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Apple Watch登場10周年。この10年で何が変わった?

  • 2025.04.23

冒頭の写真は2015年4月24日、発売されたばかりのApple Watchを購入した面々で撮影した写真である。発表は2014年の9月10日。そこから半年以上して発売されたわけで、かなり難産だったことがうかがえる。Apple Watch発売から10年。最初に発売されてから、ほぼ1日もかかさず10年間使ってきた筆者がこの10年を振り返る。

Apple Watchが登場した10年前はどんな時代だったか?

10年ひと昔。この2025年4月25日で、Apple Watchが世に出てから10年が経つ。

10年前、2015年といえば、iPhoneが登場して8年。当時iPhoneは6と6 Plus(初めての大型のiPhone)が使われており、その年にiPhone 6sと6s Plus、翌年に7と7 Plus、そして初代のAirPodsが登場した、そんな時代だ。

毎年のiPhoneの変化が楽しくて仕方がない時期ではあったが、同時に熟成も進んでおり、新しい『何か』が求められていた。EvernoteやDropboxなどのクラウドサービスも普及し、IoTや、Makersムーブメントなども話題になっていた。

これは、Apple Watch登場以前に筆者が使っていたデバイス。Nike Fuel BandとFitbit、そしてpebble steel(Ingressのウォッチフェイスを使っているのがまた懐かしい)。

思えば、Apple Watchは、これらのデバイスをほとんど駆逐してしまった。

初期型Apple Watchはどんなデバイスだったか?

筆者は当時、枻出版社のflick!というメディアでApple Watchの特集を作ったので、よく覚えている。

初代Apple Watchも基本的な形状、機能、OSなどはほぼ今のApple Watchと同じだった。

だが、現在の『ヘルスケア』と『スポーツ』のためのデバイスという明確な軸は持っていなかったように思う。

『iPhoneの周辺機器で』『通知を受け取れて』『ウォッチフェイスが替えられる』そして、『さまざまなアプリをインストール可能』という基本ラインは変わらなかった。

そして、単体で絵や文字が書けることも強調されており、Apple Watch自体を操作するシチュエーションは今よりも多く想定されていたように思う。

また、ファッション性も強く意識されており、アルミ、ステンレスのボディのほかに、なんと18金のゴールドモデルが用意され、最高価格218万円と、プレミアムな方向性も模索された。Apple Watchの発表会にはファションメディアが多く招待されたと聞く(が、当時はあまりファッション業界には受け入れられなかったようだ)。

筆者も、『安いものでなくて、いいものを』ということで、ステンレスの42mmに、ステンレスの鎖を繋いだミラネーゼループのモデルを購入した。

しかしながら、しばらくして気が付いたのは、従来の時計と違って、Apple Watchは陳腐化していくということだ。ROLEXやOMEGAの時計と違って、いくら高級なモデルを購入しても数年経てば旧型になってしまう。そのことに多くの人が気付いたのだ。

また、処理能力の低さや、バッテリーの持ちの悪さも問題になった。一般的に時計を毎日充電する……なんていう習慣はなかったのに、初代のApple Watchは丸一日持たないくらいのバッテリーライフだった。

この点は現在でも変わらず、バッテリーライフの長いApple Watch Ultraでも、2日がせいぜい(公称36時間)ということで、むしろユーザー側が『毎日充電する』という習慣を身に着けることで運用される商品である。

特に、初代の能力は低かったので『Apple Watchは失敗作だ』『こんな時計、誰も使わない』などと揶揄されたりしたものだ。

Apple Watchが続けた進化

アップルの面白いところは、十分な研究期間を経て世に出した商品は、諦めずに方向を微修正しながら作り続けるというところだ。筆者がアップルはVision Proを作り続けると思う根拠でもある。

Apple Watchは毎年モデルチェンジを行い、『18金モデル廃止』『FeliCa(Suica)搭載』『防水性能追加』『単体で通話できるセルラーモデル追加』『電気式心拍センサー追加』『血中酸素飽和度センサー追加』『常時表示ディスプレイ採用』など、機能を追加して熟成を増していった。

それらの過程でApple Watchという商品は着実に変化していった。

最大の変化は『ヘルスケア機能、アクティビティ機能の充実』だ。アップルは本社であるApple ParkにFitness Centerを作り、そこに社員用のフィットネスジムを作ると同時に、ヘルスケア系のさまざまなテストを行える設備を整えた。

また、医療機関との連携も深め、心電図などにおいては医療機器として使える承認を取得し、逆に医学的に曖昧なデータや、無責任なアドバイスを表示しないことが厳守された(そのため、一般ユーザーにとっては曖昧で分かりにくい機能も多い。たとえば、「こうしたら痩せる」「こうしたら寝られる」というような一般ユーザーが欲しい短絡的なアドバイスは表示されない)。

分かりにくいかもしれないが、これはアップルのヘルスケアに対する真摯な姿勢を表していると思う。良薬は口に苦し。健康を目指すのに短絡的な道はないのである。

アップルのフィットネステクノロジー担当VPのJay Blahnik(ジェイ・ブラニク)さんと。

医学的裏付けがないことは明言しない方針なので、なかなか記事にしにくいことも多いが、転倒通知や、衝突事故検出、SOSなどの機能は数多くの人の命を救っている。

これもまた、Apple Watchがなければ多くの効果を発揮していないであろう機能だ。

ヘルスケアデバイスとして、代わるもののない価値

Apple Watchが登場して10年。

10年間使用してきた筆者の考えるApple Watchの価値は、ヘルスケアデータの蓄積にこそある。

筆者のiPhone(というか、iCloud)には、2014年9月からの歩数のデータがびっしりと残っている(Apple Watch登場より古いのは、この頃からiPhoneでも歩数を計測するようになっているから)。だいたい、1日1万歩以上歩いているから10年で3650万歩ということになるのだろうか。

もともと、歩くのは好きだが、Apple Watchに『残る』ことで、確実にモチベーションは向上している。

単なる歩数計ではなく、精密なジャイロにより、どのような動作をしているか、かなり精密なデータがヘルスケアデータには残っているはずだ。

歩行速度、階段昇降の速度、歩行非対称性、歩行時両脚支持時間、歩幅、接地時間、ランニングの歩幅の長さ、上下動、6分間歩行の速度……などが細かく残っていく。

これから筆者が年老いていくにしたがって、これらの数値は低下していくはずだから、数値を維持しようという試みは、健康増進に役立つだろう。また、自分の老いを数値的に認識することも大切なはずだ。

歩行非対称性が急に上がった場合(急に左右のバランスが悪くなった場合)、脳梗塞の予兆である可能性がある。おそらくApple Watchはそれを通知してくれるはずだ。心肺や、睡眠、聴力など、その他にも数多くのデータが保持されており、いまでも異常値が計測されるとアラートが出るし、これらのデータが今後役に立つかもしれない。

つまり、Apple Watchは当初、いろいろな用途を想定して開発されたが、10年間を経てヘルスケアデバイスに進化したと筆者は考えている。

長い間毎日使って、いろいろなヘルスケアデータが蓄積されないと、そのメリットは分かりにくいかもしれないが、少なくとも筆者はおそらく生涯Apple Watch(もしくはその後継デバイス)のデータを蓄積していくと思う。

Apple Watchには、これからも着実な進化を続けて欲しいと願っている。

(村上タクタ)

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