WARDROBE」。よりラグジュアリーで隠れ家感のあるイタリアンバル。もちろん全てD.I.Y。
【問い合わせ】
THE HIDEAWAY FACTORY
TEL050-5487-1249
https://thehideawayfactory.gorp.jp
(出典/「Lightning2023年3月号 Vol.347」)
Text/M.Terano 寺野正樹 Photo/M.Kato 加藤政憲
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