AUGMとは『Apple User Group Meeting』の略。アップルに登録された団体ではあるが、基本的にMacを中心としたアップル製品を愛好する有志が地方ごとに登録してユーザーグループが開催しているイベントだ。もっとも大規模な東京の他に、大阪、名古屋、広島、岡山、宮城、北海道、そして、鹿児島、福岡、大分、宮崎、熊本などで開催されている(なぜか、九州が盛ん)。
今回のAUGM大阪でいえば、AUGM大阪実行委員会に、MUGNET (マグネット)、こだわりさんのお部屋、Macunion (マクニオン)、iPhone Creative U.G、TAC(天王寺アップルクラブ)、UDLAという6つのユーザーグループが参加した開催されている。
主に、ベンダーと呼ばれる、アップル周辺機器メーカーのプレゼンテーションと出展に加え、アップルに詳しい人のプレゼンテーションが行われる。また、前夜祭や打ち上げも楽しみのひとつだ。
AUGM大阪全体については、こちらをご参照のこと。
AUGM大阪
https://augmosaka.wordpress.com/2023/04/29/july-2023/
石井靖人さんが語るSteelSeriesの歴史
ThunderVoltでは、いくつか興味深かったプレゼンテーションをご紹介しよう。
まずは、こちら、ゲーミングギアのメーカーであるSteelSeries Japan Country Managerの石井靖人さんのお話から。
ゲーミングギアといえば、少しMacからは縁遠そうに思えるが、石井さんは元ベルキンの日本代表。Macユーザーの味方なのである。
プレゼンテーションでは、SteelSeriesの歴史から、新製品などの詳細があった。
フェンリルが、絵コンテアプリ『DROMI』を開発中!
Podcast 『backspace.fm』を聞いてる人ならご存知、フェンリル株式会社のプレゼンテーションは、現在開発中のアプリ『DROMI』のご紹介。ちなみにフェンリル株式会社は、タブブラウザ『Sleipnir』などのアプリケーションを開発しているアプリケーションベンダー。
今回紹介されたのは、DROMIという開発中のiPadアプリ。
ラフを書いてその時間を割り当てていくことができるという絵コンテアプリで、ちょっと触らせてもらったが、これまでにない操作感で、これは動画作成に便利かも……と思った。
YouTubeといえば、映像を撮るだけ撮って、それを組み合わせて切り詰めて編集していくスタイルの方が多いのではないかと思うが、DROMIを使うことで、プロの映像のように、先に絵コンテを切ってそれに合わせて映像を撮影していくことが可能になるのではないかと思う。撮影の無駄も少なくなるし、完成した映像のクオリティも上がるだろう。仕事として、映像を撮影している方も、撮影前に、関係者の合意形成が可能になるから便利だと思う。
まだ、開発中とのことだが、興味のある方は、こちらのTwitterをフォローしておきたい。
DROMI
https://twitter.com/DromiApp
スマホホルダー&スタンドのbeakが便利!
『製品ができるまでの1から10』というタイトルで講演されたのは有本開発株式会社の有本匡志さん。
京都在住のデザイナーさんなのだが、自力でゼロから『beak』というスマホホルダー&スタンドを開発された。その開発にまつわるエピソードをお話しされた。
なぜ、この製品を思いついて、開発したのか? 開発し、クラウドファンディングで資金を集め、製品化し、販売し、プロモーションしていくのに、どんな苦労があったか、そのお話がとても面白かった。
実際、ThunderVoltでも『サンボル商会』として、製品開発のマネ事をしているワケだが、製品開発にはこれほどの苦労がついてまわるのか……と驚いているところだから、なおのこと興味深かった。
beakの持ち心地は非常に良かったし、デザインもユニークだと思うので、近々ThunderVoltでも製品レポートをお届けしたいと思う。少々お待ちを。
beak
https://humannatures.jp/products/beak/
ThunderVoltとしては、Vision Proのお話を
せっかく大阪まで行ったので、筆者もちょっとだけお話させていただいた。
内容はもちろん、Vision Proについて。
アップル製品を愛するAUGMのみなさんは、さすがにVision Proに興味津々の様子でお話を聞いて下さった。しかし、このイベントでさえ『Vision Proを買う予定の人は挙手!』といっても1/3ぐらいしか手が上がらなかったので、3499ドル(50万円前後)という価格の障壁はなかなか高いようだ(1/3の人が50万円前後の製品を買うつもりという方がすごいのかもしれない)。
WWDC 23、魚井先生の解釈は?
AUGM大阪のメインコンテンツは大阪電気通信大学の魚井宏高教授のアップルに関するお話。
今回は、『Appleは動かない 〜天国への扉を開くのは誰?〜』と題して、WWDCの総括をお話された。
どうしてもVision Proに注目が集まりがちなWWDC 23だったが、実は各OSの中身がしっかり変更されており、外観の違いは地味でも、変化の大きいWWDCだったというのが魚井先生の見立てだった。
ちなみに、魚井先生の割当時間は60分だったのだが、それを大幅に超えてお話を続けられ、タイムキーパーのスタッフの方が非常に困られる……という一幕があったが、どうやらこれはAUGM大阪の伝統芸らしい(笑)
AIを使った新世代の『コンじる』は?
続いては、AUGMには久々の登場であるAdobeの西山正一さん。
西山さんとAUGMといえば、牧場を走る白馬の写真からAdobe Photoshopの『コンテンツに応じる』という機能を使って白馬を消す『コンじる』という伝統芸能が非常に面白かったのだが、西山さんがアドビ株式会社のCDO(Chief Digital Officer=最高デジタル責任者職)という要職につかれ、to C向けのビジネスのご担当でなくなってから、『コンじる』をみる機会も少なくなっていた。
そして、今回は、アップデートされた『コンじる』が実演された(というか、すでに『コンテンツに応じた塗りつぶし』ではないのだが)。
新しい画像生成テクノロジー『Firefly』の技術を使って、白馬を選択して、『white tiger』と書いて『生成』ボタンを押すと……。
なんと、白馬の代わりに白い虎の画像が生成された。
アドビの生成AIのテクノロジーも素晴らしいが、西山さんの伝統芸能的な語りも素晴らしかった。大阪まで行った甲斐があった。
最後まで盛り上がった!
スケジュールは魚井先生のおかげで押せ押せだったが、会場の終了時刻までに大急ぎで各ベンダーから提供された商品のジャンケン大会などが行われた。
久々のAUGMで、AUGM大阪に関しては初参加だったが、非常に楽しかった。
みなさんも、お近くのAUGMを探して、参加してみてはいかがだろうか?
(村上タクタ)
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