【LA】ヴィンテージ界の重鎮が手掛ける、デニムリペアサービス「Denim Doctors」に潜入!

Hollywood Trading CompanyのオーナーZip Stevenson氏といえば、本誌「Clutch magazine」ではもちろん、ヴィンテージ業界では世界中で名が知られている人物です。Zipといえばスタッズベルトが真っ先に思い浮かびますが、今回は彼が手がけるデニムリペアサービス、Denim Doctorsをご紹介します。

ダウンタウンにある「Denim Doctors」へ。

Denim Doctorsは、ロサンゼルス・ダウンタウンからほど近いピコ・ユニオンというエリアにあります。ショップ兼工房になっており、ショップにはデニムがずらりと並びます。


オーナーのZip Stevenson氏にお話を伺った。


前述したように、スタッズベルトで一躍その名を世界に知らしめたZip氏。ヴィンテージのスタッズベルトが、希少な上、サイズや状態の良いものが見つかりづらかったことから自らスタッズベルトを作り始めたのがきっかけとなり、2000年、ベルトブランド「Hollywood trading company」を設立しました。
スタッズベルトが生産されていた30年代から50年代の道具やジュエリーを使い制作するZipのベルトは、ヴィンテージファンの間で待ってましたとばかりに大人気に。彼の名は世界中で知られることとなりました。

そんなZip氏だが、実はヴィンテージ業界に足を踏み入れたきっかけは、デニムだったのだそう。大学卒業後、ヴィンテージデニムショップで働き始めたのをきっかけに、ヴィンテージデニムに関する知識を身につけ、その後1994年、ヴィンテージデニムのリペアをスタートさせた。
彼の手にかかれば、それまで修復不可能と思われていたデニムもなんなくリペアできたという。それが、Denim Doctorの始まりとなったんだそう。

ショップ奥の工房ではこの日も様々なデニムがせっせとリペアされていた。


作業場には大きなミシンがたくさん置かれていた。


この日作業していたデニムを見せてもらった。



膝の部分に穴が空いてしまったデニム。この穴を直していく。



穴の裏から、このデニムに似たデニム生地を当て、アイロンをかけ、ミシンで縫い、少しずつ縫製して直していく。2時間程度で、大体のデニムはリペアできるという。


仕上がりはこの通り。穴があったのがほとんどわからない程に綺麗に仕上がっている。
実は私も以前、Denim Doctorでヴィンテージデニムをリペアしてもらったことがあるんです。サイズもぴったり、シルエットも、何もかもパーフェクトで、この先二度と見つからないだろうと思っていた50年代のヴィンテージデニムがひょんなことから、修復不可能なほどにビリビリに破けてしまったという……(大怪我をした際、病院でハサミを入れられビリビリに……涙)。
その後必死に同じものを探すもやはりなかなか見つからなかったけれど、奇跡的に、サイズが大きいものなら見つかったんです。それをビリビリに破けてしまったデニムと一緒にDenim Doctorへ持っていき、復元してもらったのです。
ぴったりサイズになって手元に戻ってきたときは、涙が出るほど嬉しかったです。きっとこんな風に、皆様々な経緯で、ここへ思い入れのあるデニムを持ってくるのでしょうね。あきらめずに修理し、また愛用する。それを叶えてくれる素敵な場所でした。
【DATA】
DENIM DOCTORS
1507 W Washington Blvd
Los Angeles, CA 90007

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

Pick Up おすすめ記事

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...