バイクメーカーが作るヴィンテージ自転車の魅力と市場価値とは?

ヴィンテージシーンの中でも常に一定の人気を誇る自転車。そのなかでも一部の愛好家に愛されるのがバイクメーカーが手掛けた自転車だ。自転車好きはもちろん、バイク好きにとってもたまらないコアな世界を覗いてみよう。

教えていただいたのはこの方・・・「イノセント」

年に数回、英国を中心にヨーロッパ各地で直接買い付けしたトランクをメインに、自転車、家具、雑貨、古着などを販売するヴィンテージショップ。自転車も今回紹介したバイクメーカーモノ以外に、モールトンのF型フレームなども在庫豊富。お宝満載で英国、ヨーロッパモノのヴィンテージ好きは必見。

【DATA】
イノセント
東京都練馬区貫井4-14-18
TEL070-5078-2457
営業/12:00〜20:00(アポイント制)
http://innocent-vintage.com/

本場英国やフランスではバイクメーカーの手がけたヴィンテージ自転車は愛好家の間で人気。

トライアンフ、ロイヤルエンフィールド、BSA、サンビーム、プジョー。乗り物好きが多い本誌読者のみなさんなら、これらの名前を聞けば「通好みのバイクメーカーね」と察しがつくだろう。BSAとサンビームは現存しないものの、いずれも’70年代頃までは、現在でも乗り物好きから人気の高いバイクやクルマを手がけていたメーカーとして知られる。だが、これらのメーカーが自転車も手がけていたことを知る人は多くないのではないだろうか。

自転車が先かバイクが先かというのはメーカーによって違いはあるが、いずれも、1900年代初頭からレース用、街乗り用の自転車を多数製作。日本では知名度も高くないため、流通量はそれほど多くないが、本場英国やフランスではバイクメーカーの手がけたヴィンテージ自転車は愛好家の間で人気が高いという。年式も旧く(〜’60年代)、状態のいいモノだと値段はそれなりにするが、’70年代以降のものだと6万円代からでも入手可能。

基本的な作りは昔から同じなので、修理が必要でもパーツ類は現行品の流用も可能だし、お飾りのコレクションというだけでなく十分実用品として使用可能。自分でメンテを楽しみたい人には最適だ。ヴィンテージ自転車好きでなくとも、これらのメーカーのバイクに乗っている人ならばぜひともチェックしておきたいジャンルだ。

バイクメーカーのヴィンテージ自転車の市場価値を知る!

旧いものだと1930年代のモノもあるが、市場に流通するのは1950〜1970年代製が中心。年代が旧く保存状態がいいものだと50万円を超えるようなお宝もあるが、手頃なもので5万円代、保管状態がいいもので10万円代後半と比較的入手しやすい価格帯が多い。

サンビーム/ロイヤルロードレーサー(年代不詳)

1877年創業でクルマやバイクより以前から自転車製造手がけていたサンビームのヴィンテージロードレーサー。年代は不明だが英国のコレクターの元で保管されていたミントコンディションの超希少品。63万8000円

BSA/ゴールドクレスト(1960年代)

現存はしていないが、一時期は世界最大のオートバイメーカーとして世界に名を轟かせたBSA。スタンダードなレーシースタイル。フレームの繋ぎ目の装飾や肉抜きのロゴ入りペダルなど見所満載の作り。16万5000円

サンビーム/名称不明(1957年製)

フロントはプッシュロッド式のブレーキで、リアは現在と同じハブブレーキシステムを搭載したシティサイクル。フロントにはスミスのスピードメーターが後付けされている。シートチューブ60㎝と大きめ。19万8000円

トライアンフ/Jack of clubs(1969年製)

ロードレーサーをベースとしたシティサイクル。立体的なロゴマーク、チューブの接合部のデザインやフロントフォーク上部にはトライアンフの「T」を型抜きした装飾など、高級車に見られる作りが随所に。13万2000円

BSA/名称不明(1958年製)

BSAのシティサイクルスタイル。BSAの文字をあしらったチェーンスプロケットやリアのエンブレムをかたどったテールリフレクターなどこだわった作り。落ち着いたブリティッシュグリーンがシックな印象。16万5000円

トライアンフ/トラフィックマスター(1979年製)

英国の大手自転車ブランド・ラレーに吸収された後に作られたトライアンフブランドのシティサイクル。アメリカ市場向けに作られたモデルで時代的にも大量生産時代に入ってるためパーツ類はシンプル。5万5000円

トライアンフ/トラフィックマスター(1978年製)

メーカーはトライアンフだが、当時アメリカで人気だったBMXやチョッパースタイルを意識したアメリカンなカラーリングとスタイル。フレームが真ん中から分割できる折りたたみ式の小径モデル。8万8000円

プジョー/名称不明(年代不明)

今回登場するなかで唯一のフランス車。定番のダイヤモンド型ではないフレーム形状とパステル調の明るいグリーンが特徴的。リーズナブルだがシフターやリヤフェンダーステーボルトなど一部修理が必要。5万5000円

ロイヤルエンフィールド/名称不明(年代不明)

現存するバイクブランドで世界で最も旧い英国発祥のバイクメーカー。現在もインドで生産されている。美しい曲線を描くフレーム、プッシュロッド式のブレーキや、肉抜きのチェーンスプロケットなど凝った作り。11万円

ラッジ/名称不明(1940年製)

1894年に英国で生まれて、1924年には4バルブ式燃焼室を採用した最初のモデルを出すなど、知名度は低いが歴史的なメーカーであるラッジが手がけた自転車。流通量も多くないが一部のファンには人気が高い。ASK

BSA/名称不明(1950年代後期)

BSA製のシティサイクル。前後ともにプッシュロッド式のブレーキ。当時は社外の変速機が多いなか、こちらはBSAオリジナルの変速機を採用。BSAの抜き文字チェーンスプロケットなど現在の街乗り用自転車と比べると豪華な作り。16万5000円

サンビーム/名称不明(年代不明)

正確な年代は不明だがプッシュロッド式のブレーキ、当時の定番だったフレーム形状から’50年代後半〜’60年代前半製と思われる。チェーン全体を覆うカバーはスカートを履いた女性でも乗ることができる作り。19万8000円

(出典/「Lightning 2020年8月号 Vol.316」)

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