「Schott(ショット)」のライダース“ワンスター”の何がスゴイ? デザインの変遷とサイズ感を徹底調査!

’50年代から基本的なデザインを変えずとも時代のトレンドを吸収しながら、今もなお進化を続けるSchott(ショット)・ワンスター。その普遍的な存在は誕生以来今までどの時代を切り取っても、ダブルライダースのスタンダードとして君臨し、常にライダースの基準値となっている。そんなライダースの永遠のスタンダード、ワンスターのスタイルやサイズ感をおさらいしておこう。

いつの時代もすべてのライダースの“基準値”。

ショット社の創業は1913年と旧く、アーヴィンとジャック・ショット、二人の兄弟によって設立された。’28年に『PERFECTO』シリーズをリリースし、そのフラッグシップモデルとして’50年代にはエポレットに星型スタッズを配したライダースジャケット、ワンスターを誕生させた。

それ以来ワンスターは基本的なデザインを変えずに今もなお歴史を刻み続けている。大切なのは、そしてその魅力を今から約60年前にすでにライダースのデザインを完成させていたことに終始させるべきではない。ワンスターは常に時代の空気感を取り入れ、進化しながらライダースのスタンダードとして君臨し続けているということだ。

逆に言えば、歴代のワンスターを見れば、その時代のライダースの主流の姿が読み取れると言っても過言ではない。そして、それはもちろん今でも変わらない。つまり、語弊を恐れずに言えば今のライダースを知るには、まずは今のワンスターを知ることから始めるべきだ。それが今のライダースの基準を知るということである。特にこれからライダースを着ようと思うのであれば、まずはワンスターに基準を置くことで、他のライダースを見たときに俯瞰で見られるはずだ。

ショット・ワンスターのスタイルの変遷をチェック!

そんな、すべての革ジャンの基準ともいえる存在の「ショット」の代表作「ワンスター」が、どのように時代に合わせて変遷してきたかを見ていく。

1950s

’53年公開の映画『乱暴者』の影響でダブルライダースが脚光を浴びた時代。バイクに乗ることを想定したショート丈のシルエットで素材はホースハイドが多かった。この時代の『PERFECTO』タグには馬のイラストが描かれる。今のライダースの基本的な形はこの時代に完成していたことがわかる。

1960s

’60年代のタグは通称黒タグに変更となり、牛のイラストが描かれた。世のライダースの主流もホースハイドからステアハイドへと移り変わっていた。ワンスターに関しては基本的なデザインは変わっていないが、ヴィンテージが残る数から考えても、黒タグになって生産数が増え、普及率が向上したことは明らか。

1970s

’70年代になりタグは通称“白タグ” へ。細みでやや丈が長いシルエットに変更になり、ラペルが極端に狭くなっていることからフロントを開けて着用するスタイルが根付いていたことが推測できる。ロックミュージシャンが多く着用し、ストリートにもライダースがファッションとして浸透していた。

コレがいまのライダースのスタンダード「Schott 613 UST ONESTAR TALL」。

いまどきのワンスターはかつてないほどスタイリッシュになってきているのがわかるのがこちら。『613 UST』は日本別注の『613 US』の基本的なデザインはそのままに、全体の着丈を約1インチ長くしたモデル。’70年代のワンスターを彷彿させるシルエットで、現代のストリートのトレンドに沿う形となった。13万2000円

黒を基調にしたタグや八角形のベルトバックルなどは’60年代のワンスターを感じさせるデザイン。

エポレットの星型スタッズは、発売当初からツメ式を守りつづけている。

前立ては’70sほどではないが細めに作られているのでフロントをオープンにして着用してもサマになる。かと言って防風効果を失うような細さではないのでファッション性と機能性を両立させる絶妙なバランスと言える。

自分にジャストのワンスターのサイズを知っていれば、すべての革ジャンの基準にできる。

日本の時刻の基準となる日本標準時子午線が明石にあるように、物事には何でも基準となるものがある。ライダースでいうそれがワンスターである。自分のワンスターのサイズを把握できれば、どんな革ジャンにも対応できる。ワンスターは最強の基準となりうるのだ。

今回は、革ジャンマスター・モヒカン小川を基準に実際のサイズを見ていこう。

モヒカン小川

【Data】
身長:173cm
体重:73kg サイズ:38

ライトニングのレザーラバー・モヒカン小川、48歳。酒のつまみは魚より革派。太すぎず細すぎずいわゆる中年男性の標準体型で、所有するライダースのサイズはほとんどが38

SIZE 36・・・▲「これが許されるのは20代の若者まで」

写真では一見ちょうどよく見えるが実際はパターもまともに打てないし、ラーメンもすすれないほどに締め付けられている。10〜20代の引き締まった肉体ならココから革を伸ばして自分の身体に合わせていくのもアリかもしれないが、40過ぎのオッサンがココで無理をするのはみっともない。

SIZE 38・・・◎「ベストサイズは経年変化も早い」

キヲツケをして胸・肩にややテンションがかかるこれくらいのサイズがちょうどイイ。ジャストサイズの革ジャンを着ているとアジが出やすいことも覚えておくべし。丈の長さは個人の好みによるところが大きいが個人的には閉めた時に裾がベルトにかかるくらいの長さがベストだ

SIZE 40・・・○「インナーに着込むモノによっては正解」

個人的には腹のゆとりや腕のもたつき、長さが少し気になるがミスサイズではない。俺は革ジャンの下に着る最も厚いインナーがスウェットだからこのゆとりは必要ないが、中に厚手のニットなどを着込みたい人や、乗車姿勢で手を前に出すバイク乗りならこれくらいのサイズ感はアリだろう

SIZE 42・・・×「インナーにJKTを着るつもりですか?」

最も若い女性にもてないのがこのサイズ感。この野暮ったさはもはや目も当てられない。インナーダウンではなくダウンジャケットを中に着られるサイズ。中に着込む心配をしてこうなっているなら、ジャストサイズの上にベストなどを羽織るレイヤードをいち早くマスターすることを勧める。

◆

いかがだったでしょうか? ショットのワンスターでジャストサイズを知っておけば、他の革ジャン選びの際にはそれを基準とすればいいので、かなり選択が楽になることだろう。それほどショットというブランドがライダースの基準たる存在であるのだ。

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(出典/「別冊Lightning Vol.220 革ジャンの教科書」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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