ハワイのローカルスイーツ、マラサダドーナッツのキッチンカー「1970 CHEVROLET P-10」。

アメリカ好きならば、仕事の相棒にもアメリカを求めるのは当然のこと。そこで仕事で活躍するアメリカ車とそのオーナーを紹介。ヴィンテージのアメリカ車と一緒に働く、楽しい日常に迫ります!

初めて訪れたアメリカで、カッコよく早朝のフリーウエイを疾走する働くクルマに心ときめいた人も多いはず。そこで今回は日本であまり見かけることのない、アメリカのヴィンテージワークホースを仕事の相棒にしている人を紹介しよう。

笑顔でハワイアンスイーツを販売中!

寸詰まりのスクエアなボディがキュートなシボレーP10というデリバリーカー。これでハワイのスイーツを販売するフードトラックとして活用しているマウナラニの小林さん夫妻。

新婚旅行で訪れたハワイで食べ歩きをした際に某有名店で食べた地元のローカルスイーツであるマラサダドーナツの味に惚れ込み、再現してみたのがきっかけだった。

腹ペコさんにはたまりません!

「でも最初は作り方すらわからなくって、サーターアンダギーみたいになっちゃって(笑)。湿度や温度などが影響するため、季節によって発酵時間を変えたりする必要があるんです。ノウハウが蓄積されて、安定して美味しいドーナツが作れるようになるまでは大変でした」と淳さん。

こうしてこのドーナツをイベントなどで販売できれば、と今から9年ほど前にこのP10を購入し、DIYで内装などを仕上げて移動販売をスタートしたのだ。

マラサダドーナツは、揚げたドーナツに粉砂糖をまぶし、カスタードやキャラメルなどのクリームを挟んだハワイでは定番のローカルスイーツ。車内で揚げたできたてで、価格も1個150〜200円とリーズナブル。トロピカルドリンクとの相性もバツグン!
基本的には側面のハッチを開いた状態で営業し、車内から販売するスタイル。お昼時などは行列ができてしまうことも

P10はアメリカでは近距離デリバリー用に開発された車両で、Pシリーズの中ではもっとも全長が短いモデルだ。そのため全長はおおよそ4.2m程度しかない。ドライブトレーンは同じシボレーのピックアップC10をベースとしており、直列6気筒の292ciエンジンと、3速オートマチックを搭載している。V8エンジンよりは若干非力だが、今でも現役でしっかりと走ってくれるそうだ。

車体後部は運転席からも移動できるが、後部のドアから乗り降りが可能。車内には冷蔵庫のほか、ドーナツを揚げる大きなフライヤーを搭載。さらに車体側面が大きく開くようになっているため、店内で調理し、販売することが可能となっている。

マウナラニは静岡と愛知を中心に各地のイベントに出店しているほか、地元のコーヒーショップに毎週木曜日に出店中。本場ハワイのスイーツを是非とも味わってほしい!

マウナラニではマラサダドーナツのほか、コナコーヒーやハワイのクラフトビールなどをイベントの内容に合わせて提供している

雰囲気バツグンの見た目でフードトラックとしても大人気! 車両を拝見!

アメリカでは近距離のデリバリー用車両として活躍しているシボレーのP10は、その寸詰りのかわいいスタイルでファンも多い。現役引退後も多くはフードトラックなどに改造され、活躍している個体も多いという。シャシーはC10と共通で、直列6気筒に3速ATの組み合わせ。全長約4.2m、全幅は約1.9mと日本でも無理なく乗れるサイズながら、スクエアなボディなので、車内は想像以上に広い。オーニングの設置や内装のコンバートは功明さん自ら行い、使い勝手も良好だそう。

一般的な乗用車とはかなり異なる運転席。ダッシュの奥に見えるボックス内にエンジンが入っている。

オーディオは天井に設置。

キッチンや棚の造作は、本業が大工というご主人功明さんのDIY。進行方向右側がカウンターとディスプレイ棚で、左側がキッチンとなる。

揚げ物をするので水平出しは重要。出店の様子も拝見!

出店場所に着いたら、まずは車体の水平を出す。これは揚げ物をするために必要な作業。

その他看板やハワイ州旗、黒板に書かれたメニューなどを設置していく。同時に車内ではフライヤーを作動し、油を加熱するなど調理の準備も行われる。

【DATA】
MAUNA LANI
週末にはイベントなどに出店する他、毎週木曜には地元静岡県菊川市のniconico25COFFEEに出店。出店情報はSNSをチェック!
Instagram:@maunalani.jun

(出典/「Lightning 2021年6月号 Vol.326」)