リベット留めしたオーバーフェンダーに、排気量をアップしたL型エンジンチューンが日本のZカスタムの定番スタイル。だがV8大好きなアメリカ人は、フェアレディZにも躊躇なくV8エンジンにスワップ。アメリカ人ならではの発想で作られた、モアパワー&モアトルクを追求した過激なZの数々を紹介する。
心臓はV8エンジン過激すぎるアメリカンZ。[1971 Fairlady 240Z SUPERCHAGER]
ハコスカやケンメリ、S30型フェアレディZといった旧車と呼ばれるクルマのエンジンを現代のものに換装し、オートエアコンやパワーステアリングを装備。それこそ東京から名古屋という距離を休憩なしで快適に、そして安全にドライブができる旧車を数多く手掛けてきたロッキーオート。

そんな同社が所有するクルマの中に、なんだかとんでもない1台を発見! ロッキーオートの渡辺社長に伺うと、このクルマはロッキーが提携しているアメリカのファクトリーが製作したもの。5700㏄のV8エンジンにスーパーチャージャーを搭載し、その派手な外装からきっとショーカーかドラッグ専用のクルマかと思いきや、この状態で公認を取得。つまりこれに乗ってコンビニにコーヒーを買いにいくこともできるというわけだ。

それを渡辺社長に伝えると、日本の公道用に各部に手を加えて熱対策もしているが、渋滞などを考えると普段使いはちょっと難しいとのこと。うーん、残念! でもロッキーオートではこのクルマ以外にもV8を搭載したZを多数在庫しており、日常使いができるものある。
アメリカ車のV8が好きだけど、日本の旧車にも乗りたい…… そんな人にピッタリのV8Z。乗るのに必要なのはお金よりも度胸かも!?






過激仕様と快適仕様、好みに応じて選べる2台を紹介!
1.カルフォルニアイエローのストリートドラッガー。[1971 Fairlady 240Z]
アメリカのファクトリーのオーナーが個人的に製作したV8搭載のZ。エンジンはドライサンプ方式にするなどフルチューニングを行い、ミッションも5速化。NOSシステムも搭載するなど完全にストリートドラッグ仕様。こちらも公認取得済みなので、ナンバーを付けて公道をドライブすることが可能だ。




2.買い物から通勤まで、普段使いもOK![1973 Fairlady 240Z]
買い物や通勤に使いたい! そんな人にお勧めのV8搭載Zがこちら。5300㏄のGM LS327アルミブロック&ヘッドとT56の6速ミッションの組み合わせ。フェンダーミラーやワタナベのホイールで、一見するとシンプルな国産旧車カスタム風なのもポイント。スピーカーとウーハー付きで街乗りも楽しめる。




V8搭載Zを試乗してみました! アクセルを踏み込むには
度胸が必要!
エンジンはコルベットLS1で排気量は5700㏄。エンジンに少し手を入れた、ちょっとヤンチャなV8搭載Zに試乗してみた。
左ハンドルのため、乗り慣れていない人には違和感があるかもしれないが、そこは慣れ。クラッチはかなり重めだが、強烈なトルクで足をペダルからゆっくり離すだけで走り出していく。重たいクラッチを別にすれば、その乗り味は快適そのもの。アクセルを踏み込む勇気はないので、少しずつペダルに力をいれていくと、下からモリモリと湧き出るトルクでクルマが力強く押されていく。ブ厚いトルクに軽い車体。これが楽しくないはずがない!
ただし、すぐに法定速度を超えてしまうので踏めるシチュエーションが限られてしまうのが残念なところ。そこで提案するのが早朝の高速道路。V8サウンドを堪能しながらそこそこのペースでクルージング……なんていうのが最高に気持ちいいんじゃないかな!



【問い合わせ】
ロッキーオート
TEL0564-66-5488
(出典/「Lightning 2021年6月号 Vol.326」)