【業界人の愛用品】自分の足で稼ぎ、目で確かめる。あとは直感。|BONCOURA/森島久さん

  • 2022.07.11

流行や単なる一過性で手に入れたものではなく、これまで10年、20年と長く付き合ってきたプロダクツ。40年を超える古着歴を持ち古着キュレーターとしても知られる森島さんにも、そんな思い入れのある品がいくつかある。気になる愛用品の一部を見せてもらった。

蚤の市、古着店を中心に最近は古美術にも。

10代で古着に興味を持ったことがファッションに目覚めたきっかけ。古着キュレーターで知られ、現在はモデルも兼業。20年ものサラリーマン生活ののちに自身のブランドを設立

「全体的に旧いものは、好きなのですが、これといって特に好きなもの、このジャンルを探しているというよりかは、自分の足で稼いで目で見て確かめる。そして良いと思ったものは、直感で手に入れるようにしていますね。実際には、蚤の市や古着店を中心に見て回ったり、また海外に行った際は、必ずアンティークショップなどに足を運び、珍品を探し続けています」

BOUCOURAのディレクターを務める森島氏。40年を優に超える古着歴でありながら、その熱は現在も継続中だ。またアメリカやヨーロッパなどの海外プロダクツだけでなく、日本の旧いものにも興味を持ち始め、買い集めた旧い美術品は、築100年以上の納屋を改装した自身のサロンに多数並べているという。

「古着はなんでも好き。気に入ったものは複数ストック。手に入るものなら、デッドストックが良いですね。デッドストックしか買わない訳ではありませんが、どうせなら新品の方が良いですから」

「BONCOURA」森島久さんの愛用品。

1.JACKET/BONCOURA

渡英し、ハッタースレーキと呼ばれる人力の機械で織られたツイードを探し、その工場にオリジナルの生地作成を依頼して製作。「1日で1着分しか作れない希少な生地でクラシカルな生地の風合いが気に入っています」

2.CAP/Unknown

’40~’50年代のデニムワークキャップは、30年ほど前にアメリカのスリフトショップで手に入れたもの。「奇跡的に被れるサイズだったので購入しました。最近は被る機会も少なくなりましたが、気にせずラフな普段用として使っていました。年代特有の色落ちが好き」

3.SPECIAL/SWEAT

昨今、ヴィンテージの価格高騰が著しいChampionのリバースウィーブ。1973年製の単色タグを装備し、袖は購入した時からカットされていたという。「希少なXLサイズではありますが、ボクにとってはこれでも小さいので、裾など伸ばしまくって着ています」

4.COAT/BONCOURA

原皮の選定から鞣しの過程など、すべて見直しオリジナルで仕上げたレザーを使用して作ったレーザーコート。「茶芯レザーを使用しているため、デニムと同じく経年変化が明確に出るのが好きですね。デッドストックのヴィンテージボタンも革とデザインとも相性が抜群」

5.BAG/BONCOURA

BONCOURAを象徴する赤が目を惹くすべてハンドソーンによるレザートートバッグ。「シボ感が強く、オイルが染み込んだレザーは雨にも強いので、普段使いにガンガン使っています。2dayくらいまでのちょっとした出張程度ならこのバッグで行っちゃいます」

最近買ったもの、ハマっているもの

コトブキ社製のエレファントスツールは柳宗理デザインの名作のひとつ。もちろん買うのは、当時のオリジナルだけ。他の色、サイズも種類違いでコレクションしている。

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)

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