声を外に出さないBluetoothマイク
みなさんは、ビデオ会議や電話に出てる同僚などに対して「ウルサイ!」と思ったことはないだろうか? 逆にVRチャットやゲームしながらのボイスチャットの声でクレームの入ったことはないだろうか?
Shiftallのmutalkは、周囲に音を漏らさないBluetoothマイク。口元にマイクが内蔵されており、スポンジを介した後に、オートバイのサイレンサーのように物理的な隔壁を回り込ませることによって、音声を消音している。
結果、カフェでビデオ会議をしていても問題ないぐらいに、音を消すことに成功している。また、周りの音も入らないので、本人の音声がクリアに聞こえる。話している当人の声が、周囲に聞こえず、先方にはクリアに聞こえると二重の意味で便利なアイテムなのだ。
価格は1万9900円(税込)。現在はShiftallのオンラインストアだけで販売されており、今発注すると早くて10月末、おそらく11月頃の納品になるだろうとのこと。
追記:販売好調とのことで11〜12月発送分は完売。9月4日深夜受注分から2023年1〜2月発送分になるとのこと。
mutalk
https://ja.shiftall.net/products/mutalk
静かなオフィスやカフェでのビデオ会議に
冒頭の写真のようにVRゴーグルと組み合わせて使うと奇異に見えるかもしれないが(メディアとしては、つい見た目のインパクトを重視してしまう(笑))、別に口元に固定する必要はない。
話す時だけ、口に押し当てればよい。外してテーブルに置けば、その間はミュートされるという機能がある。発言する機会の少ない会議であれば、そういった使い方で十分だ。
オフィス利用を考えた場合でも、静かなオフィスの自席で会議に出ても周囲の人の迷惑にならないのは大きなメリットだ。最近の急速なビデオ会議利用の増加で、会議室が不足している会社は多いと思う。ビデオ会議専用の個室を作るには100万円ぐらいの費用がかかるという。スペースの問題もある。本機を導入すれば、ビデオ会議用の個室を作る必要はなくなる。
100%オフラインの会議ばかりなら自宅で行えるが、昨今のオン/オフ混在した状況だと、移動途中に会議に出なければならない状況も発生する。筆者もそういう状況でカフェに入り、「カフェで出席しているので音声は出せません。聞いてはいます」とチャットに書き込むこともある。
逆に、電話口、またはビデオ会議の向こう側の声が聞こえてしまうこともある。それが社外秘の情報だったりするとヒヤリとするものだ。しかし、当人がmutalkを使っていれば、周囲の声をマイクが拾う心配はない。コールセンターなどでも隣席の人の声が聞こえることがあるが、このマイクを使っていれば、対応している人の声だけが聞こえる。
VRチャットや、オンラインゲームの叫び声に
Shiftallの当初のプロモーションでは、VRチャットやオンラインゲームのボイスチャットでの利用が多く取り上げられていた。
筆者はこちらの方はそれほど詳しくないが、夜中にVR空間にいると、周囲の状況から隔絶されるので、つい声が大きくなってしまうというのはありそうだ。
また、仲間とボイスチャットで連携しながら戦うようなオンラインゲームでは、興奮して「回り込め! 殺せ! 殺せ!」「クソッたれ!」みたいなことを大声で叫んでしまう人も多いらしい。ゲームをやっている当人はともかく、周囲の人にとっては不快だろう。子どもがいたら教育上もよろしくはない。叫び声、大きな声の減衰効果が大きく設計されているので、そういう用途にも最適なのだそうだ。
mutalkが秘める大きな可能性
開発したShiftallは、パナソニックの100%子会社。パナソニックを退社後、Cerevo(セレボ)で成功した岩佐琢磨CEOの設立したShiftallをパナソニックが買収し、パナソニック本体では製品化しにくい「尖った」アイデアを製品化する役割を担っている。
最近はVRヘッドセット『MeganeX』(冒頭の写真で使用)、全身の動きをVR アバターに伝える『フルトラ』を実現する『HaritoraX』など、VRデバイスに取り組んでいる。
mutalkもその一環だが、オフィスやカフェでビデオ会議に出る機会の多い筆者としては、もっと大きな可能性を感じる。
今のところ見た目は奇異に感じるかもしれないが、将来的には「ビデオ会議に出る時はmutalkを使うのがマナー」ということになる可能性だってあると思うし、会社やルノワールなどのカフェで、mutalkが貸し出しされる可能性もあるだろう(口元で使うデバイスなので、感染症が収まらないと難しいだろうけれども)。
とりあえず、筆者もひとつ予約してみた。10月末以降の到着とのことだが、製品が到着したら、実際に使用してレポートしたい。
(村上タクタ)
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