福岡・糸島近郊にある、捨てられてしまう素材だけを扱う専門店。

  • 2022.07.10

福岡県・糸島の近くの港町に、ひっそりとたたずむお店。工場で出た端材やデッドストックなど“素材” を扱うマテリアルマーケットを訪れた。

久保哲也さん、睦さん

店を開けるのは毎週土曜日のみ。プロダクトデザイナーの久保さんとグラフィックデザイナーの奥さまが毎週店頭に立ち、素材のストーリーを聞かせてくれる。

廃材を売りたい人と欲しい人を繋げるコディネーターになりたい。

店内には様々な素材が陳列されている。そのどれもが説明をしても らわないと何かわからないものばかり。「かなり長時間素材を眺めている人も多いんです。何に使おうか考えているんでしょうね」

福岡県・糸島はいま、密かに若者が集まる人気エリア。その先の西浦岬に向かってクルマを走らせると小さな港町に入る。マテリアルマーケットはこの町にある。

直訳すると「素材の市場」という名の通り、工場や工房などモノ作りの現場から出た廃材や端材、デッドストックを集めたセレクトショップで、普段我々が目にすることがない珍しいものを廃材ではなく“素材”として販売している。

長い間空き家だった倉庫をDIYで作った店内。決して広くはないけれど手作り感があり、開放的でとても落ち着く空間だ

マテリアルマーケットは福岡市が行った産学官民のプロジェクトをベースに、福岡を拠点にするクリエイターたちが起ち上げた。

「隠れた資源をデザインする」をテーマにしたことで廃材や端材について知ったそうだ。

久保さんいわく、「プロジェクトは終了したのですが、リサーチをするといろいろなものが廃棄されている。そんな廃材などを集めてイベントに出展したりしていました。この店をオープンしたのが2年前です」

中央に掛けられている布の端っこ部分(カットされてしまう部分)が左側に掛けられた糸状になったもの。黒や赤の糸の中に少し他の糸が混じっている状態

イベントに出展すると横のつながりができて、どこどこにこんな廃材があるといった情報が得られる。そして実際に足を運び、素材について話を聞き、同じことをお客さんにもストーリーとして話すそうだ。お客さんと会話することで、自分たちが想定していなかった使い方を教えてもらったり、その情報を次のお客さんに伝えていたりすることもあるという。

「私たちはモノ作りに携わるデザイナーでもあります。まず第一段階として廃材を素材として扱うようにしたい。次に廃材が出ないモノ作りやデザインをする。そして廃材が出てしまうモノ作りになったとき、マテリアルマーケットがその廃材を買い取るという仕組みを作りたいんです。店も全国の人たちにやって欲しいです」

木材をカットしたときに出る端材の丸太。インテリアやディスプレイ什器として購入される方が多い
家具工場などから出た木の端材。高級木材の端材も

実はコレが売れているんです。

糸巻きコーン

糸が巻かれていた紙の芯。実はこれが一番売れているのだとか。一輪差しにしてもいいし、腕時計やバングルなどのアクセサリーをディスプレイしてもおしゃれ。110円

ヒノキコマ

ヒノキの枝から作られたものです、家具などの節埋め材として使われるコマ。ヒノキの香りが漂い芳香剤として置いておくだけでもいい。お風呂に入れればヒノキ風呂風に。550円

ハマ

陶磁器を焼くときに使われる焼き台で、器の数だけ作られるのだが、使ったら捨てられてしまうもの。小ぶりの器のようなカタチなので、小物入れなどに使ってもいい。440円

【DATA】
MATERIAL Market
福岡県福岡市西区大字西浦1078-41
営業/10:00~17:00(土曜日のみ営業)
https://www.material-market.com

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2022年5月号 Vol.337」)

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