1.【TONY’S PIZZA(トニーズピザ)】ニューヨークスタイルのパイオニア。|吉祥寺
東京・吉祥寺に日本におけるニューヨークスタイルピザの先駆者である名店がある。マスターの藤原さんは、1961年にジョン・F・ケネディの演説に影響され、ニューヨークで政治を学ぶも、翌年にケネディが暗殺されたショックで方向転換をしたという経歴を持つ。当時住んでいたアパートの1階にあったピザ店で修行し、1968年、代々木に最初の店をオープンした。
当時、イタリアンピザはあちこちで食べることができたが、薄生地のニューヨークスタイルはなかったという。日本人の口に合うよう改良を重ね、様々なチーズを試してようやくたどり着いたのが、現在の味だ。
生地を伸ばすとき打ち粉をするのが通常だが、ここでは一切していないため、薄生地なのに時間が経ってもモチモチ。そこに6〜7時間煮込んだトマトソースを薄く伸ばし、具材をたっぷりと載せる。ポイントは選び抜か
れた3種類のチーズだ。順番と量を間違えると、美味しさは半減してしまうという。
集中力と長年の経験が、50年以上も愛される理由なのだ。他とは一線を画すトニーズの味を一度味わってみて欲しい。
【DATA】
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-9
TEL0422-49-1021
営業/11:30~21:00
休み/月曜
2.【PIZZA SLICE(ピザスライス)】これぞニューヨーカーが愛するスライススタイル。
ニューヨーカーにとってのピザはハンバーガーと同様、ファストフードのひとつ。薄くて基本的にトッピングは少なめ、片手でも手軽に食べられるよう、1枚丸ごとではなく、スライスしてサーブするのがニューヨークスタイル。
ピザスライスは、20インチのピザを1/8にカットして1枚ずつサーブするというスタイルのピザ専門店。薄い生地にソースを塗り、トッピングとチーズを載せて焼く。生地とチーズの表面の焼きめのカリッという食感と、チーズの内側のとろりとした食感がバランスがいい。薄生地で重くないので、何枚でも食べてしまいたくなる美味しさだ。人気なのはチーズスライスとペパロニスライス。シンプルゆえに素材の味がしっかりと味わえるのが魅力。
ニューヨークだけでなくアメリカのストリートカルチャーではファッション感覚で食べられているニューヨークスタイルのピザ。ピザスライスのピザを食べながら、ニューヨーカー気分を味わってみてはいかが。
【DATA】
東京都渋谷区猿楽町1-3
TEL03-5428-5166
営業/11:30〜23:00
休み/不定休
http://store.united-arrows.co.jp/shop/hby/pizza/
3.【Devil Craft(デビルクラフト 自由が丘)】まるでパイのよう! インパクト大のシカゴピザ。
日本ではまだ認知度の低いシカゴピザ。アメリカ・シカゴのご当地グルメで、見た目はピザというよりパイといったところ。このシカゴピザを東京で初めて提供したのがデビルクラフトだ。
シカゴピザの特徴は、土手を作った生地の内側に、様々な具材をたっぷり入れて焼いていること。ニューヨークスタイルとは真逆の発想で、ナイフとフォークを使って食べるのがスタンダードだ。耳の生地が厚くなっているので、一見するとほとんどが生地なのでは? と思うかもしれないが、実は底面の生地は薄い。普通に切り分けると肉などの具材のほうが断然勝っている。
食べ方としては、耳を切り分けて、そこに具材を絡めるとバランスよく食べられるはずだ。じっくり煮込んだトマトソースは少し濃いめの味付け。そこにたっぷりのチーズが入れば、ビールと合わないわけがない。デビルクラフトは、自家製のクラフトビールも製造しており、他では飲めないビールを味わえるのもウリ。シカゴピザとクラフトビールのマリアージュをご堪能あれ。
【DATA】
東京都目黒区自由が丘2-12-18 ジェイパーク自由が丘
TEL03-5726-9072(予約はWeb予約にて)
営業/水〜金曜17:00〜22:30、土曜14:00〜22:30、日・祝日14:00〜21:30
休み/月・火曜
http://www.devilcraft.jp
アメリカに行かずしても味わえる本場のピザ。ぜひご堪能あれ!
(出典/「Lightning 2020年5月号 Vol.313」)
Text/M.Matsumoto 松本めぐみ Photo/S.Kai 甲斐俊一郎 A.Kuwayama 桑山章
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