【業界人の愛用品】エスプリとアメリカを独自のセンスで融合。|AUBERGE/小林学さん

注目の業界人に、コート、ジャケット、シューズなどワードローブの定番アイテムを軸にそれら愛用品との出会いや経緯、もの選びの基準など細かく取材。10代からアメリカのワークウエアにハマり、フランス遊学の経験も持つ「AUBERGE」のデザイナー、小林さんの愛用品を伺った。

欧州と米国のそれぞれの良さを知ることで出る深み。

1966年生まれ。神奈川県出身。文化服装学院を卒業後に1988年よりフランスへ遊学。帰国後、デニムブランドの企画を経て、1998年にSlowgun&Coを立ち上げ、独立を果たした

2018年にスタートした新レーベルAUBERGEのデザイナーとしても活躍する小林氏。10代より追いかけ続けたアメリカのワークウエアやミリタリーに加えて、多感な20代を過ごしたフレンチのヴィンテージが融合し、唯一無二の世界観を体現している。そんな小林氏がラストワードローブとして挙げた私物は、アメリカとヨーロッパが絶妙にブレンドされている。パリジャンが小粋に501XXを穿きこなす。小林氏のセンスは、まさにそんな感じだ。

「10代からアメリカのワークウエアは大好きですし、パリから帰国した後も給料が入れば、誰も見向きしなかった戦前のオーバーオールなんかにつぎ込んでいました(笑)。デニム工場で縫製をしていた経験もあり、今でもヴィンテージを解体して、魔改造することがあるんですが、アメリカとヨーロッパのヴィンテージの作りを比較すると、もの作りの考え方や美学がまったく違い、どちらにも魅力があると思います。だから自分が一生持っておきたいというアイテムは、アメリカ、ヨーロッパどっちも捨てがたい(笑)。今日のコーディネートのように、イギリスのクラシックなトレンチコートに、戦前のオーバーオールを合わせるくらいが自分らしいと思いますね」

「AUBERGE」小林学さんの愛用品。

1.JACKET/AUBERGE

ル・コルビジェが着用していたことより、通称コルビジェジャケットと呼ばれる‘40~’60年代のレザージャケットを高品質なマウンテンゴートで再構築した力作である。「フランスの公的な人たちへ支給していたジャケットなので、オリジナルはお世辞にもモノが良いとは言えません。そこでG-1のようなゴートスキンを使って、再構築しました。ブランドのファーストシーズンにおける力作です」

2.COAT/Aquascutum

‘70年代のヴィンテージで、アクア5とネーミングされた防水生地を採用したモデル。「もちろんお決まりのBURBERRYも愛用していたのですが、このAquascutumのトレンチコートの方がコンパクトなシルエットで、個人的に好みでした。またギャバではなくて、ツイルというのも珍しいです」

3.EYEWEAR/VINTAGE

近年、盛り上がっているフレンチのヴィンテージフレーム。神戸の名店であるスピークイージーが買い付けたものを、滋賀にある人気セレクトショップであるドゥーバップで購入。「フラットレンズを入れて、クラシックすぎない印象に仕上げています。度が入っているので、ファッションの前に道具として愛用。あえて細いフレームに」

4.DENIM/VINTAGE

30年近く前に購入したというオーバーオール。現在は内装業として活躍するハイライトが高円寺にあった際に、同店で手に入れた。「当時は戦前のワークウエアに興味がある人が圧倒的に少なく、扱っているショップも少なかったです。変則的なポケットやライトオンスのデニム生地、フロントが低い作りなど、ストアブランドですが、一番のお気に入り」

5.CAP/Ralph Lauren

小林氏のアイコンとなっているのが、Ralph Laurenのポロマークが刺繍されたシンプルなキャップ。何色も所有している。「けっして特別なものではありませんが、自分の顔と頭に一番フィットするので、何個も買い足しているマイフェイバリット。いわゆるダッドキャップで、ツバの形状と浅い被り心地が最高なんですよ」

最近買ったもの、ハマっているもの

小林さんがハマっているのがブルートゥースを搭載したイヤフォン。右はB&OとBerlutiのコラボレーションで、左は重低音に定評のあるBEATSのフィットプロである。

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)