二輪教習所ってどんなトコ? まったくバイクの事がわからなくてOK【二輪免許の取り方◎後編】

バイクの免許が欲しい!と思ったら、多くの人は教習所に通うことを検討するのではないだろうか。そこで気になるのが「教習所って、時間やお金はどのくらいかかるの?」だろう。ここでは教習所でバイク免許を取るときにかかる“時間とお金”について調べてみたぞ。

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「バイクってカッコいい!」と思ったら、まずは免許をGETしよう。【二輪免許の取り方◎前編】

「バイクってカッコいい!」と思ったら、まずは免許をGETしよう。【二輪免許の取り方◎前編】

2023年10月04日

バイクの教習時限数 早見表

  • 原付:“原付免許”の正式名称は原動機付自転車免許。単なる原付と呼ぶ場合はこの原付一種のことが多い。排気量が50cc以下のバイク
  • 普通二輪小型限定:原付二種のこと。普通自動二輪の中でも排気量が50cc超~125cc以下のバイク
  • 普通自動二輪:二輪車の車両区分の1つで、排気量が50cc超~400ccのバイク
  • 大型自動二輪:二輪車の車両区分の1つで、排気量が400cc超~のバイク
取得希望免許→/
取得済免許↓
教習 普通二輪
小型限定
普通二輪 大型二輪

MT普通自動車

※( )はAT

免許なし
または原付
技能 12 19 36 34(31)
学科 26 26 26 26
学科試験
普通二輪
小型限定
技能 5 20 32(29)
学科 0 0 2
学科試験 免除 免除 免除
普通二輪 技能 12 32(29)
学科 0 2
学科試験 免除 免除
大型二輪 技能 32(29)
学科 2
学科試験 免除
MT普通自動車

 

技能 10 17 31
学科 1 1 1
学科試験 免除 免除 免除

まずは早見表で確認。この表は、“公認(指定)自動車教習所”で受講するカリキュラムの最短時限数をまとめたもの。数字はその科目を習得するための“時限数”。そもそも最短時限数は法令で定められているので、全国どこで取っても同じ時限数を受ける必要がある。ちなみに1教習時限=50分だ。

次に、まったく免許を持っていない人、または原付免許のみ所持の場合の取得日数の目安はこんな感じ。

免許の区分 学科教習 技能教習 取得日数の目安
小型限定普通二輪免許 26時限 12時限 最短7日~19日程度
AT小型限定普通二輪免許 26時限 9時限 最短6日~18日程度
普通二輪免許 26時限 19時限 最短9日~23日程度
AT限定普通二輪免許 26時限 15時限 最短7日~21日程度
大型二輪免許 26時限 36時限 最短15日~31日程度
AT限定大型二輪免許 26時限 29時限 最短13日~28日程度

最短●日、と計算したものの、これはあくまでも理論上のハナシ。例えば1日で6時間学科を受けて、2時間実技をこなすといった、1日中教習所にいるくらいの感覚で学科と実技教習を効率よく受けないと達成できない日数となっているのであしからず。

現実には検定試験で落ちる(+1日)、教習のスケジュールが上手く調整できなかった、運転が難しくて教習がスムーズに進まない…、など、教習中の予期しないトラブルは当然ある。余裕を持って免許取得計画を立てよう!

教習時限数を決めるのは、先に持っている“他の免許”

早見表にあるとおり、たとえば免許を何も持っていない(原付免許のみ持っている人を含む)人なら普通二輪免許を取るのに“技能教習19時限、学科教習26時限(※)かかるところ、クルマの免許を持っている人なら、同じ普通二輪免許を取得するまでに”技能17時限、学科1時限”でOK! 学ばなければいけない道路交通法はバイクもクルマもほぼ同じなので、バイク用の1時限だけ追加で受けるようなイメージだ。技能2時限(1日分)も免除されるので、時間短縮の効果は大きい。

さらに学科試験はクルマの免許を持っていれば免除されるので、改めて筆記試験を受けなくていいのはとてもありがたいポイント。

※第一段階、第二段階合計数

教習所~免許ゲットまでの流れは?

通う教習所が決まったら、まずやる事は入校手続き。教習所によっては、“入校手続きに行ったその日”にバイクの引き起こしを試させる事もある。書類に名前を書くだけだと思って軽装で行ってしまって苦労した…、などという声も聞くので、教習所に出向く時はいつでもバイクに乗れる服装で行くとベター。

指定教習所では第1段階、第2段階の2段階制で行なわれる。ちなみに1日に受講できる実技の最大時限数は第1段階で2時限まで、第2段階では3時限まで(2時限を超える教習は、間に休憩が必要)と法律で決められている。学科は1日何時限受けてもOKだが、自分の体力やキャパシティを考えて、無理のないペースで受けることが大切だぞ。そもそも希望通りのスケジュールを組むこと自体が難しい場合もあるので、教習所と相談しながら進めていこう。

いよいよ全カリキュラムを修了したら、教習所の中で卒業検定だ。晴れて卒業検定に合格すれば、あとは運転免許試験場(運転免許センター)へ行くだけ! 教習所で卒業時に交付される“卒業証明書”を持って、自分の本籍地の試験場へ行こう。卒業証明書は技能試験の免除を受けるための大切な書類だ。絶対に失くさないように!

そして本試験当日は、指定教習所で卒検が受かっていれば改めて技能試験をする必要はナシ。公道での運転に必要な能力を測る、視力検査などの身体検査(適性検査)に合格すれば、晴れてバイク免許をGETできるのだ。

教習所ってどうやって選べばいいの?

まず教習所を選ぶときの基準として、“生活圏内にあること”は重要なポイントだ。あまりにも遠いところを選んでしまうと、生活サイクルがうまく回らなくなってしまい、けっきょく教習所に行くのがおっくうになるなんてことも…。

そんな事にならないためにも、家や学校、職場の近くなど、生活圏内にある教習所の中から自分に合った教習所を探していこう。教習料金が安いところ、キャンペーン内容が充実しているところ、評判がいいところ、校風が合うかどうかなどを参考に、自分が何を一番に優先したいのかをしっかり考えて決めると、失敗は少ないだろう。

また、マンガや雑誌が置いてあったり、女性向けにネイルケアのサービスを行なっていたりと、教習の合間の待ち時間を充実させる“教習内容より待ち時間充実型”もある。また保育所が併設されているなど教習に通いたいと考える、さまざまな立場の人に寄り添った教習所もある。

少子化にともなって教習所へ通う人も減り、厳しいだけの教習所は流行らない。むしろ教習生確保のために工夫をしているところが多い。そんな個性豊かな教習所から、自分のお気に入りを見つけよう!

はじめての免許取得なら公認教習所を選ぼう

教習所を選ぶ前にまず知っておいてほしいのが、教習所には公認・非公認があるということ。

◆公認教習所とは

各都道府県の公安委員会から指定を受けた教習所のことで、ほとんどの教習所がこれに当てはまる。最後に運転免許試験場で行なわれる卒業検定(筆記)以外はすべて教習所で受けることができるので手間がかからない。指定自動車教習所ともいわれる。

◆非公認教習所とは

各都道府県の公安委員会から指定を受けていない教習所のことで、技能の授業を行なう以外は試験や学科講習を実施していない。ピンポイントで実技のみを練習したい人にはピッタリで、1日に受けられる実技教習時間に制限がない。シンプルにいえば、走った分しかお金もかからないので、上手くいけばかなりリーズナブルに技能を修得できる。だが、教習を進めるための試験を受けるたびに運転免許試験場に行かなくてはならないので、かなり手間がかかってしまう一面も。自分の能力と場面に合わせて上手く活用するのがお勧めだ。ちなみに非公認教習所の中でも、さらに届出自動車教習所や特定届出自動車教習所、指定外自動車教習所などに分かれている。それぞれを選ぶメリットとデメリットがあるのだが、ここでは割愛。

非公認教習所は教習時間が短く費用が安めというメリットはあるものの、はじめての二輪免許取得の場合はしっかりと技術も身につき手間も少ない公認教習所を選べば安心だ

教習所にも性格(?)がある。スピード重視で緩めのところ、スパルタで厳しく卒検も難しいところなど。事前に口コミや友人知人の話を聞くなど、自分に合ったところを選ぶのがいい

教習所の繁忙期・閑散期を見極めよう

クルマの教習とバイクの教習は繁忙期が少し異なる。クルマの教習は学生の長期休暇にあたる1~3月、7~8月が繁忙期になるが、バイクの場合1~3月は閑散期になる。

それは地域によりけりだけれど冬は寒いからだ。とくに積雪するようなところでの二輪教習は困難なため、4月から徐々に増え始め10月までがピークになる場合が多い。なので新学期が始まったばかりの4月か、寒くなり始める11月がねらい目となる。

 

教習所の繁忙期

 

合宿で取る、という方法も

“生活圏内にあること”と先に伝えたけれど例外もある、それが合宿免許だ。学科・技能の教習予定を教習所側ですべて組んでくれるので、自分で予約をするのが面倒な人や、新たな人との出会いに期待する人にもオススメ。ただし泊まり込みのため、利用できるのは長期の休みが取れる学生が中心となるだろう。合宿で取る場合の普通二輪免許取得までの平均日数は9日程度となる。

ギュッと日程が凝縮され、教習所の都合でスケジュールをガンガン組んでもらえる分、費用は通学と比べて割安となる。ただし、居住地からある程度離れた場所の教習所でないと合宿を受け付けてもらえないなどの条件があるので、申し込む前に行く先やプランはしっかりと確認しよう。ちょっとした旅行とリゾート気分で、あえて遠方に旅立つのも楽しいぞ!

教習所選びのコツ その他

◆送迎バスを活用しよう

最近は送迎バスが出ている教習所が多く、なかには何と家まで送迎してくれるところもあるそうだ。予約制もあれば、巡回バスの乗車口に行けば予約なしで乗れるところもある。

◆キャンペーンを重視しても◎

最近は手の込んだキャンペーンやプランが多く、充実度合いで教習所を選んでも◎。少し調べただけでもさまざまなキャンペーン・プランがあった。

例えば、“普通二輪+大型二輪教習セットでお得プラン(6ヶ月以内)”、“早期申込み割引”、“二輪の教習生にグローブなどバイク用品をプレゼント”、“専属プランナーに教習の予定を丸投げプラン”、“バイク用品店のクーポン券プレゼント”など。自分の用途に合ったものを選べば、プラスαで教習後のバイクライフがより充実するかも!

とくに教習内容に不安があり、追加補習を覚悟しているなら、“延長補習料金無料パック”など、定額でしっかり教習を受けられるキャンペーンやプランなどは要チェックだ。

免許取得するまでに気を付けることは?

教習所に入学後、教習を開始(先行学科を受講)してから、2段階のみきわめ教習(最後の教習)を修了するまでの期限は9ヶ月。みきわめに合格してから卒業検定に合格するまでの期間は3ヶ月、それらをオーバーした場合は退校となる。

また、卒業証明書の有効期限は1年。焦りは禁物だけれど、ダラダラと長期間教習所に通うことはできないので、注意しよう。しっかり期限を守らないと、それまで頑張ってきた時間がすべてパーになってしまう!

この記事を書いた人
タンデムスタイル編集部
この記事を書いた人

タンデムスタイル編集部

初心者にも優しいバイクの指南書

バイクビギナーがもっとも知りたい、ハウツーや楽しいバイクライフの提案がつまったバイク雑誌。タイトルの"タンデム"は本来"2人乗り"の意味だが、"読者と編集部をつなぐ"、"読者同士の輪が広がる"といった意味が込められているぞ。バイク選び、ライディングギア選び、ツーリング、メンテナンス情報のほか、チャレンジ企画も大好評!
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