本場アメリカのホットロッダーたちは、たった3時間開催のイベントにも集まってくる。【現地レポート】

  • 2023.02.21  2022.12.16

アメリカでもホットロッドカルチャーが色濃く受け継がれているのが西海岸。乾いた空気と暖かい気候はヴィンテージカーには最適のエリアだ。そんなカリフォルニアで戦後すぐに生まれた、いわゆるトラディショナルなスタイルのホットロッドだけを集めたイベントが開催された。そこに集まるマシンたちに、アメリカのクルマ好きのコアな一面を見ることができる。

リヨン航空博物館の前は滑走路で開催される「HOT RODS ON THE TARMAC」

会場となったリヨン航空博物館の前は滑走路。格納庫にある博物館には第二次大戦で使われていた戦闘機や輸送機が展示され、そこにホットロッドが並ぶ

ホットロッドのなかでもとくにコアなファンが多いトラディショナルなスタイル。ベースとなるクルマはもとより、中にはカスタムするパーツまでも当時のヴィンテージパーツを全米中から探してくるなど、その情熱とこだわりは折り紙付き。そんな連中が集まるイベントがカリフォルニアはオレンジカウンティのジョン・ウェイン空港にあるリヨン航空博物館で開催された。

ここは第二次大戦で使われた戦闘機の実機を中心にハンガー(飛行機の格納庫)に展示される場所で、ホットロッド文化が生まれた戦後になぞらえて、当時の飛行機と、ノスタルジックなスタイルのホットロッドを同時展示するという、いかにもアメリカらしいイベント。普段は開けられることがないハンガーを全開にして、その前にホットロッドが並ぶ姿は圧巻。イベントの開催は会場の都合でたった3時間という短いものだったが、それでも多くの愛好家が自慢のマシンをここに持ち込んで、会場はノスタルジックな空間へと変貌。そのほとんどが自走やってくるから恐れ入る。

エンジンがむき出しになっているのは心臓部を自慢したいわけではなく、軽量化でエンジンフードを付けないから。これも昔ながらのスタイルだ

「クラシックカーでも走らせなければ意味が無い。しかも現代車両をも凌駕するスピードで」というホットロッド愛好家の情熱は、多くを語るよりも、咆哮するV8エンジンのサウンドが教えてくれる。旧きよき文化やプロダクツを愛する人たちの情熱は、こうして次の世代に受け継がれていく。

集まったホットロッドは戦前のモデルをベースにしたトラディショナルなスタイルの車両ばかり。ここまで時代背景にこだわるイベントは珍しい
イベント参加車両のほとんどが自走でやってきて、3時間ほどイベントを楽しんだら自走で帰路につく。滑走路を走ることができるだけでもかなりの醍醐味。第二次大戦期の飛行機たちをバックにまた来年の再会を誓う。こうして文化が継承されていく

会場で見かけた、気になるホットロッドを紹介!

ルーフが完全に作り直されている1939年式リンカーン・ゼファー。大人っぽく低くするため、チョップではなく新造され、フロントのウインドシールドは2ピース化。仕上がりが完璧すぎてこれがノーマルかと思うほどだ。

オリジナルのスタイルを残したままエンジンは怪力仕様になった’40年式フォード・コンバーチブル。’40年式フォードは’32年式に次ぐホットロッドの定番ベース車両として人気。オリジナル重視のスタイルも雰囲気あり。

大胆にルーフをチョップして低いスタイルを手に入れた’37年式フォード。個性的なティアドロップ型のヘッドライトはこれが純正。戦前のフォードに見ることができる手の込んだデザインはそのまま活かすのが正解である。

’32年式フォード・ロードスターをベースにフェンダーをチョップしたベーシックなホットロッド。いわゆるトラディショナルなホットロッドといえばこういうスタイルが思い浮かぶほど正しい姿。

’40〜’60年代にレースに出ていた車両で、東海岸の博物館に展示されていたという’40年式フォードを所有するクレイグ。レースに出ていただけに、心臓部は当時からマーキュリー製のフラットヘッドに換装済み。

イベントのキュレーターだったオールドクロウ・スピードショップのボビーはビュイックのエンジンに換装した’31年式フォード・ロードスターを持ち込む。

ホットロッドのベース車両としてはフォードが一般的だけど、少数派といえご覧のシボレーベースも存在。これは’33年式シボレーのクーペ。この時代のシボレーはV8ではなく直6エンジンが主流だった。

2トーンペイントで見た目も華やかに仕上げている’36年式フォード・クーペをベースにした1台。低い車体とむき出しのエンジンで戦闘的なスタイルに。ホイールキャップは’57年式キャデラックから流用している。

フォードの上位ブランドであるマーキュリーをベースにするホットロッドも存在。これは’40年式をベースに当たり前のようにチョトップされている。心臓部はマーキュリー製のフラットヘッドを積む。

1951年にトムとフェリックス親子がビルドしたフォルナチャーリ・アダムス・レイクスターはエルミラージュのスピードトライアルにも出場していた歴史あるベリータンク。こちらが現オーナーのエド。

(出典/「Lightning2022年11月号 Vol.343」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部