レッド・ウィング・ジャパン秘蔵のアーカイブを紹介

東京・恵比寿にあるレッド・ウィング・ジャパンの本社には、自社のヴィンテージブーツを多数ストックしたアーカイブルームがある。
一般的には公開していないため、普段はレッド・ウィングの直営店にディスプレイしているものしか見ることはできないが、実は150足以上ものヴィンテージがここにはストックされているのだ。
レッド・ウィングのブーツはすべてアメリカ製であるが、その企画はアメリカ独自のものもあれば、日本で企画されているものもある。特にヴィンテージを再現した“復刻モデル”は、レッド・ウィング・ジャパンによるものが多く、その歴史やディテールなど細部に至るまでを検証するため、こうしてヴィンテージを多数ストックしているのである。
3(7)
また、アーカイブがストックされているショールームには、レッド・ウィングが1905年の創業当時から使用しているピューリタン社製のミシンも置かれている。
1(2)
2(4)
これはレッド・ウィングの独特なトリプルステッチに不可欠なミシンで、ピューリタン社は現存していないものの、レッド・ウィングでは約30台の同ミシンをメインテナンスしながら現在でも使用しているのである。
11
ミネソタ州レッド・ウィング・シティの本社を取材した際、実際にピューリタン社製ミシンが何台もフル稼働していたが、メインテナンス専門の熟練スタッフがいるからこそ、今でも稼働できるのだと教えてくれた。
 
今回は、滅多に見ることができないレッド・ウィング・ジャパン秘蔵のアーカイブの一部を紹介する。
5(2)
こちらは1957年の自社カタログに掲載されている、『#1100』という品番の“Sky Trooper”。
ブラウンのエルクレザーを使った1足。
6(4)
良い具合に茶芯が顔を出した『#2218』。ビブラムソールを装備した“Logger”で、1983年製。
7(5)
1930年の自社カタログにも掲載されている、メダリオンが施されたキャップトゥを装備する1足は、オフィサーシューズの一種で1963年製。
10
これらは全てラグソールを装備したアイリッシュセッターのマウンテンブーツ。右は1973~’84年の自社カタログに掲載されていた『#825』の1984年製。中央と左は1976~’83年の自社カタログに掲載されていた『#826』で、中央は1978年製、左は1981年製。すべてオロラセット・レザーを使用している。
8(4)
こちらは全てアイリッシュセッターの『#877』。発売当初の1950年代製から様々な年代のものをストックしている。同じ品番でも製造年代などで仕様が色々とあり、例えば上段は全て1950年代製だが、中央のモデルは先芯(つま先の芯)が施されていない。
このように、様々なヴィンテージモデルを実際に手に取って検証しながら、新作モデルが日々考えられているのだ。
この春には、新たなクラシックドレスモデルが登場する。詳しくは2月24日発売のCLUTCH Magazine Vol.48でご紹介しているので、ぜひ合わせてチェックしてほしい。
(Text by CLUTCH Magazine)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

2025年秋冬、「ジェラード」から厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来!!

  • 2025.12.12

2025年秋冬、ジェラードらしいネイティブアメリカン、ミリタリー、クラシックなワークウエアなど、厳選されたヴィンテージモチーフが息づく至高のコレクションが到来。Lightningがその中からおすすめアイテムを厳選して紹介する。 Salem Coat [Lot No_AG12420] 6年ぶりのリリー...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...