旧型A-2デッキジャケットのデザインを継承する難燃性繊維のジャケット。
デッキジャケットとは、第二次世界大戦よりアメリカ海軍の艦艇乗員用として採用された防寒着のこと。その代表的なモデルとなるのは、’40年代に誕生した、表素材にジャングルクロスを使い、裏地には保温性に優れたアルパカとウールを混紡したボアパイルを使用するN-1デッキジャケットだ。
その後N-1デッキジャケットは’60年代初頭まで使われ、その後継モデルとしてA-2デッキジャケットが登場。それまでのカーキ(初期型はネイビーだったが)からオリーブカラーを採用し、さらに表地はジャングルクロスからバックサテン生地に変更。そして裏地はアルパカウールからナイロンボアに変わり、機能性をアップさせつつもコストダウンを図る処置が行われた。
A-2デッキジャケットは’80年代終わりまで長期間使われたが、その後継モデルとして難燃性繊維であるアラミドノーメックスを使い、火災等に対応させたアラミドデッキジャケットが新たに登場。このアラミドジャケットの正式名称は「Jacket,Cold Weather, Flame Resistant, CLASS1」と呼ばれ、’90年から’96年までの短期間だけ採用されていた。
デザイン面では旧型モデルであるA-2デッキジャケットのデザインを継承しているが、ボタン留めの前立てはベルクロ留めへと変更される。このシンプルな装いながらも高い機能性はまさにポストN-1&A-2デッキジャケットに相応しい存在。これからの冬シーズンの狙い目アイテムといえよう。
旧型モデルであるA-2 デッキジャケットのデザインを継承した「アラミドデッキジャケット」のディテールを拝見!
アラミドデッキジャケットとA-2デッキジャケットと並べるとよくわかるが、旧型モデルであるA-2デッキの意匠を、より簡略化させたようなデザインとなっている。
襟の裏側にはチンストラップを装備。 襟を立てて画像のように防寒性を高 めることができるのだ。
ジッパーの上からウインドフラップをベルクロで留める仕様だ。ジッパーはメタル素材のYKK製。
袖口は二重構造のインナーリブ仕様 となっているので、袖先からの冷気をシャットアウトし防寒性を高めた。
ウエスト部分に取り付けられたアジャスター。このディテールはA-2デッキジャケットと変わらない。
アラミドデッキジャケットのラベル。この個体は製造が’90年、コントラクターはTENNIER INDUSTRIES社。
アラミドデッキジャケットのボアライニングは、レーヨン65%、ウールパイル35%の混紡素材へと変わる。
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(出典/「Lightning 2019年2月号 Vol.298」)
Text/A.Shirasawa 白澤亜動 Photo/J.Arata アラタジュン Styling/T.Kaneda 金田太郎
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