ただ流行のインダストリアルファニチャーを一般家庭にすんなり溶け込ませるのはなかなか難しい。もともと家庭用に作られたものではないため、店頭では映えるものも住宅では途端に無骨すぎたりサイズが大きすぎたり……。
そんななか、世田谷代田にあるシューズリペア&カスタムショップ「ブラス」の松浦さんは、絶妙なバランスでセンスあふれる空間を実現している一人。松浦さんの自宅を例に、上手に西海岸インテリアを採り入れるヒントを紹介する。
1.リビングは天井の高さで演出!
松浦さんの自宅は無垢材を使った床に、モルタルの壁、そして板を張ったモダンな天井という清潔感のある空間。そこに無骨な印象を与えるインダストリアルファニチャーが色を添えている。建物自体は築50年を超える物件をフルリフォームしたものだ。
家族や訪問客が集まるリビングは大きな窓で、自然光を採り入れて柔らかい印象に。リノベーションで天井高を上げたことにより、大柄で無骨なヴィンテージ家具も違和感なく置くことができている。子ども用のヴィンテージチェアと、旧いトランクをアレンジしたテーブルがアクセントに。
2.タイルとアイアンで無骨に仕上げたキッチン。
暖かみのある木材に真っ白なサブウェイスタイルのタイルがクリーンな印象。インダストリアルな照明が無骨な雰囲気をプラスし、バランスをとっている。松浦さん宅には工業製品を思わせる通な照明が、随所に配置されている。配線さえしっかりすれば、今のライフスタイルでも十分使えるので、インダストリアル系の家具を取り入れるなら、照明から入るのも手だ。
3.あえての見せる収納を取り入れた玄関。
訪問客が初めに接触する玄関では、個性を演出。大のブーツ好きであり、オリジナルブランド『クリンチ』を手掛ける松浦さんは、ブーツ収納用のラックを特別オーダーし、かさばりがちなブーツを魅せる収納棚に。ウッディな空間に船で使われていたという大きなシェードランプが効いている。
4.インダストリアルスタイルの家具を効果的に配置。
いいものを長く使う。そんな気分にフィットしてくれるのがヴィンテージ感を漂わせるアイテム。無骨さや男らしさを感じさせるインダストリアルスタイルのものを置くと、木材を多く使用していてもナチュラルテイスト一辺倒にならない。
◆
西海岸の空気は、インテリアで作れる。インテリア賢人たちの自宅例を事例に、マイホームを憧れの空間に進化させてみよう。
(出典/「Lightning 2016年10月号 Vol.270」)
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