【業界人の愛用品】自分の足で稼ぎ、目で確かめる。あとは直感。|BONCOURA/森島久さん

流行や単なる一過性で手に入れたものではなく、これまで10年、20年と長く付き合ってきたプロダクツ。40年を超える古着歴を持ち古着キュレーターとしても知られる森島さんにも、そんな思い入れのある品がいくつかある。気になる愛用品の一部を見せてもらった。

蚤の市、古着店を中心に最近は古美術にも。

10代で古着に興味を持ったことがファッションに目覚めたきっかけ。古着キュレーターで知られ、現在はモデルも兼業。20年ものサラリーマン生活ののちに自身のブランドを設立

「全体的に旧いものは、好きなのですが、これといって特に好きなもの、このジャンルを探しているというよりかは、自分の足で稼いで目で見て確かめる。そして良いと思ったものは、直感で手に入れるようにしていますね。実際には、蚤の市や古着店を中心に見て回ったり、また海外に行った際は、必ずアンティークショップなどに足を運び、珍品を探し続けています」

BOUCOURAのディレクターを務める森島氏。40年を優に超える古着歴でありながら、その熱は現在も継続中だ。またアメリカやヨーロッパなどの海外プロダクツだけでなく、日本の旧いものにも興味を持ち始め、買い集めた旧い美術品は、築100年以上の納屋を改装した自身のサロンに多数並べているという。

「古着はなんでも好き。気に入ったものは複数ストック。手に入るものなら、デッドストックが良いですね。デッドストックしか買わない訳ではありませんが、どうせなら新品の方が良いですから」

「BONCOURA」森島久さんの愛用品。

1.JACKET/BONCOURA

渡英し、ハッタースレーキと呼ばれる人力の機械で織られたツイードを探し、その工場にオリジナルの生地作成を依頼して製作。「1日で1着分しか作れない希少な生地でクラシカルな生地の風合いが気に入っています」

2.CAP/Unknown

’40~’50年代のデニムワークキャップは、30年ほど前にアメリカのスリフトショップで手に入れたもの。「奇跡的に被れるサイズだったので購入しました。最近は被る機会も少なくなりましたが、気にせずラフな普段用として使っていました。年代特有の色落ちが好き」

3.SPECIAL/SWEAT

昨今、ヴィンテージの価格高騰が著しいChampionのリバースウィーブ。1973年製の単色タグを装備し、袖は購入した時からカットされていたという。「希少なXLサイズではありますが、ボクにとってはこれでも小さいので、裾など伸ばしまくって着ています」

4.COAT/BONCOURA

原皮の選定から鞣しの過程など、すべて見直しオリジナルで仕上げたレザーを使用して作ったレーザーコート。「茶芯レザーを使用しているため、デニムと同じく経年変化が明確に出るのが好きですね。デッドストックのヴィンテージボタンも革とデザインとも相性が抜群」

5.BAG/BONCOURA

BONCOURAを象徴する赤が目を惹くすべてハンドソーンによるレザートートバッグ。「シボ感が強く、オイルが染み込んだレザーは雨にも強いので、普段使いにガンガン使っています。2dayくらいまでのちょっとした出張程度ならこのバッグで行っちゃいます」

最近買ったもの、ハマっているもの

コトブキ社製のエレファントスツールは柳宗理デザインの名作のひとつ。もちろん買うのは、当時のオリジナルだけ。他の色、サイズも種類違いでコレクションしている。

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...