最後のハンドビルドモデル、後世に残すべき世界的銘車「1969 MERCEDES-BENZ 280SE COUPE [W111 ]」

美しいクルマは作られた年代に限らずその完成度の高さゆえ、後世に語り継がれていくもの。いわゆるクラシックカーと呼ばれる半世紀以上も前にこの世界に生み出され、息を吹き込まれたクルマが、長い年月を経て、いまでも街を走っていることを当時、誰が想像できただろうか。ここではさらに後世に残すべき世界的銘車を紹介する。

威風堂々としながらも気品溢れるクーペの美しさ。

四輪の歴史を作り上げてきたと言っても過言ではないドイツ生まれのMERCEDES-BENZ。世界的に高級車の代名詞としても浸透しており、自動車大国であるドイツを代表するブランドでもある。

いまでこそ街を走れば、スリーポインテッドスターズ、いわゆるベンツマークのエンブレムを掲げたクルマが走る光景は、さほど珍しくないが、それほど、MERCEDES-BENZに対するユーザーからの信頼が高まっている証でもある。

シートやパネルに天然革と天然木をふんだんに使用したインテリア。細かなディテールを含め、もはや工芸品とも言える作り込みの高さはハンドビルドならではだろう

もちろん自動車メーカーとして長い歴史を誇るMERCEDES-BENZであるため、かつて生産してきたクルマの中で、銘車と呼ばれるモデルは複数存在するが、なかでも誰もが認める銘車といえば、最高級パーソナルクーペとして1961年に登場したW111型280SEのクーペだろう。

同型のセダンと異なり、第二次世界大戦以降、ファクトリーにて、勢に限りを尽くし、オールハンドビルドされた最後のモデルとしても知られている。迫力のある大型グリルのフェイスを持ちつつもミニマルなサイズが気品を漂わし、どこを切り取っても美しい個体へと仕上がったクーペは、いつの時代も最高峰として語り継がれていくはずだ。

1969 MERCEDES-BENZ 280SE COUPE [W111 ]

美しい均衡を保つクーペ。W111型自体は、セダン、クーペ、コンバーチブルの3モデルが存在する。デザインは、フランス人カーデザイナーとして活躍したポール・ブラックを起用したことでも知られている。またエンジンは6気筒2.2リッターから始まり、後年式にはV8 3.5リッターエンジンを搭載するモデルなど、年を追うごとに排気量を上げ、複数のエンジンが積まれることとなる。

フロント、リヤガラスに使用されるガラスは曲線美が強調され、かつ視界を阻害せず、見晴らしの良いディテールとなっている
なんと言っても迫力のある大型グリルはこのモデルの大きな特徴
日本ではハネベンで知られるフィンテイル。アメリカのカーデザインに影響を受けたとも言われている

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(CLUTCH2022年2月号 Vol.83)